【第6回】

ハンディGPS受信機で地図上に移動ルートを表示

「GPS 12」&「カシミール3D」

(00/11/08)

アウトドア派必携のハンディGPS受信機

 GPSといったらカーナビを思い浮かべる人が多いだろう。確かにカーナビ以外のGPS機器となるとイマイチなじみが薄い。でも、GPSの用途は車の道案内だけなく、実験用宇宙船の帰還カプセルの回収から地殻変動の観測、意外な用途として時刻合わせまでさまざま。なかでもハンディGPS受信機は、片手で持てる大きさにGPSアンテナと小型液晶モニターなど、カーナビや航空機の管制システムなどと同じものが納まっているのだから驚きだ。今回は、ハンディGPS受信機の代表的メーカーの米GARMIN社製「GPS 12」を、インターネットでオンライン購入可能な専門店の“ライトスタッフ”にて24,000円で購入した。「GPS 12」は、トレッキングやフィッシングはもちろん、クルージングなどあらゆるアウトドアライフで活躍する頼もしいヤツ。表示される情報は緯度経度のほか、方位、原子時計に同期した正確な時刻など、GPS受信機としての基本機能はバッチリ押さえている。さらに、移動したルートを記録するトラッキング機能や、目的地までの経由地を設定するウェイポイント設定機能もあるなど、エントリーモデルながら実用度は申し分ない。パソコンとは、専用シリアルケーブルを介して接続できる。

ハンディGPS受信機で記録した移動ルートを地図上に表示

 「GPS 12」は単体でも各種の位置データを表示できるが、記録したトラッキングデータを地図と重ねて表示するとさらに面白い。それなら、山岳地図をピカイチの美しさで3D表示でき、しかもフリーの地形解析ソフト「カシミール3D」が最適だ。「カシミール3D」では、表示している地図上に「GPS 12」から読み込んだトラッキングデータを重ねて表示したり、地図上に設定したウェイポイントのデータを「GPS 12」に書き込むことが可能だ。実際に、筆者の住む鎌倉から東京にある編集部まで、「GPS 12」でトラッキングデータを作成してみた。自宅から鎌倉駅までは歩いた通りにきれいな軌跡が描かれたのだが、電車に乗ったとたんに軌跡が途切れてしまった。そこで衛星からの電波が届きやすいように「GPS 12」を窓枠に乗せておいたところ、トンネルや地下区間を除いてかなりの部分でトラッキングすることができた。ところが、都心部では衛星からの電波がビル群に阻まれたのか、ほとんど測定できなった。「GPS 12」のトラッキングデータを「カシミール3D」で読み込み、地図に重ねあわせてみた。軌跡が途切れてしまったところは「カシミール3D」が直線で補ってくれるので、自分が通ってきたルートが一目瞭然だ。さらに、速度をグラフ表示すると、電車が駅ごとに停止していたり、最高時速が120km/hだということまで分かって、とても興味深い。今後は外出時に「GPS 12」を持って歩くことに決めた。

「カシミール3D」 「GPS 12」
「GPS 12」で記録した通過点(黒点)を「カシミール3D」でつなぎ(赤線)、鎌倉・東京間の移動ルートを表示 ハンディGPS受信機
「GPS 12」

【製品名】GPS 12
【販売元】GARMIN Corporation
【価格】-

□GARMIN: GPS 12
http://www.garmin.com/products/gps12/
□RIGHT STUFF, Inc.
http://www.soaring.co.jp/

【ソフト名】カシミール3D
【著作権者】DAN杉本 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】6.17(00/10/11)

□窓の杜 - カシミール3D
http://www.forest.impress.co.jp/library/kashmir3d.html
□3D風景CG/3D地図のページ / 3D Landscapes CG
http://www.kt.rim.or.jp/~sugi/

(齋藤 正穂)

トップページへ
まさおのデバイスパラダイス INDEX


Copyright (c) 2000 impress corporation All rights reserved.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで