【第4回】

キャンペーンポスターをつくろう!

(00/10/13)


 フォトレタッチ、3D CG、ビデオ編集…マルチメディア系のオンラインソフト“だけ”でネットアイドルをプロデュースしよう! 窓の杜のネットアイドルだから、略して“杜ドル”だ。歌って踊れるネットアイドルのプロモーションビデオをつくってストリーミング配信するまでの奮闘記!! 今回はキャンペーンポスターづくりに挑戦。

 オンラインソフトを使って窓の杜のネットアイドル=“杜ドル”をプロデュースするこの企画。プロデュース戦略も固まり、肝心の“杜ドル”も決定したので、いよいよプロモーション作戦の開始だ。手始めにキャンペーンポスター風の静止画像をつくってみよう。デジカメ撮った写真をレタッチし、カッコいいロゴを配置する。ホームページのトップ画像にもってきてもいいぞ!

まずは静止画のポスター制作。基本を押さえとかなきゃ

 前回、ついにベールを脱いだ“杜ドル”こと、まどの もりこ(仮名)。あの子が歌うオリジナルソングのプロモーションビデオを制作することが、この連載の最終目標だ。でも、ネットアイドルを名乗るからには、ネット上で広く認知されなければ意味がない。そのためには、ホームページを見ている人の目にいちばん触れるもの…そう、静止画をつくっておかなくちゃいけない。小さなことからこつこつと、まずはポスター風静止画の作成からいってみるぜぇ。

 つーわけで、前回紹介したごあいさつビデオの撮影と同時にデジカメでバシバシ撮影してきた写真画像を利用して、ポスター風静止画を作成する。テーマはベタだけど“杜”。Web上だとあんまり大きなサイズの画像は表示に時間がかかるし、ディスプレイの大きさもユーザーごとに異なるから、最終的な静止画の大きさは800×600ピクセルくらいを想定している。ただし、編集時の画質劣化をさけるため撮影時の1,600×1,200ピクセルでポスター画像を作成し、最後に縮小するつもりだ。

「GIMP for Win32」で杜ドルの横顔を

 1点目は横顔からのショット。“まどの もりこ”の向こうに木々が広がり、木漏れ日が落ちている。歩いているところを撮ったのでナチュラルに背景が流れているのもイイ感じ。しかし、ちょっと背景が明るすぎるような感じもする。まずはこいつをレタッチするところからはじめよう。レタッチソフトには「GIMP for Win32」を使用した。「GIMP」はアドビ社の「Photoshop」とよく比べられるが、それは「GIMP」が画像中の選択範囲やレイヤー、チャンネルといった概念や操作系が「Photoshop」によく似ているため。写真画像を手軽に加工できるフィルターも豊富に備わっている点も共通だ。かくいうワタクシことモッティも「Photoshop」にどっぷりと漬かって生きてきた人間なので、慣れた操作方法に近い「GIMP」を選んだわけだ。

 まず写真画像の背景を暗くするわけだが、“まどの もりこ”の横顔まで暗くしたくない。そのためには背景部分だけを選択して色調補正をかける必要がある。こんなときには画像ウィンドウ左下のクイックマスクモードで画像上に選択範囲を描いていくのがいちばん簡単だ。さっそくタブレットを取り出して選択範囲を決めようとすると…あ、エラーで「GIMP」が落ちた。気を取り直して「GIMP」を再起動し、クイックマスク、消しゴムで描く…また落ちる。ポインティングデバイスの設定をいろいろいじってもうまくいかない。前々から「GIMP」とタブレットの相性が悪いということはいろんなところで聞いていたが、全然描けないということにしばし呆然。しかたなくマウスでマスクを描くように方針転換だ。このマスクはチャンネルに保存されるので、何度も横顔だけ選択することができる。さっきのエラー連発ですっかり臆病になったので、気がついたらひとつのコマンドを行うごとにセーブするようになっちまったぜ。

 さて、マスクを選択範囲として読み込んだら、選択範囲を少し縮小してぼかしを入れる。操作としては、画像ウィンドウを右クリックして、[選択]-[選択領域の縮小]と[境界をぼかす]の流れ。そして、選択範囲を反転して色調補正だ。画像ウィンドウを右クリックして、[画像]-[色]-[レベル]で明度チャンネルを調整して少し暗めにする。もし境界のボケ具合で人物が浮いてしまったら、選択範囲の調整をいじる必要がある。さらに、この選択範囲を使って背景に効果をつけることにする。ここでは[フィルタ]-[ぼかし]-[モーションぼかし]でブレを強調し、最後に[フィルタ]-[ノイズ]-[拡散]ですこし荒らしてみた。

