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芸術の秋にはオンラインソフトで楽器を演奏しよう!

パソコンが楽器に変身したり楽器と一緒に使えるソフト

(00/09/19)

 楽器や演奏、作曲や鑑賞にいたるまで、いまや音楽とコンピューターは切っても切れない関係になっている。家庭で使われているパソコンでも、音楽を鑑賞したり作曲している人も多いだろう。そこで今回は、楽器をパソコン上で再現してキーボードとマウスだけで音を鳴らすことができる仮想楽器ソフトや、メトロノームやチューナーなど実際の楽器と一緒に使えるソフトを紹介しよう。

■ 楽器の演奏を練習できるソフト

 ここでは、パソコンで実際の楽器そっくりに演奏できるソフトを紹介しよう。楽器を持っていなかったり、夜間など大きな音を出せないときでも、これらのソフトを使えば練習ができる。楽器の演奏法を確認したり、楽器の購入前のさわりとしても使える。

トランペットの吹き方を練習できる「Virtual Trumpet」

「Virtual Trumpet」  「Virtual Trumpet」は、トランペットを演奏する指使いを練習できるソフト。トランペットは、息を吹く速さと指で押さえる3本のバルブで各音階の音を出す楽器だ。「Virtual Trumpet」では、右手はテンキーの[1][2][3]をバルブに見立てて、息の使い方はパソコンでは再現できないので左手を使って数字キーの[1]から[8]を息の速さを指定すると、スピーカーからトランペットの音が出る。ミュート(弱音器)で音色を変えたり、指定したコードで和音を付けて演奏することもできる。トランペットが手元にないときにも指使いを練習したい人や、トランペット初心者が大きな音の出せない夜中に指使いを練習したい場合にオススメのソフトだ。なお、動作にはMIDIの再生環境とDirectX 7.0以降が必要。

【著作権者】Rob Birdwell 氏
【ソフト種別】シェアウェア 15ドル
【バージョン】1.0.3

□BirdwellMusic.com Home Page
http://www.birdwellmusic.com/

ギターなどのコードをMIDI演奏する「Voicings」

「Voicings」  「Voicings」は、ギターなど弦楽器のコードをMIDI音源で演奏するソフト。ウィンドウに表示されているギターのフレットボード上の弦で、押さえたい場所をクリックすると音階が表示され、手のアイコンをクリックするとMIDI音源からその音が鳴る。音色はギター以外にも自由に変更可能で、クラリネットやピアノの音を鳴らすこともできる。また、弦の数や各弦の調弦は自由に変更でき、あらかじめバイオリンやマンドリンといった11種類の主な弦楽器の設定が用意されている。自分で設定すれば、5弦のチェロ・ピッコロといったマイナーな楽器も再現できる。弦を複数押さえた場合にはコード名も表示されるので、ギター奏法の勉強に便利だ。弦の押さえ方は独自の“Chord Book”形式のファイルに保存でき、いつでも読み込んで再現できる。ギターをこれから始める人や、演奏前にコードを試聴しておきたいときにおすすめのソフトだ。

【著作権者】Rick Xavier 氏
【ソフト種別】シェアウェア 30ドル
【バージョン】-

□Xworks
http://www.rickxavier.com/

パソコンのキーボードがそのままウクレレになる「デジレレ」

「デジレレ」  「デジレレ」は、パソコンのキーボードをウクレレに見立てて弾くというソフト。動作にはMIDI音源が必要だ。「デジレレ」を起動したらさっそく演奏してみよう。まず、ファンクションキーが下になるように逆さまにしたキーボードをお腹に付けるように抱えて、右手は弦を弾くかわりにテンキー上に置き、左手は下側から回り込ませてフレットを押さえるようにファンクションキー上に置いて演奏する。ウクレレを奏でるがごとくキーボードを抱えてキーを押す姿はハタ目には笑ってしまうかもしれないが、少し練習すればちゃんとフレーズを演奏できるようになる。さらに、右手の親指で右矢印キーを押すごとに、コードセットの[スタンダード]と[POP]を交互に変更できる。コードセットを[POP]にすると、m7(マイナーセブンス)を簡単に出せるようになる。また、上下の矢印で3種類の音色を切り替えることもできる。さらに、演奏の録音・再生機能もあるので、自分の演奏を確認することもできる。録音した演奏はWAVファイルに出力することも可能だ。

