【第105回】
戦闘シミュレーション「Starship Troopers」
機動歩兵隊、敵惑星に強行突入せよ!!
(00/10/25)
2年前に公開されたSF映画「スターシップ・トゥルーパーズ」を覚えているだろう
か。ハインラインの小説「宇宙の戦士」を映画化し、昆虫型宇宙生物との壮絶な戦闘
シーンが話題になった作品だ。今回紹介するゲーム「Starship Troopers」は、その
映画をリアルタイムのシミュレーションゲームにしたもの。3Dグラフィックを駆使し
て、映画さながらの激しい戦闘シーンを体験することができる。
映画「スターシップ・トゥルーパーズ」をリアルタイムシミュレーションに
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メインメニュー。ミッションが進むと、パワードスーツも使えるようになるらしい
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正直にいえば、映画「スターシップ・トゥルーパーズ」には、賛辞とともに酷評も
多かった。「スターウォーズ」のフィル・ティペットがSFXを担当したこともあって、
映像的には最上級の出来ばえだったのだが、全体に青春映画的過ぎたようにも思う。
観客の多くはパワードスーツの登場を期待していたはずだし、それ以前に原作「宇宙
の戦士」が感じさせるイメージ…というか、期待が大きかったからかもしれない。そ
れでも、地表を埋めつくす昆虫型宇宙生物の大軍や、ディテールまでリアルに描かれ
た宇宙戦艦の映像はかけ値なしにすばらしかった。
ゲーム版は映画をベースにしているので、やはり原作の小説とはかなり雰囲気が違
う。ドラマやストーリー性は薄く、ミッションのクリアを目的としたキャンペーン型
のゲームとしてデザインされている。機動歩兵一人ひとりを3Dのキャラクターとして
描き、斜め上から見降ろした視点で操作するリアルタイムのシミュレーションだ。
昆虫型宇宙生物バグスを殲滅せよ!!
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バグスが支配するクレンダス星。岩と砂ばかりの、乾いた惑星だ
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バグスの巣をすべて破壊し、集合ポイントへ向かう
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「Starship Troopers」の背景設定について、ざっと説明しておこう。西暦2369年、
地球は“クレンダス星”と呼ばれる謎の惑星から飛来する隕石に悩まされていた。軌
道上に配置した迎撃システムによって大半は撃破できたものの、しばしば巨大な隕石
が激突し、その被害は拡大するばかり。隕石飛来の原因を調べるために地球連邦政府
がクレンダス星に調査隊を派遣したところ、そこには無数の昆虫型宇宙生物“バグス”
が生息していることがわかった。地球を守るためにはバグスをせん滅し、隕石の飛来
を実力で阻止するしかない。プレイヤーは地球連邦軍のジョニー・リコ中尉として機
動歩兵小隊を指揮し、宿敵バグスとの戦いに挑む。
しかしまあ、よく考えるとわからないことも多い。バグスと隕石の飛来に、直接因
果関係はあるのだろうか? 侵略者は、むしろ地球人のほうではないのか? もしバ
グスをせん滅しなければならないとしても、歩兵を使った血みどろの白兵戦ではなく、
核兵器や化学兵器、生物兵器を使う方法はないのか? うーん、ちょっと釈然としな
いが、それはそれとして、とにかくゲームを始めてみよう。
バグスの巣を根こそぎ焼き払え
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強襲着陸艇でクレンダス星に突入!!
