ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第81回】

「Follow Mail」

毎日の予定をEメールで自動通知する、スケジュール管理用のフリーソフト

(00/05/29)

 仕事でメールを使っている部署では、何かにつけメールでスケジュール確認をすることが多いのではないだろうか。しかしスケジュール管理に本格的なグループウェアを導入しているならいざ知らず、小規模なグループでは特定または不特定の誰かが手動で予定の通知を行っていたりするため、たまにメール連絡をし忘れるといったミスも起こりがちだ。定期的なスケジュールなら、自動的に予定通知のメールを送るような仕組みがあれば確実。そこで今回は、予定の通知をメールで行うタイプの簡易スケジューラーを取り上げてみよう。

どんなソフト?……予定をメールで通知するスケジュール管理用メール送信ソフト

「Follow Mail」v1.00  「Follow Mail」は、スケジュールをメールで通知するという、スケジュール管理のためのメール送信専用ソフトだ。毎日一定の時刻になれば、その日の予定を記したメールを指定した宛先に自動送信し、任意のメンバーに通知する。通知にはEメールを使うため、通知される側はメールソフトさえあれば予定を受信できるのが特長で、タスクトレイに常駐して、または非常駐でも利用可能。Windows 95/98/2000、NT 4.0で動作するフリーソフトで、現在作者のホームページからダウンロードできる。

 「Follow Mail」は、自動送信機能をもった送信専用のメールソフトと言っていいだろう。通知したいスケジュールの内容は、普通のメールソフトのように件名や本文としてユーザーが自由に入力する。あとはそのメールをどのような日程で送信するかを決めるわけだ。送信先のメールアドレスは予定1件ごとにいくつでも設定でき、よく送信するメールアドレスはあらかじめアドレス帳に登録しておける。

 メール送信の日程は、予定1件ごとに送信の[フォロー開始日]と[〆日]、および[フォロー間隔]で決定する。たとえば6月1日(木)から1ヶ月間、毎週木曜にメールを送信したい場合は、[フォロー開始日]を「2000/06/01」、[〆日]を「2000/06/30」と入力し、[フォロー間隔]はドロップダウンメニューから「週一」を選択すればよい。フォロー間隔はほかに、毎日、隔日、前日、月一などから選択できる。また〆日の当日もメールを送信する設定や、期限切れ後もメールを一度だけ送信するように設定することも可能になっている。

 「Follow Mail」は、最小化してタスクトレイに常駐させ、1日1回予定メールを自動送信させて使うのが基本的な使い方だろう。しかし送信後は常駐させていてもメモリーを消費するだけなので、たとえばスタートアップに登録して起動し、その日の予定メールを送信したあと手動で終了するという非常駐の使い方もできる。送信時刻をあらかじめ設定してあれば、その時刻以降に「Follow Mail」が起動された場合には送信チェックを行い、未送信の予定メールがあれば送信を行い、送信済みであったり送信予定メールがなければ何もしない。そのため1日に何度も起動してしまった場合でも、同じメールが何度も送られることはないし、送信時刻前に送られてしまうこともない。

ここがスゴイ!……メールをつかったスケジューラーの意外な効能

Eメールで予定の通知が届く  「Follow Mail」のスゴイところは、やはり日々のスケジュール管理をメールで行ってしまおうという発想にあるだろう。一見単純なことだが、意外な効能をもたらしている。たとえば自分だけでなく複数の仲間のスケジュールを簡単に管理できるばかりか、どんなメールソフトでも予定の通知を受信できる。しかも「Follow Mail」をインストールするPCは、予定を管理する人のPC1台だけで済むことになる。これまでLAN対応のグループウェアやスケジューラーの多くは、利用するPCすべてにクライアントソフトを常駐させなければならず、いつの間にか起動しない人が出てきたり、PC環境によってはシステムリソースの消費がどうしても気になったものだ。しかし「Follow Mail」ではそういった心配がいらない。

 システムリソース消費という意味では、「Follow Mail」自身が常駐・非常駐いずれでも使えるという点も、高く評価できるだろう。

 またスケジューラーらしい面白い機能として、〆日まで日数のある定期的な通知メールなら「定期連絡:」や「隔日連絡:」、〆日前日であれば「直前連絡:」、〆日当日であれば「本日:」といったフォロー区分名をメールの件名に自動付加できるオプションを挙げておこう。〆日までの日数とフォロー間隔設定から判断し、自動的に適切な文字列が付加される。メールソフトの件名一覧を見ただけでおおよその日程がわかるのは便利だ。なおこの場合、ファイルメニューから手動で[強制送信]を選んで予定通知を送信すると、件名に「緊急送信:」が付加される。

こんな場合に便利……メールを中心とした少人数のグループワークに

設定画面  社内の小さな部署や数人規模のSOHOなど、少人数のグループワークに便利なソフトだ。大規模な人数で利用することを想定して作られた市販のグループウェアには、機能的に及ばない面もあるが、小規模のグループワークには、こういった簡易なスケジューラーのほうがかえって扱いやすいだろう。会議の案内やイベント日程の確認といった定期的に発送するメールの送信を自動化でき、通知忘れなどのミスも防げるはずだ。

 もちろんグループでなくても、普通のスケジュール管理ソフトとして一人で使うのもいい。いわゆるリマインダー機能をもたないメールソフトを使っている人にオススメしたい。

使用上の注意は?……予定ごとの時刻指定通知や、Bccには未対応

 ただ、使ってみて気になったこともいくつかある。一つは送信時間の設定が予定一件ごとではなく全体で設定するため、時間指定のスケジュール通知としては利用できないということだ。筆者のように、夜に行われる予定の通知を当日朝に受信してもすぐ忘れてしまう人もいるだろうから、特にLAN環境での使用を想定して作られているのであれば、予定一件ごとに送信時刻を指定できる機能もあるとありがたい。また、メール送信専用ソフトながらBccが自分宛以外に使えないというのも気になった。これらは今後、作者に機能の追加を検討してもらいたいところだ。

【著作権者】KENCH(平内 健一) 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.00(00/05/10)

□KENCH's Software
http://member.nifty.ne.jp/KENCH/


お詫びと訂正: 記事掲載時に「どんなソフト?」の3段落目において、「期限切れ後もメールを送り続けるように設定することも可能」とお伝えいたしましたが、「期限切れ後もメールを一度だけ送信するように設定することも可能」の誤りでした。お詫びとともに訂正させていただきます。
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