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初心者にも使いやすい汎用2次元CAD「CB-CAD」v3.5 Level 05B

わかりやすいガイドメッセージで簡単に図面作成が可能

(00/09/27)

Windowsらしいインターフェイスで直感的に操作

「CB-Cad」v3.5 Level 05B  CADソフトというとコマンドが多く、マニュアルを熟読しないと操作ができないと 思われがちだ。また、CADソフトによっては独特のインターフェイスをもち、初めて 使ってみようと思う人には壁となることもあるだろう。「CB-CAD」はWindowsらしい インターフェイスをもち、わかりやすいメニュー構成とガイドメッセージにより作図 を行う、初心者でも軽快に作図が可能なCADソフトだ。

わかりやすい画面構成と操作方法

数字キーを押すだけで「座標値入力ダイアログボックス」が表示される  「CB-CAD」の画面は、プルダウンメニュー、ツールバー、作図画面、ステータスバー のほか、ファンクションキーに割り当てられた12個のボタンが並ぶコマンドバーから 成り立っている。ステータスバーにはメッセージ表示領域、円や矩形など選択した図 形の種類を表す図形属性表示領域、コマンド名表示領域、座標表示領域などがあり、 現在実行しているコマンドや操作方法、線の種類、縮尺、マウスカーソル位置の座標 などが一目でわかる。最下段のボタン群はファンクションキーに割り当てられた 「CB-CAD」独特のコマンドバーで、各種コマンドの実行やマニュアルの呼び出し、端 点や交点の検出を行う“スナップ”機能のオン・オフなどが可能だ。また、作図画面 のスクロールや拡大・縮小、スナップ機能の設定はフローティングツールバーのボタン 1つで行える。どちらもCADソフトでは頻繁に使うコマンドだ。

 作図はプルダウンメニューまたはツールバーからコマンドを実行して進めていく。 作図を開始する[生成]コマンドや、描画した線の移動や削除を行う[編集]コマンドは、 プルダウンメニューにわかりやすい名前で配置されているので直感的に選択できる。 ツールバーのアイコンも、図形を描画するコマンドは緑色、寸法線を描画するコマン ドはピンク色、移動・削除など編集機能に関連するコマンドは青色と統一されている のでわかりやすい。ただし、現在のバージョンではツールバーに全てのコマンドアイ コンを登録すると画面内に表示しきれないので、自分の環境にあわせて必要なものだ け登録するとよいだろう。

 作図や編集を行う際に座標などの数値を入力する場合は、数字キーを押すだけで数 値入力のダイアログボックスが表示され、すぐに数値を入力して作図できる。数値は 四則演算を含んだ形でも入力でき、例えば[円]コマンドで円を作図するときに半径を “100/2”と入力すると、半径50、直径100の円を描くことができる。さらに、座標を 入力するときは絶対座標系と相対座標系の2種類の座標系をすばやく切り替えること が可能。また、図面には文字を描画することもでき、あらかじめ設定しておいた文字 サイズ、文字間隔、傾きで描画できるほか、描画する際に文字サイズ、文字間隔、傾 きを変えることも可能だ。

図形の形状でも選べる独特のレイヤー管理システム

作図した図形の表示・非表示を切り替える[表示属性]コマンド  「CB_CAD」では、レイヤー[*1]を「クラス」と呼んでいる。クラスの作成は[生成 属性]コマンドで行い、クラスに描画する線種や線の色、複数のクラスを識別するた めの番号の指定が可能だ。描画できる線は5種類15色、1枚の図面に対して127のクラ スを使用できる。すでに作図したオブジェクトを新たに作成したクラスに移動する場 合は、プルダウンメニューの[変更]-[図形属性変更]で行い、クラスに名前を付ける 場合はプルダウンメニューの[オプション]-[環境設定]で設定するなど、クラスに関 するコマンドは分散しているので、多少慣れが必要だろう。また、[表示属性]コマン ドでは、作図した図形の表示・非表示を切り替えることができる。指定した図形の形 状や、指定した線の色・線種で描かれた図形、あるいは指定したクラスに描画した図 形のみを表示したり非表示にすることが可能。特に、図形を線分、円、寸法線などの 形状から選択して表示・非表示を切り替えできるのは、CADソフトでは珍しい機能だ。