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デモ版を起動すると、タイトル画面に続いて派手なメインメニューが表示される。
画面右下のスパナ型アイコンをクリックするとオプション設定モードに入るので、プ
レイを始める前に解像度やテクスチャーの品質を指定しておこう。再びメインメニュー
に戻ったら、今度は下向きの矢印型アイコンをクリックしてゲームを開始。ストーリー
について簡単な説明が表示された後、今回のミッション“Operation:Bughouse 1”の
ブリーフィングが始まる。強襲着陸艇に乗ってクレンダス星に降下し、エリア内にあ
るバグスの“巣”をすべて破壊する。その後回収ポイントに向かい、再び宇宙へ帰る
という内容だ。部隊は指揮官を含む12名で編成され、誰をメンバーにするかはプレイ
ヤーが自分で選ぶことになる。よくわからなければ、画面内の“Auto Select”ボタン
をクリックしてみよう。最適と思われる人選が自動的に行われるはずだ。装備も変更
可能なので、いろいろと試してみるといいだろう。
地表への降下シーンに続いて、いよいよ戦闘モードに突入だ。部隊の操作は、マウ
スを使って行う。移動させたい隊員をマウスで範囲指定し、その目的地を左クリック
するだけでいい。マウスのホイールを回転させると、マップがズームアップ/ズーム
アウトする。ズームインした状態のほうが映像的には迫力があるのだが、最大限にズー
ムアウトした状態のほうがバグスの位置が確認しやすく、移動も楽に行えると思う。
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地上ではバグスとの激しい戦闘が待っている
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ムダな戦闘を避けミッションの遂行を最優先に考える
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巣を発見したら全力で破壊せよ
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破壊しなければならない巣は全部で5カ所。地表には無数のバグスが徘徊している
が、ミッションの目的は巣の破壊なので、こちら側の被害を最小限に抑えるためにも、
ムダな戦闘は極力避けるべきだ。全体マップを見ながらバグスの少ないルートを選ん
で移動し、巣を発見したら全火力で一気に叩く。戦闘中はフォーメーションをこまめ
に変え、特定の隊員が集中してダメージを受けないよう注意すること。画面左上には、
戦闘モードの指定ボタンがある。“Code Indigo”→“Code Blue”→“Code Red”→
“Code Scarlet”の順に攻撃的になるが、無理に突撃させても仕方がないので、通常
は“Code Blue”で移動するといいだろう。
息詰まる緊張感と絶妙なゲームバランスがいい
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ムダな戦闘を避け、ミッションの遂行を第一に考えるべし
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なかなか緊張感のあるゲームだ。なんせ、周りは敵ばかり。いつどこからバグスが
襲いかかってくるかわからない。注意深く移動すればミッションの遂行は不可能では
ないものの、部隊全員を無事に生還させるのは難しい。絶妙なゲームバランスだと思
う。映像も美しく、クレンダス星の描写やバグスの動きもすばらしい。
ただ、操作性はイマイチな感じ。移動目標の指定が面倒で、慣れないうちは部隊全
員を機敏に動かすことができないかもしれない。隊員の装備についても、添付されて
いるドキュメントファイルだけではわからないことも多く、もう少し詳しい説明がほ
しかった。
ミッションが進むとパワードスーツも使えるようになる
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部隊が全滅するとこんなシーンが表示される
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デモ版では、数あるミッションの中のひとつ“Operation:Bughouse 1”を試すこと
ができる。ホームページに掲載されている情報によれば、製品版ではキャンペーン形
式で、様々なミッションをこなしていくらしい。ミッションが進むにつれて機動歩兵
の装備もよくなり、兵士の全身を覆うパワードスーツも使えるようになるとのこと。
海外では11月に発売される予定だが、日本国内での販売や日本語移植版の発売は、い
まのところ予定されていない。
なおこのゲームは、GeForce 256/2、Matrox Millennium G400がリファレンスのビ
デオカードとして推奨されている。筆者の手持ちの環境で調べてみたところ、Riva
TNTでは問題なかったものの、Savage4では正常に起動することができなかった。もし
うまく動かない場合は、DirectX 7対応の最新ドライバーをビデオカードメーカーの
ホームページからダウンロードして試してみるといいだろう。
発売元 | Hasbro Interactive |
価格 | 未定 |
発売日 | 11月発売予定 |
(trooperslitedemo.exe、63.7MB、ゲームデモ)
□「Starship Troopers」のホームページ
http://www.stta.com/
□「Starship Troopers」のダウンロードページ
http://www.stta.com/downloads.html#DEMO
(駒沢 丈治)
(c) 2000 Hasbro Interactive, Inc.