【第90回】
「ちょbit 3D」
デジカメで撮った顔写真を可愛い(!?)3Dアニメーションキャラクターにしよう
(00/07/31)
GIFアニメーション画像は人目を引くWeb素材だが、いざ自分で作るとなるとなかなか大変だ。かといってフリー素材集からそのまま利用するのではオリジナリティに欠ける。オリジナリティをもちながら、もっと手軽にインパクトのあるGIFアニメーション画像がつくれないものだろうか…。そこで今回は、1枚の顔写真から簡単に3Dのアニメーションキャラクターが作れるという、手軽でユニークなソフトを紹介しよう。
どんなソフト?……デジカメで撮った顔写真を3Dアニメーションキャラクターに
「ちょbit 3D」は、デジカメで撮った顔写真を元にして3Dアニメーションの人物キャラクターを簡単に作れるソフトだ。顔写真から顔の部分だけを切り出し、あらかじめ用意された体の部分のアニメーション画像と合成して3Dアニメーションキャラクターを作成する。切り出された顔の写真は立体的に見えるように、頬が丸く鼻が突き出た感じに加工され、キャラクター全体は頭でっかちな2頭身となる。それがパラパラダンスを踊ったり左うちわをあおいだりという、思わず笑ってしまいそうなユニークな動きを見せてくれるのだ。
3Dキャラクターの作り方はいたって簡単で、ウィザード形式で必要な情報を入力していくだけ。まず、“証明写真”のように人の顔が正面からハッキリわかる写真画像を用意しよう。できるだけ顔がアップで映っている大きめの画像がいいようだ。対応画像形式はJPEGとBMPで、シェアウェア登録後はGIFとPNGも読み込める。次に「ちょbit 3D」を起動して、用意した写真画像を選んでウィンドウ右下に表示させる。顔の輪郭を切り出すため、指示に従って目や鼻、輪郭の位置をマウスで順番に指定していこう。右目、左目、鼻の頭、口、あごの先、右耳の付け根、左耳の付け根の7カ所について、順番にマウスで顔写真の上をクリックすればOKだ。位置がズレた場合は右クリックでやり直すことができる。すべての位置を指定すると、顔の部分が立体的に貼り込まれた3Dキャラクターがウィンドウの右下に表示されて、その動きを確認できる。
最初は必ずビールジョッキを片手に“乾杯”の動きをしている男性の3Dキャラクターになるが、ほかにも花束を差し出す3Dキャラクターや、テニスの素振りをする3Dキャラクターなど、さまざまな動作パターンが用意されており、パターンのプレビュー画面が表示されている一覧から選択して自由にキャラクターを切り替えることができる。気に入った動作パターンを選んだら、さらに顔の輪郭と髪型を順次選んでいく。輪郭は丸顔、卵形、面長などから選択し、髪型もショート、ロング、ヘルメットをかぶったものなどから選択可能だ。最後に[コレクションとして保存]ボタンを押して、キャラクターの大きさや動きのなめらかさ、背景を透明にするかどうかを選び、ファイルに保存する。保存できる画像のサイズは、大きい(240×180ドット)、小さい(160×120ドット)、最小(120×90ドット)、iアニメ(iモード用)の4種類。動きのなめらかさで[なめらか]を選ぶと[標準]よりスムーズなアニメーションになるが、ファイルサイズは約2倍になる。完成したアニメーションGIFファイルがファイルに保存されると、ただちにWebブラウザーが開いてWebブラウザー上でのアニメーション表示を確認できる。なお、一旦保存したアニメーション画像は修正することができないので、「ちょbit 3D」を終了する前にいろいろなパターンで保存しておくといいだろう。
動作パターンを選ぶとき、[セット交換]ボタンで同梱の“基本セット女性”のキャラクターセットファイルを選べば、女性のキャラクターも作成できる。キャラクターセットファイルとは、動作パターンや髪型などのデータをひとまとめにしたファイルのこと。「ちょbit 3D」では一度に1つのキャラクターセットファイルしか利用できないが、同梱の「ちょbit 3D キャラクターセットメーカー」を使って、“基本セット男性”や“基本セット女性”のキャラクターセットファイルの中から必要な動作パターンデータや髪型データだけを抜き出して、別の新しいキャラクターセットファイルにまとめておける。また、さまざまなキャラクターデータが「ちょbit 3D」のホームページで無料公開されており、ダウンロードしたデータをこの「ちょbit 3D キャラクターセットメーカー」でキャラクターセットファイルにまとめて、「ちょbit 3D」に読み込んで使うことができる。
ここがスゴイ!……髪型やユニークな動きは好みで簡単選択、笑えるキャラに
この「ちょbit 3D」のスゴイところは、なんと言っても誰でも簡単に面白い3Dアニメーションキャラクターが作れてしまう、ということに尽きるだろう。用意されている動作パターンや髪型がいろいろと選べ、かつユニークなので、ちょうど着せ替え人形を楽しむような感覚で爆笑モノの3Dキャラクターを簡単に作れてしまう。しかも写真画像を元にするため(当然なのだが)本人そっくりで笑える。リアルな人の顔をもった3Dキャラクターはちょっとシュールだったり、元の写真の表情によってはかなり不気味になることもあるのだが、それはそれで友達に見せれば大ウケすること間違いナシ! ぜひ友達と一緒にワイワイ言いながら作ってみることをオススメしたい。
こんな場合に便利……ホームページやHTMLメールのアクセントに、iアニメに
作成される3Dアニメーションキャラクターの保存形式は、一般的に利用されているGIFアニメーションファイルなので、そのままホームページの素材として使ったり、HTMLメール対応のメールソフトに添付して友達に送ったりするといいだろう。また保存のときに[iアニメ]形式で保存すれば、iモードで表示できる画像サイズ(80×60ドット)とファイルサイズ(約4キロバイト以下)のGIFアニメーションファイルになる。3フレームのみのアニメーションだが、十分に動きはわかるので、502i系や209i系のiアニメ対応のカラーiモード端末で楽しみたい。なお、ホームページをもっていない人がiアニメを楽しむためにWeb上に登録してダウンロードできるサービスも、「ちょbit 3D」ホームページから申し込んで利用できるようになっている。
使用上の注意は?……ファイルサイズに注意、作成したキャラの再編集はできない
ただ、気を付けておきたいこともいくつかある。作成されるアニメーションGIFファ
イルは、ファイルサイズが意外と大きくなることに注意しておきたい。たとえば数秒
程度のアニメーションでも、数百キロバイトになってしまうことがあるので、1枚の
Webページに多数貼り付けるとWebブラウザーでの読み込みに時間がかかってしまう。
インデックスページのように頻繁に参照されるWebページに使う場合は、画像のサイ
ズを小さくしたり、なめらかさを[標準]にしてファイルサイズを小さくすることを
心がけたい。また、「ちょbit 3D」では一度作成したGIFアニメーションファイルを
後から再び読み込んで修正することはできないため気を付けよう。自分なりに気に入っ
た3Dアニメーションキャラクターができたときは、「ちょbit 3D」を終了してしまう
前に[戻る]ボタンで戻り、動作パターンや髪型、画像サイズなどを選び直した複数の
キャラクターを保存しておくといいだろう。
【著作権者】シャープ(株)
【ソフト種別】シェアウェア 1,500円
【バージョン】1.21
□ちょbit 3D
http://www.spacetown.ne.jp/mebius/lib/t-bit3d/chobi.html
(ひぐち たかし)