ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第82回】

「smdEd」

4和音まで対応! Jフォンとiモードで使える音符入力式の着メロエディター

(00/06/05)

 街を歩けばあちこちで携帯電話の凝った着信メロディを耳にするようになった。最近の機種では3和音、4和音を鳴らすこともできるようになり、最新ヒット曲を携帯電話に直接ダウンロードして着メロにできるサービスもある。しかし、昔はやったオモシロCMのメロディや、珍しい曲、自作の曲など、着メロもオリジナリティにこだわりたい場合は自分で入力することになる。だが4和音メロディともなれば、携帯電話の限られたボタンキーでの入力では手間も時間もかかってしまうもの。そこで今回は、Jフォンとiモード用の着メロを譜面入力で作成したり、データ変換できるソフトを紹介しよう。

どんなソフト?……スカイメロディやiメロディを作成できる着メロエディター

「smdEd」v1.48  「smdEd」は、Jフォンの“スカイメロディ”やiモードの“iメロディ”に対応した着メロを簡単に作成できる、4和音対応の着メロエディターだ。音符をマウスで入力して最大4和音までの曲を作成でき、スカイメロディで用いられるSMD形式ファイルや、iモード502シリーズのiメロディで用いられるMLD形式ファイルに保存できる。SMD、MLDの読み込みもサポートしているため、両形式を相互に変換できるのも特長だ。作成したメロディはすぐにパソコン上でMIDI再生して確認でき、MIDIファイルで保存することも可能。Windows95/98で動作する500円のシェアウェアで、現在作者ホームページからダウンロードできる。

 「smdEd」では、ウィンドウに表示される五線譜にマウスで音符を並べてメロディを入力していく。基本操作はマウスの左クリックで音符、右クリックで休符を入力、ドラッグでその音階や長さを決めるが、音符や休符の右クリックメニューでも音階や長さを決められるので、とまどうことはないだろう。音符には付点やスラーをつけたり、三連符にも対応している。また、[SHIFT]キーを押しながらマウスドラッグすれば範囲を選択でき、その範囲について半音上げ下げしたり、オクターブ上げ下げしたりするのは簡単。五線譜の冒頭にあるト音記号を右クリックすれば、ボリュームの設定や調号の設定などパート全体についての操作が行える。

 入力した楽譜は、[PLAY]ボタンで再生し、正しく入力できたかどうか確認しよう。再生にはMIDI音源が必要だが、ソフトウェアMIDI再生でも問題ない。曲のテンポは速い、普通、やや遅い、遅いの4種類から選択、譜面の途中から再生したり、繰り返し再生も可能になっている。そのほか音色をパートごとに変更したり、SMD形式でのファイル保存の際にMLD形式やMIDI形式でも同時に保存するようにも設定できる。

 すべての楽譜を入力して再生確認が済んだら、[SAVE]ボタンでファイルに保存しよう。MIDI形式ならPCで再生できるし、J-スカイ用ならSMD、iモード用ならMLDのファイルにする。SMDやMLDで保存したファイルはFTPソフトでホームページにアップロードして、それぞれの携帯電話でアクセスすれば、携帯電話上で再生したり着信メロディに設定できるというわけだ。ロングメールサービスに加入したJ-スカイ対応の携帯電話であれば、「Outlook Express」などBase 64形式でのファイル添付に対応したメールソフトからSMDファイルを添付してEメールで送っても、着メロとして利用することができる。

ここがスゴイ!……スカイメロディとiメロディを相互変換、MIDI保存も

パートごと音階や音量を変更できる  「smdEd」のスゴイところは、簡単な着メロから比較的本格的な曲までこなせてしまうという点だろう。五線譜による4パートの本格的な作曲がマウスを使って簡単にでき、それをすぐMIDIとしてPCで楽しむだけでなく携帯電話の着メロにして楽しめるというのは、音楽の楽しみ方の幅が広がったと言っても過言ではないかもしれない。

 また、スカイメロディとiメロディを相互に変換可能ということも見逃してはならない。もちろん音色設定や音階範囲など、一方がサポートしていない機能のデータは変換時に抜け落ちてしまうが、携帯電話の機種が違っても音楽データを共有できるというのは実に楽しい。友達からもらった着メロデータを自分の好みにアレンジするなど、さまざまな楽しみ方ができそうだ。

こんな場合に便利……珍しい曲や自作曲を着メロに、携帯向けサイトの素材にも

オプション設定  人と違って珍しい曲や自作の曲を着メロにしたり、自分だけのアレンジに変えて友達に差をつけたいと思っている人には、「smdEd」が威力を発揮するだろう。しかし最新ヒット曲なら、4和音を自分でコツコツ入力するよりは、有料のダウンロードサービスからダウンロードするほうがはるかにラクかもしれない。

 また、MIDI出力が可能なので、着メロにこだわらず簡易な作曲を行うDTMツールとして利用するのもいいだろう。パソコンでも携帯電話でも見られるようなホームページを作成している人なら、ホームページ用音楽素材の作成ツールとしてオススメしておこう。

使用上の注意は?……音階やサイズ制限、サーバーの対応、音楽著作権にも注意

 着メロとして再生可能な和音の最大数や使用できる音階範囲、ファイルサイズ、音量や音色については、携帯電話の機種によって仕様が異なるので注意しよう。また作成したファイルを実際に着メロに設定する方法も気をつけなければならない。J-フォンの場合は、MLDファイルをWebサーバーに置いてダウンロードできるほか、ロングメールサービスに加入していれば添付メールで着メロを送信することができる。iモードの場合は、現在は502iのみ対応で、Webサーバーからダウンロードしなければ再生できず、たとえばEメールに添付して直接送受信しても再生したり着メロに設定したりできない。また、プロバイダーによってはWebサーバーがMLDファイルやSMDファイルのアップロードやダウンロードに対応していないこともある。不明な場合はプロバイダーのサポート窓口に聞いて確かめておこう。

 なお着メロデータをホームページ上で公開する場合は、音楽著作権に十分気をつけるようにしよう。

【著作権者】KNDH 氏
【ソフト種別】シェアウェア 500円
【バージョン】1.48(00/06/04)

□KoNDoH's ----Table of Contents----
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(ひぐち たかし)

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