【第8回】

3D CGキャラクターと共演させるぞ! シーン構成&デザイン編

(00/11/17)


 フォトレタッチ、3D CG、ビデオ編集…マルチメディア系のオンラインソフト“だけ”でネットアイドルをプロデュースしよう! 窓の杜のネットアイドルだから、略して“杜ドル”だ。歌って踊れるネットアイドルのプロモーションビデオをつくってストリーミング配信するまでの奮闘記!! 今回は共演する3D CGキャラクターを決定する。

 オンラインソフトを使って窓の杜のネットアイドル=“杜ドル”をプロデュースするこの企画。とうとう、プロモーションビデオ制作の山場、3D CGの制作に突入だ! 今回から3回にわたり3D CGキャラクターの制作について進めて行く。3D CGソフトでの制作はパソコンのマシンパワーも大切だけど、制作者自身も膨大な作業量に根気よく立ち向かわなくてはならない。そこで、第一回目はシーン構成&デザイン編と題して、3D CGソフトでの実作業に入る前に、制作中に方向性がゆがむことのないように、どんな3D CGキャラクターがどんなシーンに登場するのかを決定するぞ!

プレビュー版をWMV形式で公開したワケ

 前回「Going Ahead」のプロモーションビデオ・プレビュー版を掲載したところ、音楽制作担当の岡村氏から「MacintoshじゃWMV形式のファイルが再生できないよ~」というお叱りを受けた。でも大丈夫。Macintosh用の「Windows Media Player 7」のベータ版が米国Microsoftのサイトで配布されているから。それを伝えると、岡村氏も無事“まのり”の姿を見ることができたそうだ。実はビデオを公開するときは、WMV形式よりもMPEG-1形式のほうが、いろんな環境できちんと再生してもらえる確率が高いのだが、あえてMPEG-1形式のファイルをアップロードしなかったのにはワケがある。VideoCDクオリティでエンコードするとファイルサイズが大きくなりすぎるのだ。

 1分50秒程度のDVクオリティのビデオをエンコードして、WMV形式だと約4.2MBというサイズで、実際に見てもらえるクオリティになったが、MPEG-1だと同程度のクオリティで約17MBになってしまった。いくらなんでも大きいよねぇということでWMV形式のみの公開となったのだ。読者の大半を占めるWindowsマシンなら「Windows MediaPlayer」v6.4でもコーデックを自動的にダウンロードして再生可能だし、Macintoshでも再生できるようになったのだから…と目をつぶらせてもらった。Linuxで見られないのは、Linux愛用者でもあるモッティとしては苦しいところだが、ストリーミング用のファイルをつくるエンコードについては、プロモーションビデオの正式版を公開する、この連載の最終回にじっくりと研究する予定なのでお楽しみに。

 ところで前回のプレビュー版だけど、あれはあくまでも正式公開版への叩き台。映像と音楽がどんな感じになるかという具合を確かめるためのものなので、正式版ではガラっと違う感じに仕上がる可能性が大きい。これはプロデューサー・モッティとしても予想がつかないところ…。特に、プレビュー版の中には杜ドルプロモーションビデオ企画の目玉である3D CGキャラクターとの共演部分が一切入っていない。今回は、キャラクターモデリングの元になるデザインと、どんなシーンに3D CGキャラターが登場するのかということを確定するぜ!

3D CGキャラクターって、どんなの?

 この連載の第2回でも触れたが、杜ドルプロモーションビデオでは、オンラインソフトでここまでできるんだ! ということを証明したいと思っている。そのため、3D CGのキャラクターとモデルとの共演という“わかりやすい”CGの手法を選んだ。キャラクターと共演させるためにに若くて元気な女の子をモデルとして選出したという経緯もある。ここからが正念場だ。

カワイイ系の架空生物に決定
カワイイ系の架空生物に決定
 さて、その肝心のキャラクターだけど、いくつかの候補が挙がった。

1. ピカチュウみたいなカワイイ系架空生物
2. カウントダウンTVに出てくるような3頭身チビッコキャラ
3. ロボットみたいなメカ系
4. 3D CGの小物を使って、杜ドル・まのり自体を変身