【著作権者】百瀬 央 氏
【ソフト種別】シェアウェア 2,000円
【バージョン】2.0

□PSYT software
http://www.st.rim.or.jp/~npp/psyt/

■ 楽器といっしょに使うソフト

 楽器で音楽を演奏する前には楽譜を用意したり、楽器をチューニングしておく必要がある。そういった演奏の助けになることをパソコンで行えるソフトを紹介しよう。

楽器をチューニングできる「陽気なチューナー」

「陽気なチューナー」  「陽気なチューナー」は、マイクで楽器の音を入力してチューニングできるソフト。起動すると実際のチューナーと同じくメーターが表示され、さらに1オクターブ分の鍵盤も表示される。[Record]ボタンをクリックしてマイクに楽器の音を入力すると、音の高さに最も近い音階が鍵盤上の赤い印で示され、メーターではセント単位のずれをリアルタイムで確認できる。音の高さがぴったり合うとメーターの上にあるランプが緑色に光って表示されるので、それを目安に楽器をチューニングしよう。また、鍵盤をクリックするとそのキーの高さに応じた音がスピーカーから鳴るので、耳で聴きながら楽器をチューニングすることもできる。デフォルトのピッチはピアノ鍵盤中央のA(A4)=440Hzだが、350~500の範囲で調整できるので、最近のオーケストラのように高めのピッチを採用していたり、A=415で調律する古楽器にも対応できる。

【著作権者】陽気なソフト
【ソフト種別】シェアウェア 900円
【バージョン】1.1(99/12/22)

□陽気なソフトハウス-エントランス
http://www.yo-ki.com/index_j.html

電子楽譜“eスコア”のデータを表示・演奏する「スコアプレーヤー」

「スコアプレーヤー」  「スコアプレーヤー」は、電子楽譜の“eスコア”を表示・印刷したりMIDIで演奏するソフト。楽譜をパソコンで扱えるようにデジタル化したeスコアは、(株)河合楽器製作所の提唱するいわばデジタル楽譜。MIDIデータのように演奏情報だけでなく、目で見る楽譜として使えるように、臨時記号やトリルなどの装飾記号といった音楽記号のほか、歌詞や注釈も記述できる。「スコアプレーヤー」で、eスコアを読み込むと楽譜が表示される。たとえば、なかなか一緒に顔を合わせることが難しいアマチュアの合唱団では、指揮者が合唱曲のスコア譜からパート譜を作成して注釈などを書きこんだあと、メンバーにメールで配布するといった使い方ができる。各メンバーは、送られてきたeスコアを見ながらあらかじめ練習できるというわけだ。なお、eスコアのデータは同社からダウンロード販売されているほか、同社製品の楽譜作成ソフト「スコアメーカー」などで作成・編集することができる。

【著作権者】(株)河合楽器製作所
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.0.0.8

□Cミュージックトップページ
http://www.kawai.co.jp/cmusic/

パソコンをメトロノームにする「Metronome for Windows」

「Metronome for Windows」  「Metronome for Windows」は、パソコンでメトロノームを実現するソフト。正しいテンポを身につけることは音楽演奏の基礎的な素養の1つだ。正しいテンポが身についてこそ、アゴーギク(テンポのゆらぎ)といったテクニックを芸術的に演奏できるようになるのだ。そこで、ゼンマイを回さなくても正しいリズムを刻む「Metronome for Windows」を使ってみよう。「Metronome for Windows」を起動し、テンポをスライドバーで指定して再生ボタンをクリックするだけで、カチッカチッと音が鳴ってリズムを刻みはじめる。さらに、四分音符に対する拍子を指定することで、強拍と弱拍で異なる音を鳴らすことができる。拍子をとっている音声ファイルは差し替えることも可能なので、ドラムの音を取り込んでメトロノームにするといったこともできる。

【著作権者】前田 裕也 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.30(99/02/22)

□My Favorite Room
http://yuya.neko.to/

(齋藤 正穂)

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