 ロゴも入れてみよう。「GIMP」には“Script-Fu”というスクリプト言語が備わっていて、これを使ったロゴの自動作成スクリプトが、ツールボックスの[拡張]-[Script-Fu]-[Logos]から呼び出せる。ここにはネオン風や金属風、木目風などいろんなロゴが詰まっているのだが、いまいちカッコいいのがない。もっとポップで、できればカタカナのフォントをWebで探したところ、「I2f」というホームページで配布されている「BiscuitBank(L&R)」というフリーのTrueTypeフォントが見つかった。これで「マドノ モリコ」という文字を入力することに決定。ネットで配布されている他のカタカナフォントと同様、キートップに書かれたカナを見ながら入力する必要があり、ちょっとめんどくさい。また、筆者はWindows 2000を使用しているのだが、濁点つきの“ド”の出し方がどうしてもわからなかったので、“リ”の短い方の棒を加工して濁点にした。ちょっと変な気もするけど、オリジナルっぽいからOK。

杜の木を活かして涼しさを演出

 さて、もう1点。撮影中に“まどの もりこ”が赤とんぼを発見し、それを捕まえようとしているところ。背景の木立が涼しげな感じの写真だ。でも横位置で撮っているので木の高さが強調されないのが難点。それじゃぁ、木を伸ばしてしまおうということで作業開始…のつもりだったのだが、いよいよ「GIMP」がヘソを曲げたのか、元画像を開いて矩形選択をするだけど落ちてしまう! Windowsを再起動しても、タブレットを外しても直らない。代わりのソフトを探さなきゃだめだな、こりゃ。

 つーことで白羽の矢が立ったのが「PictBear」というフリーのフォトレタッチ兼ペイントソフトだ。レイヤー機能、クイックマスク機能を備えていて、範囲選択も「Photoshop」の感覚に近い。スクリプトも使えるし、プラグイン開発キットも公開されている。一度に複数の画像を開けないけど、クリップボードとレイヤーを行き来すれば何とかなりそうだ。

 では、木を伸ばすぜ。まず画像上部の木の部分を矩形選択してコピー。次にコピーしておいた矩形領域をクリップボードから新規画像として開き、イメージのサイズ変更でタテ方向だけ適当に伸ばしてとりあえず保存。ここでも全選択してコピーしておく。これで木の画像がクリップボードに収められた。再度元画像を開いてキャンバスのサイズ変更で縦方向だけ伸ばし、上方に空きをつくる。そしてクリップボードの伸びた木を貼り付ける。伸びた木の部分は自動的に別レイヤーになるから、違和感が少なくなるように位置を調整する。レイヤーが重なった部分の色が不自然だったら透明度や描画モードで調整するところだけど、今回はまぁよしとしよう。

 木を継ぎ足したところの境界線はクローンブラシでごまかす。さらに、クイックマスクで前景をマスクしておいて、背景にぼかしを入れてやれば被写界深度風の効果もOKだ。このマスクを反転すれば、前景の明度調節にも使える。

名前、もっと募集!

 今回なんとか2枚のポスター風の静止画像ができた。さらにデザイン的な要素を足していきたいので、今後も静止画を公開していくぜ!

横顔からのショット トンボを捕まえよう

 で、そのデザインだけど、やっぱりちゃんとした名前を付けたところでロゴなんか もカッコよく決めてみたい。前回、記事中で勝手に名前を募集したところ、数名の方 から本当に応募があった。ということで、前回に引き続き杜ドルの名前を募集する。 漢字でもひらがなでもカタカナでも横文字でも“これだ!”という名前を送ってくだ さい。詳しい応募方法はWebの記事末に書いておくので、要チェックだ。

 次回のお題は「音」。MIDIで音楽制作に突入するぜ。待て、次回!!!!!!!!!!!

■「GIMP for Win32」
【著作権者】Tor Lillqvist 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】-(00/08/05)
□Tor Lillqvist
http://user.sgic.fi/~tml/

■「PictBear」
【著作権者】Yasuyuki Kashiwagi 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.10(00/10/04)
□BearFactory
http://www2.to/BearFactory/

(望月 貞敏)


杜ドルの名前を募集します

 杜ドルの名前を募集します。“これだ!”という名前を思いついた方は、その名前を付けた理由を添えて電子メールで応募してください。入選した名前は杜ドルのネットアイドル名として採用し、記念品としてインプレスグッズをプレゼントいたします。

 Subjectに杜ドル、本文にはプレゼント送付先の住所(勤務先でもけっこうです。宅配便の受け取れる場所を指定願います)、名前、電話番号をご記入ください。 なお、すでにご応募いただいたメールも有効となりますので、再度送信いただく必要はありません。

ご応募受け付けは締め切りました
応募締切:10月18日(水)12:00(正午)到着分まで
結果発表:連載の記事中にて(入選1名、佳作2名)

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