 うーん。どれも面白そうなんだよねぇ。でも4番目に挙げた小物を使ってまのりを変身させるっていうのは、合成のときに大変そうだ。さらに本格的に制作するならば、まのりの動きをコンピューターに取り込まなきゃいけない。これはモーションキャプチャーといって専用のスタジオで大がかりなシステムを使って取り込まなければいけないモノ。オンラインソフトだけでプロモーションビデオをつくるという杜ドルのコンセプトから外れてしまうので断念。4番は消えた。

 残りの3つの候補から絞り込むとなると、これがまた悩ましい。じゃぁ、キャラクターにどんな動きをさせたいかという方向から考えてみよう。まず、ピコピコとかわいらしく歩かせたい。これは架空生物、チビッコキャラ、メカのすべてクリアできそうだ。次に、空を飛ばす。第2回のWebページに「実写とCGキャラクターの共演って…。こんなの? 」という、リアルモッティ vs 3頭身モッティのイメージカット(しょぼいけど…)があるけど、なんか、チビッコキャラに空を飛ばせるのはちょっとムリがあるかなぁって感じ。ここで2番のチビッコキャラは脱落。

 実は、まのりの手にCGキャラクターを抱かせて、それを空に投げるというシーンをつくりたいと思っている。CGキャラクターとまのりを重ねて表示するのは、結構たいへんだけど、全くカラミがないとつまらないからね。もし、メカ系を選択した場合、モッティのようにロボットアニメを見て育った世代としては、空に投げ上げるときに何らかの変形を入れたくなるのは目に見えている…。モッティはプロのCGクリエイターではなく、あくまでCGの現場にいろいろと首を突っ込むことに生きがいを感じる“CGやじうま”(自称)。なので、そこまでの3D CGをつくることができるのかという不安がよぎる。ということで、最終的に残ったのはカワイイ系の架空生物。プロモーションビデオはこれでいくっス!

 それじゃ、まずは紙にラフスケッチを描いてみたりする。まるっこくって、かわいげで、ぷにぷに系で、耳くらいはあった方がいいかな。目はパチパチするくらいがいいかも…。などと、ぶつぶつ言いながら描いてみた。笑わないよーに。思わず「クルクルバビンチョパペッピポ~」と口をついて出てしまったあなたはモッティと同世代。こんな感じのキャラなら、歩いても、飛んでも、さらには投げ上げられても違和感がないだろう。

このシーンと3D CGキャラクターを合成するのだ!

 で、お次は合成に使う実写のシーンだ。プレビュー版では使わなかったけど、実はお台場のボードウォークで、まのりにちょっと演技をさせているシーンがある。まのりの足元に何らかの小さなキャラクターがあらわれて、それが走り去る。まのりがそれを追いかける、というシーンだ。3D CGキャラクターはこんな風に登場させることにする。

 その後、お台場や原宿の街を歩くまのりのそばに、キャラクターを飛ばす。キャラクターが街を歩いている人の陰になる場合、うまく隠さないといけないのでシーンの選定はちょっと難しいかも。最後に原宿の街中で、まのりがキャラクターを手に抱いて、そのまま空へと投げ上げる。キャラクターはキラキラした光の玉になって、空へと飛んでいく。こんなシーンも制作するぜ。

 このほかにもいろいろとキャラクターとまのりを共演させられるようなショットを撮影しておいたけど、今回はこれくらいにしておこう。あまりネタをばらすと正式版のビデオがつまらなくなっちゃうからね。余談だけど、プレビュー版の制作および合成用シーンを切り出すためにキャプチャしたDVデータは約20GB! DVクオリティだとたった10分弱で2GBも使うからあっという間にハードディスクがいっぱいになる。ハードディスク増設しておいてよかった~。

 さて、次回はこのキャラクターのモデリングだ。実際のモデリングに使うソフトはメタセコイア。アニメーション作成とレンダリングにBlenderを予定している。両ソフトの連携方法とかも探ってみるぞ。モッティ自身、ヒヤヒヤドキンチョと非常に楽しみだ。待て、次回!!!!!!!!!!!!!!!

(望月 貞敏)

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