【第85回】
戦略シミュレーション「キャンペーン版大戦略II」
懐かしの名作シミュレーションゲームを再び!!
(00/06/07)
現在30~40代の中年ゲーマーにとって、システムソフトの「大戦略」シリーズは、ある意味心の故郷だ。PC-8801やPC-9801、あるいはMSXで「大戦略」と出会い、パソコンゲームの“奥の深さ”や“おもしろさ”を知った人も多いに違いない。今回紹介するのは、昔懐かし「キャンペーン版大戦略II」のWindows版。10年の時を経て、いまあの名作が甦った。
オリジナルの発売から10年
筆者の記憶に間違いがなければ、「キャンペーン版大戦略II」が発売されたのは、1989年のこと。日本はバブル景気に酔い、世界はベルリンの壁の崩壊に向けて激動の時代を迎えていた。当時「大戦略」シリーズは目覚ましい進化を続け、様々な作品が発売された。「キャンペーン版大戦略II」は、いわゆる正統派の「大戦略」とは別に、シナリオや部隊の成長を重視してしてデザインされた作品で、かなりのヒットとなったことを覚えている。ちなみに「キャンペーン版大戦略II」の“キャンペーン”とは、“キャンペーンシナリオ”のこと。プレイするマップひとつひとつがその場限りで独立しているのではなく、複数のマップを通してひとつの物語になっている、という意味だ。
![マップは、おなじみの「アイランドキャンペーン」](game85_csc201_s.jpg) |
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![6角形のマス目(ヘックス)を使って部隊を配置・移動するタイプ](game85_csc202_s.jpg) |
マップは、おなじみの「アイランドキャンペーン」
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6角形のマス目(ヘックス)を使って部隊を配置・移動するタイプ
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発売当時そのままの設定
![複数の装備の中から、もっとも有利なものを選んで攻撃する](game85_csc203_s.jpg) |
複数の装備の中から、もっとも有利なものを選んで攻撃する
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![戦闘前に敵味方のユニットを比較して、攻撃率を調べることができる](game85_csc204_s.jpg) |
戦闘前に敵味方のユニットを比較して、攻撃率を調べることができる
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ゲームを起動すると、タイトル画面に続いてマップ(シナリオ)の読み込み画面が表示される。初期設定ではウィンドウ表示だが、プルダウンメニュー“環境”から“フルスクリーン”を選べば、画面いっぱいのサイズでプレイすることも可能だ。また初期設定では256色を使うモードだが、同じく“環境”から“オリジナルCG”を選ぶと、発売当時と同じ16色モードでプレイすることができる。いまさら無理に16色にする必要はないが、当時の雰囲気を味わいたい人はぜひ試してみよう。
続いて、“読み込み”を開いて戦場となるマップを選ぶ。デモ版でプレイできるのは、「大戦略」ファンにはお馴染みの「アイランドキャンペーン」。ひょうたんのような形をした小さな島を舞台に、“ブルー”と“レッド”の2カ国が戦う。“ブルー”側がアメリカ、“レッド”側が旧ソ連というのも、「大戦略」シリーズのお約束どおりだ。初期設定ではプレイヤーが“ブルー”を、コンピューター側が“レッド”を受けもつようになっているが、これは任意に変更することができる。
操作はマウスを使って行う。命令を与えたいユニットを左クリッしてメニューを開き、行動を指示する。移動可能なヘックス以外はモノクロ表示に変わるので、あとは目的地を選んで再度指示するだけだ。都市や工場、飛行場、港などを占領できるのは歩兵ユニットのみ。またこれらのヘックスには“耐久度”があり、歩兵を派遣してもすぐには占領できないので注意しよう。この手のシミュレーションゲームとしては比較的シンプルなルールなので、それほど難しくはないと思うが、ルールの詳細についてはデモ版に添付されているドキュメントファィルを参照のこと。経験を積んだ部隊はどんどん強くなっていくので、無理な戦闘を避け、大切に育てるのがコツだ。
現在も十分通用する作品。むしろ初心者に最適か?
![双方の武器と戦力を模式化した戦闘画面。わかりやすい](game85_csc205_s.jpg) |
3Dの映像、そして光と影の使い方が見事だ
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なんか、いきなり懐かしい。ノスタルジーというよりは、むしろタイムスリップしたかのような感覚すら覚える。この10年でパソコンゲームがどれだけ進化したか、しみじみ感じることができた。しかしいま改めてプレイすると、このゲームが現在も十分通用する内容であることがわかる。シンプルだが、それゆえにわかりやすく、アイコン化されたマップの一覧性もいい。ヘタにリアルじゃないぶん、遊びやすく感じたほどだ。
一番感動的だったのが、ターンの待ち時間がほとんどないこと。「キャンペーン版大戦略II」は、当時としては優れたアルゴリズムを採用していたが、それでもコンピューター側の思考時間は長かった。筆者はこのゲームをPCエンジン版でもプレイしたことがあるのだが、待っている間に何度居眠りしたことか。しかし現在のパソコンなら、10秒もかからずにターンが終わるので、サクサク遊ぶことができる。これは実に気持ちがいい。
Windows 2000にも対応。これでもうチョイ安ければ
![中規模のマップで各部隊の位置と状態を確認する](game85_csc206_s.jpg) |
中規模のマップで各部隊の位置と状態を確認する
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デモ版でプレイできるマップは、先ほども書いたように「アイランドキャンペーン」のみ。「キャンペーン版大戦略II」ならではの魅力である部隊の成長と、次のマップへの部隊の引き継ぎを十分体験できないのが残念だが、こればかりは仕方がない。そのかわり、プレイヤーは“ブルー”と“レッド”の両国をプレイすることができるので、立場を変えながら楽しめるだろう。「キャンペーン版大戦略II」は現在すでに発売中で、価格は7,800円(税別)。Windows 95/98だけでなく、Windows 2000にも正式対応とのこと。うーん、これであとちょっと安ければ、個人的には即買いなんだが…さて、あなたの評価は?
発売元 | (株)システムソフト |
価格 | 7,800円 |
発売日 | 発売中 |
(Csc2try.exe、2.4MB、ゲームデモ)
□「キャンペーン版大戦略II」のホームページ
http://www.systemsoft.co.jp/PRODUCTS/amusement/campaignDS2.html
□「キャンペーン版大戦略II」のダウンロード
http://www.systemsoft.ab.psiweb.com/AM/LIB/Csc2try.html
(駒沢 丈治)
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