【第76回】
「魔法の冷蔵庫」
賞味期限のあるおやつを長く保存でき、長文おやつも簡単作成
(00/04/10)
PostPetのおやつには賞味期限があるため、気がつくと傷んでいておやつを捨てたという経験はポスペユーザーなら誰にでもあるだろう。“クリスマスケーキ”や“菱餅”など、季節はずれになったおやつを使わないままみすみす傷ませてしまったり、ペットが食べきれないほどのおやつを入手しながら結局もてあましたり。でもちょっと待って。小さい頃あなたがそんな風に食べ物を捨てたら、お母さんに怒られなかっただろうか? PostPetの世界だって同じはず。そこで今回は、道徳的にもおすすめのPostPet用おやつ管理ソフトを紹介しよう。
どんなソフト?……PostPetのおやつを管理する支援ソフト
「魔法の冷蔵庫」は、PostPetのおやつを保存し管理するための支援ソフトだ。食品を冷蔵庫に入れれば長持ちするように、PostPetのおやつを「魔法の冷蔵庫」に保存すれば賞味期限を気にせずにとっておくことができる。また“ひみつ日記”を面白くする“長文おやつ”も簡単に作成できるのが特長だ。Windows 95/98で動作するフリーソフトで、VB 5.0ランタイムが必要となっている。
「魔法の冷蔵庫」で[冷蔵庫]に入れたおやつは、PostPet本体のおやつリストに表示されなくなり、[戸棚]に移せば再び表示されるようになる。ただし「魔法の冷蔵庫」はその名の通り“魔法”の冷蔵庫なので、普通の冷蔵庫とはちょっと違う。つまり一度開封したおやつでも、冷蔵庫の中に入れている間はそのままの鮮度で永久に保存しておけるのだ。そして冷蔵庫から出して[戸棚]に移せば、冷蔵庫に入れる直前の状態から再び鮮度が落ちていくことになる。
「魔法の冷蔵庫」には冷蔵室、チルドルーム、野菜室、冷凍庫の4つのドアがあり、好きなところへおやつを分類して整理できる。野菜室より冷凍庫のほうが保存がいいといった機能の違いがあるわけではないのだが、そこはノリ。やはりお寿司はチルドルーム、スイカは野菜室、アイスクリームは冷凍庫にしまっておきたい。おやつの移動は[冷蔵庫の整理]メニューから行おう。当分使うつもりのないおやつは、まとめて“真空パック”にすれば冷蔵庫の外に出して保存することが可能だ。またインターネットなどで配布されているLHA/ZIP圧縮されたおやつファイルを直接開いて、おやつを取り出すこともできる。なお“真空パック”やLHA/ZIP圧縮されたおやつを扱うには、“Unlha32.dll”や“Unzip32.dll”が必要だ。
ここがスゴイ!……ひみつ日記が面白くなる“長文おやつ”を簡単作成
PostPetではペットがメールの配達先でもらったおやつのことを“ひみつ日記”に書くわけだが、“ひみつ日記”は通常PostPet本体が自動的に作成するため、短くそっけないものになりがち。しかしおやつのタイトルを工夫すれば、なかなか面白い“ひみつ日記”を意図的に書かせることができるのだ。例えば「お花見で盛り上がってる最中だったので、どさくさにまぎれてビール樽ごと」という長いタイトルのおやつを作ってメールを配達に来たペットにあげれば、相手のペットの“ひみつ日記”は「お花見で……ビール樽ごとをいただいた。」という文面になるわけだ。「魔法の冷蔵庫」ではこのような“長文おやつ”を簡単に作成できる“長文おやつつく~る”機能が搭載されている。
“長文おやつつく~る”では、255文字までのおやつタイトルを入力して賞味期限と個数を設定、画像を選択して[おやつ作成]ボタンを押すだけ。おやつタイトルには改行も挿入できる。作成したおやつは冷蔵庫の中か戸棚に保存でき、戸棚に置けばPostPetからすぐに利用できる。おやつ画像には9色のクマの画像と1から9までの丸数字の画像が用意されていて、残念ながら自作画像には対応していない。しかしおやつ画像はメール相手に届けられるわけではないので、おやつファイルそのものを他人に配布したりせず“長文おやつ”として個人で楽しむ分には、自作できなくても何ら問題はないだろう。
こんな場合に便利……子供と一緒に、新しい楽しみ方を
おやつを管理して作成もできる「魔法の冷蔵庫」なら、PostPetの楽しみがいっそう広がることだろう。特に子供と一緒にPostPetを使っている人には、食べ物を無駄にしないという道徳教育の意味でもオススメしておきたい。
実は筆者の周囲では最近この“長文おやつ”がはやっていて、風刺やひねりの効いた“ひみつ日記”に笑わせられたり、メール相手のセンスにうならされることがしばしばある。ゲームで言えば“裏技”のようなものだが、PostPetを長く使っていて最近ちょっと飽きてきたという人には、“長文おやつ”で新しい楽しみ方を再発見してほしい。
使用上の注意は?……操作性に問題はないが、外見はさびしい
実際に使ってみて、特にこれといって大きな不満や不具合はない。関連付け機能などもよく考えられていて、LZHやZIPに関連付けをしてもアーカイブの中におやつファイルがない場合は元々関連付けられていたプログラムが起動するようになっている。しいて要望を言えば、ウィンドウをパッと見た外観が文字ばかりで、さびしい感じがしないでもない。今後は冷蔵庫風の外見にするとか、もう少しツールボタンやアイコンを使って“PostPetらしいノリ”を大切にすれば、さらに親しみやすくなるだろう。デザインや見た目のかわいらしさも、PostPetが愛されている大きな要素なのだから。
なお最後に、こうしたPostPet用のオンラインソフトを使うと一般に「PostPet」そのもののサポートが受けられなくなることがある。その点を十分理解した上で、各自の責任において利用してほしい。
【著作権者】T. Funayama 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.01(00/03/31)
□ふ印良品へようこそ
http://homepage1.nifty.com/funayama/
(ひぐち たかし)