ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第75回】

「検索バディ」

同じキーワードで検索した人から情報を教えてもらえるWeb検索支援ツール

(00/04/03)

 Yahoo!やInfoSeekなどの検索サービスでキーワード検索すると、期待した内容とは関係のないページまでが数多く出てきて必要な情報を探し出すのに一苦労、なんて経験は誰にでもあることだろう。条件を絞りこむなど検索方法を工夫すればいいのだが、それでも見つかりにくいことは多々ある。時事ネタなどは同じキーワードで探している人が他にもたくさんいるだろうから、その人たちにオススメのサイトを教えてもらったり、そのサイトを見た人の満足度でサイトをリストアップしたりできないものか…今回はそんな発想のWeb検索支援ツールを取り上げよう。

どんなソフト?……同じキーワードで検索した人とコミュニケーションをとる

「検索バディ」v0.2  「検索バディ」は、Webの著名検索サービスと連動し、同じキーワードで検索した人(以下“バディ”と呼ぶ)から情報をもらったりお勧めのサイトを教えてもらったりできる、Web検索支援ツールだ。バディ(buddy=仲間、相棒)という名前をもつこのソフトは、BBSのように利用者みんなでWeb情報を提供し合うシステムが特長。メインプログラムはJavaで開発されているため、WindowsではJava実行環境のJRE v1.1.7以降がインストールされている必要がある。またMac版もリリースされている。

 「検索バディ」が現在サポートしているのは「Yahoo!」「goo」「Lycos」をはじめとする7種の一般検索サービスと、「まぐまぐ」など3種のML検索、「Mapion」など2種の地図検索、その他「Yahoo!オークション」「ISIZE」「英和辞典」など、全18種類。これらのリストから1つを選択し、検索したいキーワードを入力して[検索]ボタンを押せば、Webブラウザーが開いて選択した検索サービスでそのキーワードを検索し、結果が表示される。と同時に、「検索バディ」のウィンドウ上では同じキーワードで検索した“バディ”からのコメントやお勧めサイト情報が、ちょうどBBSのように表示され、閲覧できる仕組みだ。“バディ”のコメントにURLがあれば、[Jump]ボタンによりWebブラウザーで簡単に開くことができる。またかぎカッコ(「」)でくくられた単語を“グルーワード”と呼び、コメント内にグルーワードがあれば[Jump]ボタンによりその単語で再検索できるという機能も便利だ。

 例えば先日噴火した「有珠山」を「検索バディ」を使って「Yahoo!」で検索すると、Webブラウザーには洞爺湖の紹介サイトや壮瞥町役場のサイト、西胆振地方の紹介サイト、有珠山ロープウェイなどが出てきてしまう。中には昨年8月31日で更新が止まったままのサイトや、つながらないサイトもあり、今回の噴火に関する情報は今ひとつ入手しにくい。しかし「検索バディ」のウィンドウには、INTERNET Watchによる噴火関係のリンク集、噴火前後の詳しい経過が読めるサイト、有珠山のライブカメラのあるサイトなどが紹介されており、先日の噴火に関する情報がすぐに見つかるというわけだ。

 また「検索バディ」のウィンドウ上では、そのキーワードで検索された総数や最後の検索時間、さらに最近の投稿コメントには[HOT!]マークが付くようになっている。

ここがスゴイ!……投票機能によりサイトお勧め度がわかる!

他のバディにコメントを書く  “バディ”のコメント内容が気に入ればボタン一つで投票が可能になっている。自分がアクセスしてみて役に立ったり気に入った情報には、積極的に投票するようにしよう。投票数はリスト中に示され、投票数が多いほど他の“バディ”からのお勧めサイトということになる。その情報の単なる参照数ではなく、“バディ”がその情報にアクセスしてみた結果の満足度を示す数値であるという点が大きなポイントだろう。

 「検索バディ」はいわば検索されたキーワードをテーマにした簡易BBSと言っていい。つまり裏技的な使い方ではあるが、簡易BBSとして「検索バディ」を使うこともできる。共通の趣味を持った者同士が手軽にコミュニケーションをとれる情報交換の場として使うのも面白そうだ。また、小説家の名前で作品名をグルーワードとして登録しておき、お気に入りの作品を“バディ”に投票してもらうという使い方もされているようだ。[Jump]ボタンで簡単に再検索できるため、人気のある作品について書いているサイトを見つけだすのも容易というわけだ。このように活用の自由度が高いのも「検索バディ」のスゴイ点だろう。

こんな場合に便利……時事ネタの検索、簡易BBSにも

投票システムを使う  「検索バディ」の検索エンジン自体は著名な検索サービスに任せているため、普段から素早く情報を検索するためのツールとして使えるが、やはり威力を発揮するのは誰もが検索しそうなキーワードや時事ネタのキーワードを検索する場合だ。速報性の高い時事ネタのキーワードだと、データ収集に時間のかかる全文検索システムでは検索結果になかなか反映されにくいものだが、「検索バディ」なら誰かが先に検索してコメントを書いていればすぐに反映される。もちろんそのためにはユーザー、すなわち“バディ”が積極的にコメントをつけ、気に入った情報に投票していく必要があるのだが、ギブ&テイクの精神で多くの人に使い込まれるほど、ますます便利になるのが「検索バディ」なのだ。

使用上の注意は?……プロキシー未対応、Jumpボタンは使えない場合も

 今のところ一度投稿されたコメントは削除することができない。書き間違いや悪戯なども残ってしまうのは早急に対応してほしいところだ。“バディ”のコメントなど「検索バディ」上で表示される情報はプロキシーに未対応であることにも注意。また[Jump]ボタンによるURLジャンプ機能は、編集部で試した限りではURLの最後がスラッシュ「/」で終わっている場合のみ有効で、「index.htm」などファイル名で終わっている場合はエラーとなりジャンプできなかった。これらの改善も今後に期待したい。

【著作権者】UMEDA Hidekazu 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】0.2(00/03/06)

□検索バディ! サポートページ
http://www.tt.rim.or.jp/~umeda/kbuddy/

(ひぐち たかし)

トップページへ
ひぐちたかしの新作ソフト紹介 INDEX


Copyright(C), 1996-2000 Impress Corporation.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで