【第83回】「WYLauncher」
“クイック起動”からメニューがポップアップ！ フリーの非常駐型ランチャー
（00/06/12）ランチャーソフトは便利だが、常駐型だとメモリやシステムリソースを消費してマシンが不安定になりがちだ。このため結局はデスクトップにショートカットアイコンを並べたり、タスクバーの“クイック起動”をランチャーがわりに使っているという人もいるだろう。しかしデスクトップアイコンや“クイック起動”ではグループ分けができないため、登録数が多くなると探しにくくなってしまう。そこで今回は、常駐せず“クイック起動”を拡張するような感覚で使え、グループ分けもできる便利なランチャーソフトを紹介しよう。
どんなソフト？……クイック起動からポップアップする非常駐型ランチャー
「WYLauncher」は、クイック起動からポップアップする非常駐型ランチャーソフト。タスクバーの“クイック起動”に作成したグループ別のアイコンをクリックすると、アプリケーションを選択するポップアップメニューが現れる。非常駐型のため、使わないときはメモリやシステムリソースの消費がなく、常駐ソフトをあまり使いたくないという人にもオススメできる。
使い方は難しくない。まず、タスクバーの“クイック起動”を使っていない人は、タスクバーの何もないところを右クリックし、[ツールバー]-[クイック起動]を選択してチェックしておこう。なお、Windows 95で“クイック起動”を使うにはIEをシェル統合しておく必要があるので注意。
「WYLauncher」を起動すると、「WYLauncher」のアイコンを“クイック起動”に登録する画面になる。まずは中央の[作成するショートカットの名前を指定してください]という覧に、たとえば「アクセサリー」と入力して[OK]ボタンを押してみよう。するとタスクバーの“クイック起動”に「WYLauncher」のアイコンが登録される。このアイコンをクリックすれば、メニューがポップアップし、標準で登録されているエクスプローラや電卓などのプログラムを起動できるはずだ。
「WYLauncher」では、アプリケーション情報をテキストファイルに登録し、そのテキストファイルを複数管理することでグループ分けを実現している。グループ分けはグループごとのアイコンを“クイック起動”に登録して利用する。標準では5種類のグループテキストが用意されていて、そのままでもエクスプローラや電卓、レジストリエディタなどのWindowsアクセサリー、コントロールパネル関連の設定プログラム、HTMLの作成に役立つホームページなどを開くことができる。
よく使うアプリケーションを新たに登録するには、登録したいプログラムを「WYLauncher」のアイコンにドラッグ＆ドロップすればよい。登録したいグループのテキスト、登録する名前、アイコン、ウィンドウの大きさなどを入力・選択するだけで簡単に登録できる。
「WYLauncher」は、“クイック起動”と連動させて使うことを想定して開発されているというのが最大のポイントだろう。メモリに常駐しないタイプのランチャーながら、クイック起動の機能を拡張したかのようなシームレスな操作感を実現している点が面白い。クイック起動の中から「WYLauncher」のアイコンを選択し、アプリケーションを起動するまでの一連の動作には、とても自然な印象を受ける。
ドラッグ＆ドロップで簡単に新規のソフトを登録できるなど初心者に優しいほか、登録情報をテキストファイルで管理しているため、Windowsの設定ファイルを自分で書き換えるようなヘビーユーザーにも受け入れられやすいだろう。
なお、インターネットショートカットを登録すれば、Webページのブックマークとしても使えることは特に明記しておきたい。
「WYLauncher」は、使わないときは常駐しないため、筆者のように常日頃から多くのソフトを併用するためにシステムリソース不足と戦っている者にとっては、とてもありがたいランチャーだ。また“クイック起動”にたくさんのアイコンを登録している人なら、「WYLauncher」で登録プログラムを整理するといいだろう。グループ分けをして整理することで、目的のアイコンを探しやすくなるはずだ。
ただし、使ってみて気になる点もいくつかあった。まずグループ分けのテキストごとに“クイック起動”への登録が必要となるのは、ちょっと使いにくく感じられる。アイコンを変えれば見分けがつくとはいえ、やはりグループの数が増えればクイック起動の登録アイコンが増えることになり、探しにくくなるからだ。ポップアップメニューをあまり深く階層化するとスタートメニューと同じことになって使いにくくなるだろうが、できれば今後1レベルくらいはメニューの階層化をサポートしてほしい。
また、メニューに表示される順番を入れ替えたり登録内容を修正するには、登録テキストを直接書き換えないとできないのも気になった。これらはいずれGUI、すなわちドラッグや右クリックで簡単に変更できるようになるといいだろう。
【著作権者】HIROMI 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.45□Welcome to Neosoft's Homepage
http://www2.ocn.ne.jp/~hiromi17/
（ひぐち たかし）
