【第104回】
3Dアドベンチャー「realMYST」
超リアルな3Dグラフィックのアドベンチャーゲーム
(00/10/18)
美しいCGとムービーを組み合わせたアドベンチャーゲーム「MYST」が話題になったのは、1993年のこと。もともとはMacintosh用として作られた作品だったが、その後Windowsやセガサターン、プレイステーションなどに移植され、全世界で500万本を売る大ヒットとなった。今回はその「MYST」を3Dグラフィックでリメイクした最新作、「realMYST」を紹介しよう。
旧作を完全に3Dグラフィック化
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デモ版の舞台となるのは小さな島。向こう側には朽ちた灯台が見える
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旧作「MYST」は、CD-ROMのもつ大容量をフルに使った、最初のアドベンチャーゲームだった。フロッピーディスクではとうてい収録不可能な、大量かつ美麗なCG。そしてムービーが話題となり、当時かなりの評判になったことを覚えている。「MYST」をやりたいがためにパソコンを買い替えた人もいたほどで、日本におけるCD-ROMドライブ普及の一翼を担った作品といってもいいだろう。実は筆者も、「MYST」と「Spaceship Warlock」のために、当時1台10万円もした外付けのCD-ROMドライブを買った一人。初めてあの写真のような映像を見たときの感動は、いまも忘れられない。
今回紹介する「realMYST」は、旧作「MYST」のストーリーや背景設定はそのままに、グラフィックをまるまる3D化した作品だ。「MYST」では一歩移動するたびに静止画を切り替えながら表示していたが、「realMYST」ではリアルタイムにスムーズに移動できる。もちろん、視点を変えたり、周囲を見回すことも可能だ。「MYST」の世界をより自然に、そして臨場感たっぷりに楽しむことができるわけで、「realMYST」というタイトルは実にわかりやすい。
マウスを使ったカンタン操作
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灯台の内部に人影はなく、扉にも鍵がかけられていた
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島の反対側には謎めいた3つのスイッチが。どれかひとつを押してみると…
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デモ版を起動すると、いきなりゲームが始まる。もし「No suitable rendering devices found.」というメッセージが表示されたら、それは動作に適したビデオカードが見当たらないという意味だ。「realMYST」は3Dグラフィックを駆使した作品であるため、動作環境が結構厳しい。デモ版に付属しているドキュメントによれば、最低でもPentium II 450MHz以上のCPU。さらに、16MB以上のVRAMを搭載した3Dアクセラレーション機能付きのビデオカードが必要とのこと。具体的にはRiva TNT2 16MB、Matrox G400 16MBあたりのビデオカードが最低条件になるだろう。グラフィック統合型チップセットを使ったパソコンやノートパソコンでは、正常に動作しない場合もあるので念のため。
さて、「realMYST」の操作はマウスを使って行う。画面上に表示される手のポインタを上下左右に動かすと、その方向へ視点が動く。前へ進みたい場合は、マウスの左ボタンを押したままにし、後退したい場合は、マウスの右ボタンを押したままにする。このへんの操作が他の3Dアドベンチャーと異なるが、むしろシンプルでわかりやすい。なにかおもしろそうなアイテムを見つけたら、その上にマウスポインタを合わせてみよう。ポインタの形が変わったら、なんらかのアクションが可能ということ。マウスの左ボタンをクリックすると、なにかイベントが発生するはずだ。
視点の移動 | マウス |
前進 | マウスの左ボタン |
後退 | マウスの右ボタン |
アクション | マウスの左ボタンをクリック |
メニュー表示 | [ESC]キー |
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チェストの中にある皿とグラス。ほかにも、様々なアイテムが見つかった
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謎だらけの小島を歩く
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水中を眺める展望室。海の中にも怪しげなオブジェが設置されている
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マウスを使った移動に慣れたら、周囲を歩いてみよう。デモ版の舞台となるのは小さな島なのだが、そこに帆船が座礁するような形で食い込み、奇妙な形で一体化している。船の内部は灯が見えるものの、浸水が激しく、入ることはできない。ふと脇を眺めると、島の横には朽ち果てた灯台が見える。はしごの上の扉には鍵がかかっているが、これを開ける方法はあるのだろうか?
灯台の反対側にも、不思議な建物が見える。傘の下に並ぶ3つのボタン。適当に押すと黄色く点灯し、どこからかポンプが動くような音が聞こえてくる。そのままの状態で、もう一度船まで戻ってみよう。海水が吸い出され、船内(?)に入ることができるはずだ。階段を降りていくとそこにはいくつかの小部屋があり、それぞれに不思議なアイテムが置かれている。ここには誰かが、しかも変わった趣味をもった人物が住んでいるようなのだが、その正体は何者なのだろう?
現時点で最高レベルの3Dグラフィック
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肋骨の形をした無気味なランプシェード
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すごい、としかいいようがない。ここまで美しい、というかリアルな3Dグラフィックのゲームは見たことがない。ひとつひとつのオブジェが緻密に描かれ、床や壁面に貼り込まれているテクスチャーも細かい。光源や、それによって浮かび上がる影の描写も正確に計算されている。現時点では最高の3Dアドベンチャーといっていいだろう。あとはアドベンチャーゲームとしての中味、つまりシナリオや演出、謎解きの出来なのだが、こちらは旧作「MYST」をそのまま継承しているということなので、心配はないだろう。
製品版はまもなく登場!?
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この部屋には、何枚もの地図があった。しかし、いずれも古いものばかり
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デモ版では、小島とその内部を歩くことができるだけで、ゲーム性はほとんどない。とりあえず「realMYST」の世界を体験すること、そして手持ちのパソコンで動くかどうかを確かめるための動作テスト版…ということなのだろう。設定やストーリーの説明もなく、初めて「MYST」の世界に触れる人には、いまひとつピンと来ないかもしれない。とはいえ、「realMYST」が従来の3Dアドベンチャーとは映像的に一線を画した作品であることは、十分に体感できると思う。
ホームページに掲載されている情報によれば、製品版は2000年の第4四半期の発売になるとのこと。デモ版の終了時には11月26日公開と表示されるが、正確な発売日や価格は不明だ。
発売元 | Mattel Interactive |
価格 | 未定 |
発売日 | 11月下旬予定 |
(realMYSTest2.exe、47.11MB、ゲームデモ)
□「realMYST」のホームページ
http://www.realmyst.com/
□「realMYST」のダウンロードページ
http://www.avault.com/realmyst/
(駒沢 丈治)
(c) 2000 Mattel Interactive, a division of Mattel, Inc., and its licensors, and (c) 2000 Cyan, Inc.