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【第99回】

「ブレアウィッチプロジェクト Vol.1:Rustin Parr」

話題のホラー映画が3Dのアドベンチャーゲームに

(00/09/13)

タイトル画面

 なんだか最近、ホラー映画の人気が高い。去年から今年にかけて、ずいぶんいろいろな作品が公開された。その中でも異色の存在だったのが、「ブレアウィッチプロジェクト」。超低コストで撮られたにもかかわらず、奇抜な発想と演出で話題を集め、予想外のヒットを記録した。今回は、その映画「ブレアウイッチプロジェクト」を原作として作られたホラーアドベンチャー、「ブレアウィッチプロジェクト Vol.1:Rustin Parr」を紹介しよう。はたして、ゲームは映画が描いた“恐怖”を超えることができるだろうか。

キミはもう「ブレアウイッチプロジェクト」を観たか?

ゲームが起動したら、まず3Dハードウェアをオンに
ゲームが起動したら、まず3Dハードウェアをオンに

 「ブレアウイッチプロジェクト」は、ドキュメンタリータッチで撮られた点が特徴の映画だ。メリーランド州の片田舎、バーキッツヴィルに伝わる魔女伝説。その真相を探るべく、モンゴメリー大学映画学科の学生ジョシュ、マイク、ヘザーの3人が森へ入る。しかし彼ら全員が行方不明となり、その1年後にフィルムだけが発見された…という設定。演技とは思えない迫真の映像と、マスコミやインターネットとメディアミックスさせた宣伝が話題となり、アメリカでは1億3,000万ドルの興行収入があったという。日本でも今年の正月に公開され、なかなかの評判だったようだ。傑作かどうかはともかく、たしかに無気味な味わいだったと思う。この夏からレンタルも始まったので、興味がある人はぜひ見てほしい。

 で、この映画を原作にして作られたのが、「ブレアウィッチプロジェクト Vol.1:Rustin Parr」というわけ。昨年夏に発売されたホラーアトベンチャー「Nocturne」の描画エンジン使い、リアルな3Dグラフィックで映画の世界を再現している。

オプション設定で操作環境を整える

家の回りを調べる。プレイヤーが演じるのは、映画にも登場した女子学生ヘザーだ
家の回りを調べる。プレイヤーが演じるのは、映画にも登場した女子学生ヘザーだ
建物の中はひどく汚れている
建物の中はひどく汚れている。ときどき見えるのは、昔ここで死んだ子供の幽霊か?

 デモ版のファイルは、ZIP形式の圧縮ファイルで提供されている。ダウンロード終了後、解凍すると“blairwitch.exe”というファイルが出てくるはずだ。実行するとインストーラーが起動するので、あとは画面の指示を見ながら作業を続ければいい。インストールが終わると、デスクトップに「Blair Witch Volune One」というショートカットアイコンが現れる。これをダブルクリックして、デモ版を起動する。

 メニュー画面が表示されたら、まず最初にオプションの設定から始めよう。このゲームは初期設定が3DハードウェアOFF、つまりソフトウェアレンダリングになっているため、3DハードウェアONに切り替えて、解像度も適当なサイズに指定しなおすこと。また初期設定ではレーティングが“Teen”になっているので、血しぶきたっぷりの過激な映像を楽しみたいのなら“Mature”に変更しよう。コントロール方法も好みに合わせて選ぶことができるが、キーボードとマウスを併用する場合、キャラクターの基本的な操作は以下のとおり。

前進/後退[W]/[S]キー
上昇/下降[A]/[D]キー
ジャンプ[G]キー
視点の変更マウス移動
武器の選択フルキーの[1]~[4]
武器の装備[Q]キー
武器をしまう[E]キー
武器の使用マウスの左右同時クリック
ノートを見る[N]キー

 実際は、これ以外にも有効なキーがある。詳しくはオプション設定の画面で確認してほしい。攻撃のときはマウスを使って照準を合わせるので、その感覚をつかむのが生き残るコツだ。


ここがブレアの森にあるRustin Parrの家。すでに焼失したはずなのだが?
ここがブレアの森にあるRustin Parrの家。すでに焼失したはずなのだが?



森の奥深く、ひっそりとたたずむ廃屋が舞台

行方不明になったはずのジョシュが立っている
行方不明になったはずのジョシュが立っている。しかし、どこか様子がおかしい

 ゲームが始まると、目の前に一軒の家が見える。ここが映画の最終場面に登場し、またこのゲームの舞台でもあるラスティン・パーの廃屋だ。プレイヤーが演じるのは、女子学生のヘザー。映画の中では、彼女は怯え、逃げ惑い、最後は廃屋の中で突然意識を失ってしまった。しかしこのゲームに登場する彼女は、勇敢にもたった一人で廃屋に向かい、魔女伝説の謎に挑む。

 さて、廃屋に向かって歩き始めると、半透明の怪物がヘザーにまとわりつき、何度も攻撃を仕掛けてくるはずだ。こいつを倒すのが、プレイヤーに与えられた最初の目的となる。まず[Q]キーを押して、ライトを装備。続いて[1]~[4]キーを押して構える武器を選ぶ。この半透明の怪物には、[3]のビームライフルがいい。連射は効かないが、残弾数を気にせずに撃てるからだ。怪物が現れたら十分に引きつけ、マウスの両ボタンを同時にクリックして発射。怪物の攻撃を受けて体力が0%になると、即ゲームオーバーなので注意しよう。

あまりにも多すぎる謎。この廃屋でいったい何が?