 [検索属性]コマンドでは、図形の削除・移動などを実行する際の選択範囲を指定で きる。[表示属性]コマンドと同じように、図形の形状、線の色、線種、クラスを指定 して図形を選択でき、例えば複雑な図面で文字列だけを選択したり、青で描いた図形 だけを選択して、移動や削除を行うことが可能だ。もちろん指定したクラスに描画し た図形のみを選択することもできる。青の線で描いた図形と赤の線で描いた図形を選 択するといったこともできるが、[検索属性]コマンドの設定ダイアログで[Shift]キー を使って複数の線の色などをすばやく一括指定できないのは残念だ。

 また、作成した図面はクリップボードを介してワープロソフトなどに貼り付けるこ ともできる。「CB_CAD」の作図画面の背景は黒だが、クリップボードへコピーすると きに背景を白に変換し、さらに線の色を黒にする設定も可能。プルダウンメニューの [線幅表示]の設定をオンにしておけば、線の太さもそのまま忠実にコピーできる。多 くのCADソフトでは、色分けして作図した図面が背景色とともにそのままクリップボー ドにコピーされてしまうので、「CB_CAD」の図面の配色を自動変換する機能は重宝す るだろう。

 図面の印刷はプリンターとプロッターに対応しており、プリンターで印刷する場合 は図面の印刷用紙サイズを簡単に伸縮できる。A3サイズで作図していた図面をプリン ターのA4サイズに縮小して印刷するオプションや、モノクロ印刷とカラー印刷を切り 替えるオプションをクリックひとつで設定できる。図面の縮尺によって描画した線な どが見えにくくなるのを防ぐために、印刷時にはペンの線幅や点線・波線・一点鎖線 などのピッチ設定も行える。

アドインによる拡張でコマンドの追加が可能に

アドインを追加して機能拡張  対応するファイル形式は独自のCAD形式と、多くのCADソフトで利用されているDXF 形式。作者のホームページで配布されている「CB-CAD/JWC インターフェース」とい うオプションを使用すれば、JWC形式のファイルの読込と保存も可能になる。その他、 BMP形式の画像を図面に挿入できるようになる「イメージオプション」や、2点間距離 および角度の測定が可能になる「計測オプション」も公開されている。図面の中に挿 入できる様々なシンボルもダウンロードできるので必見だ。また、開発者向けには 「CB-CAD 開発ガイド」という書籍も販売されている。「CB-CAD 開発ガイド」は 「CB-CAD」のコマンド組込みについて解説したもので、この書籍を参考に新たにコマン ドを作成して「CB-CAD」に新しい機能を追加することも可能になる。

 「CD-CAD」は直感的な操作で軽快に作図できるCADソフトだ。ただし、操作に慣れ たときのことを考えると、現在のプルダウンメニュー主体の操作性に加え、ツールバー やファンクションキーのカスタマイズ機能を充実させることにより、より使いやすく、 すばやい作図が可能なCADソフトになるだろう。また、複雑な図面になるほどクラス の活用が重要となるため、クラスに関する設定を行う箇所を分散させずに一元管理で きるようになるとクラスがもっと扱いやすくなるはずだ。

【著作権者】(株)富士通九州システムエンジニアリング 産業システム部
【ソフト種別】シェアウェア 9,800円
【バージョン】3.5 Level 05B(00/09/13)

□CB-CAD
http://www.infoqshu.ne.jp/cyber/cb-cad/


[*1]レイヤー
 一枚の図面を作る際に、構造物、寸法、文字列など性格の異なる要素を別々に記述する階層のようなもの。不要な要素をまとめて非表示にしたり、要素の縮尺やペン設定などをレイヤー単位でまとめて変更することができる。

(M's)

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