【第88回】
「AviRec」
デスクトップ画面の一部をAVIファイルに“録画”する
(00/07/17)
“百聞は一見にしかず”と言われるように、文字だけの文章よりパッと見てわかる
映像のほうが一度に伝わる情報の量は多い。また一言で映像といっても静止画より動
画のほうが、情報量はより多くなる。たとえば自作のソフトや愛用のデスクトップマ
スコットなどをホームページで紹介したいとき、デスクトップ画面上での動作をその
ままアニメーションにして相手に見せたいと思うことがあるだろう。しかし静止画の
キャプチャーを手動で繰り返してGIFアニメーションなどを作るのは、かなりの手間
がかかる。そこで今回は、デスクトップ画面の一部を“録画”して、そのまま動画ファ
イルにしてしまうという動画作成ソフトを紹介しよう。
どんなソフト?……デスクトップ画面の指定領域をキャプチャーして動画に録画
「AviRec」は、デスクトップ画面上の指定領域をキャプチャーし、動画や連続する
静止画としてファイルに保存できる“デスクトップ録画”ソフト。あらかじめ範囲指
定しておいたデスクトップ上の任意の矩形領域を、時間を追ってキャプチャーしてAVI
形式の動画ファイルに保存できる。またBMP形式の静止画ファイルとして、任意の短
い時間間隔で連続的にキャプチャーすることもできる。AVIの場合は音声も同時録音
が可能だ。
基本的な使い方はシンプル。ソフトを起動したらまず新規作成を選び、保存したい
AVIファイル名と保存先フォルダを指定する。次に[設定]でデスクトップ上の録画し
たい領域をマウスで範囲指定し、ビデオ録画設定でCodecの種類や圧縮品質などを選
択する。音声も同時に記録したい場合は[オーディオ録画設定]で音声設定をしておこ
う。設定を終えてメインウィンドウに戻り、赤い録画ボタンを押すと録画用の小さな
ウィンドウに切り替わる。録画したいソフトなどの用意をして録画ボタンを押すと録
画が始まり、停止ボタンを押すまでの間が動画として記録される。
録画後に再生ボタンを押せば、AVIファイルに関連づけられているプレイヤーが起
動して、いま録画したものをすぐ再生することができる。また、右端にある矢印のボ
タンを押すとメインウィンドウに戻り、録画した動画の各コマが表示されるので、一
つのコマを選択して右クリックすればそのコマ1枚をBMPファイルに保存することが可
能だ。
ここがスゴイ!……音声を同時に録音、動画中から1コマを取り出すことも
「AviRec」では録画するときに音声も同時に記録できるので、たとえば画面を動かしながらマイク入力で説明を加えたりするようなことも簡単だ。サウンドカードの種類によってはパソコン上で再生している音をそのまま記録することができる。また、記録したAVIファイルからは任意の1コマを取り出してBMPに保存できるのもうれしい機能だ。一部または全部のコマをBMPに保存し、他の画像ソフトを使ってGIFアニメーションに変換するといった用途も考えられる。
こんな場合に便利……ソフトの動作を動画で紹介したいとき
言葉や静止画だけではどうしても伝えにくいようなソフトの動作を録画すれば、相手に簡単に伝えることができる。AVIファイルはIEやNetscape Navigatorでもプラグインを使って再生できるので、作成した動画をホームページで公開するのもいいだろう。プラグインを使わずにインライン表示にしたい場合はコマ画像を取り出して他の画像ソフトを使いGIFアニメーションにするとよい。
そのほか、ごく短い時間しか表示されない画面のように、通常のキャプチャーソフトでは最適なタイミングでキャプチャーできないような画面をキャプチャーしたい場合にも使える。
使用上の注意は?……動画を圧縮保存する場合は安定性に注意
実際に使っていて最も気になったのは安定性だ。編集部で試した限りでは、特に動画を圧縮するCodecを選択した場合など、利用するCodecの種類や環境によっては、すぐに「AviRec」がエラーで落ちてしまう現象が見られた。Codecを使わずに無圧縮を選択すれば比較的安定して動作するが、その分作成されるAVIファイルのサイズが非常に大きくなってしまうため、やはり今後は安定性の面での改良を望みたい。
【著作権者】MYON(YOSHIHIKO TAKADA) 氏
【ソフト種別】β版フリーソフト
【バージョン】0.52(00/07/10)
□作者: MYON
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/person/an005630.html
(ひぐち たかし)