カメラを構えるマイク
カメラを構えるマイク。彼もまた絶叫と共に倒れたはずなのだが?
 最初の怪物を倒したら、廃屋の中に入る。ドキュメントにはこの場面での目的が書かれていないので、何をすればいいのかさっぱりわからない。とにかく自分の身を守り、できるだけ多くの情報を手に入れろ…ということなのだろう。ラスティン・パーの廃屋は、映画の中でも謎の建物として描かれている。パー老人は、なぜ幼い子供たちを殺したのか? 彼に殺害を命令した魔女とは? 一度は焼失したはずの建物が、朽ちたとはいえまだ残っているのはなぜか? とにかく、わからないことが多すぎる。

 [4]キーを押し、武器をライトに持ち替えて廃屋の中を歩く。どの部屋もひどい状態だ。ときどき見える小さな影は、かつてこの家で惨殺された子供たちの幽霊のようだ。壁のあちこちに、怪しげな記号が描かれているのも気になる。宗教的なシンボルか、それとも文字なのだろうか。ひと通り調べたら、地下室にも降りてみよう。森の中で行方不明になった男子学生のジョシュ、そしてカメラを抱えたマイクに合うことができる。もっとも、どこか様子がヘンなのだが…。

映画とはまた一味違ったコワさを楽しむ

かつてこの家で子供たちが惨殺された
かつてこの家で子供たちが惨殺された。その犯人の名がラスティン・パーだった
 とてもいい雰囲気だ。ホラーアドベンチャーとして高い評価を受けた『Nocturne』のエンジンを使っているだけに、光と影の描写がすばらしい。たとえばライトを向けたときの輝きや、床や壁に映り込む影、テクスチャーも美しく、映像的には現在最高レベルの作品だと思う。サウンドも秀逸だ。原作となった映画も、すすり泣く子供の声や意味不明の音、遠くから聞こえる絶叫が恐怖を演出していたが、このゲームでも音がゲームを盛り上げている。3Dサウンド対応の音源とスピーカーを用意して、ちょっと大きめのボリュームにすれば、臨場感たっぷりで楽しめると思う。

 ただし原作とはかなり違うので、そのあたりは割り切って受け止める必要がある。映画のほうは怪物らしい怪物が現れないし、派手に血しぶきが舞うこともない。得体の知れない「何か」に追われる恐怖や、自分や仲間が少しずつ正気を失っていくコワさ。ホラーというよりは、むしろサイコサスペンスに近い。しかし、このゲームのコワさはもうちょっとスプラッター寄りで、どちらかといえば『バイオハザード』系だ。“それ”を受け入れられるかどうかで、最終的な評価は変るかもしれない。

日本ではこの秋発売の予定

屋根裏部屋から怪しい音が
屋根裏部屋から怪しい音が。階段の上に待ち受けるのは何か?
 デモ版ではシナリオ「The Rustin Parr Investigation」の第8章「TheHermit's House」の冒頭を10分間だけ試すことができる。さっきも書いたように、雰囲気はすばらしくイイのだが、たった10分では“遊ぶに遊べない”というのが正直なところ。操作性のお試しと、手持ちのパソコンでの動作確認と割り切ったほうがいいだろう。できれば、もう少しいろいろなシーンを試させてほしかった。とはいえ、これだけの映像が楽しめるのだから、試す価値は十分あると思う。

 製品版は、この秋、(株)ピーアンドエーから発売される予定だ。価格は現時点では決まっていない。なお、製作元であるGathering Of Developersが掲載している情報によれば、シリーズは今後「Vol.2: The Legend of Coffin Rock 」、「Vol.3:The Elly Kedward Tale」と続く、全3部作になるとのこと。いったいどんな結末になるのか、気になるところだ。

発売元(株)ピーアンドエー
価格未定
発売日今秋発売予定

(bw1.zip、70.3MB、ゲームデモ)

□「ブレアウィッチプロジェクト Vol.1:Rustin Parr」のホームページ
http://www.panda.co.jp/panda_hp_g/games/product/bwp/
http://www.godgames.com/games/blair/
□「ブレアウィッチプロジェクト Vol.1:Rustin Parr」のダウンロードページ
http://www.panda.co.jp/panda_hp_g/games/download/

(駒沢 丈治)


(c) 2000 Terminal Reality Inc.

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