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フリーのファイル・テキスト暗号化ツール「ExCrypt」v0.92

復元ファイルの再暗号化は自動! メールやファイルのやりとりにも安心

(00/06/23)

「ExCrypt」v0.92
「ExCrypt」v0.92
 
ダブルクリックで暗号キーを入力して復号化
ダブルクリックで暗号キーを入力して復号化
 
 第三者に見られたくない文書や画像ファイルは暗号化ソフトで暗号化しておけば安心だが、頻繁に編集するファイルを保存のたびに暗号化するのでは手間がかかる。長くて複雑な暗号キー(パスワード)を設定するのは安全な反面、入力間違いしやすい。また、暗号化した重要なファイルをインターネットでやりとりする場合、相手に暗号キーをそのままメール本文に書いて教えるのは心配…。そんな人は、ファイル暗号化ソフト「ExCrypt」を使ってみよう。

 「ExCrypt」は、簡単で手軽に使える強力な暗号化ソフト。複数ファイルやサブフォルダを丸ごと一括処理できる。ファイルの暗号化の手順は、まず「ExCrypt」のウィンドウ内にある[ファイル暗号化]ボタンをクリックし、表示されるファイル選択ダイアログで暗号化したいファイルを指定するか、このボタンの上にファイルをドラッグ&ドロップする。ファイルを指定した後に続いて表示される暗号キー設定ダイアログに任意の暗号キーを入力し、[OK]ボタンを押せばファイルは直ちに暗号化される。暗号化したファイルはメモ帳などで開いても意味不明の文字列が並んでいるだけで、そのままでは編集することは不可能だ。暗号化したファイルを復号化して元のファイルに戻すには、「ExCrypt」のウィンドウ内にある[ファイル復号化]ボタンをクリックして暗号化したファイルを指定するか、[ファイル復号化]ボタンの上にファイルをドラッグ&ドロップし、表示されるダイアログで暗号化時に設定した暗号キーを入力するだけ。直ちにファイルは復号化されて編集可能な元のファイルに戻る。

 ファイルを復号化する場合、あらかじめ設定で暗号化ファイルの関連づけを行っておけば、暗号化したファイルをダブルクリックなどで開くだけで暗号キー入力のダイアログが現れるようになる。正しい暗号キーを入力するとファイルが復号化され、続いて元々関連づけられていたアプリケーションでファイルを開き、「ExCrypt」は隠れて常駐する。ファイルの編集後にアプリケーションを閉じると、「ExCrypt」が自動的にファイルを再び暗号化し、「ExCrypt」自身も常駐を終了する。つまり一度暗号化してしまえば「ExCrypt」を意識的に起動する必要がなく、復号化と再暗号化をシームレスに行えるわけだ。さらに、クリップボード内のテキストを暗号化することも可能で、「ExCrypt」のウィンドウ内にある[クリップボード暗号化]ボタンを押して暗号キーを入力すると、クリップボードの内容が暗号化されて元の内容と置き換わる。復号化も同様に[クリップボード復号化]ボタンに続く暗号キーの入力で復号化され、クリップボードの内容が置き換わる。

 また、暗号キーをファイルに保存できるのも「ExCrypt」の特長。暗号化時に暗号キーをダイアログに入力する際、[キー保存]ボタンを押せば暗号キーをファイルに保できる。復号化するときには暗号キーを直接入力せず、入力ダイアログにある[キー読込]ボタンで暗号キーファイルを指定するだけで復号化できるのだ。暗号キーファイルには暗号キーそのものが暗号化されて記録されるため、メモ帳などで開いても暗号キーの内容はわからない。長くて覚えにくい文字列を暗号キーに使っても復号が簡単で、万一暗号キーを忘れたときのバックアップとして利用できるほか、あらかじめ二者間で互いに暗号キーファイルを相手に渡しておけば、あとはメールでも手軽に安心して暗号化ファイルをやりとりできるだろう。

 なお「ExCrypt」で使われているのは“TwoFish”と呼ばれる暗号化アルゴリズム。パテントフリー、ライセンスフリーの暗号化アルゴリズム“BlowFish”の作者グループがその後継として開発したもので、最長で256ビットの暗号化鍵長をもち、強固で高速な暗号化・復号化が可能になっている。ただし、いくら暗号化アルゴリズムが強力でも、暗号キーや暗号キーファイルがあれば誰でも復号化できてしまうことに注意。作成した暗号キーファイルは厳重に保管して使いたい。また、メール本文に暗号化したテキストを貼り付ける場合、送信または受信時に自動的に80桁付近で改行を入れてしまうようなメールソフトを使用すると復号化ができなくなることにも注意。

【著作権者】Masahiro Suzuki 氏
【ソフト種別】フリーソフト【バージョン】0.92(00/06/08)

□Masahiro's Homepage
http://www.masa.ac/

(ひぐち たかし)

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