ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第105回】

「READYOU」

アプリケーションのREADMEファイルを自動的に探し出して開きやすくする

(00/11/20)

 ダウンロードしたオンラインソフトを試すとき、最初に“README.TXT”などのいわゆるREADMEファイルに目を通すべきなのは、窓の杜読者の皆さんなら理解していると思う。READMEファイルには、インストール方法や注意点、ヘルプファイルに載っていない最新のバグ情報などが記載されていることが多いためだ。しかし数日使ってみて不具合に遭遇したとき、ヘルプを読むことはあってもREADMEファイルまで読み返す人は案外少ないのではないだろうか。ヘルプと違い、READMEファイルはインストール先フォルダを探して開かなければ読めないことが多く、特に初心者にはスタートメニューからプログラムが起動できることはわかっても、READMEファイルがHDDのどこにあるかがわからないこともあるからだ。そこで今回は、READMEファイルをアプリケーションのショートカットから自動的に探し出して簡単に開けるソフトを紹介しよう。

どんなソフト?……アプリケーションのショートカットからREADMEを探し出す

「READYOU」v0.2(設定画面)  「READYOU」は、アプリケーションのショートカットファイルをもとに、そのアプリケーションのREADMEファイルを開いてくれるソフトだ。アプリケーションのショートカットファイルを「READYOU」のアイコンにドラッグ&ドロップすれば、リンク先のファイルと同じフォルダ内から自動的にREADMEファイルを探し出し、READMEファイルに関連付けられたテキストエディターなどで開いてくれる。また、ショートカットファイルの右クリックメニューから一発でREADMEファイルを開けるようにすることもできる。READMEファイルのあるフォルダを探したり一旦開く必要がないので、パソコン初心者でも誤って重要なバイナリーファイルを開いて壊してしまうような心配がいらなくなるのもポイントだ。

 「READYOU」の基本操作は非常に簡単。プログラム本体またはショートカットファイルに、目的のアプリケーションのショートカットファイルをドラッグ&ドロップするだけだ。これでアプリケーションのインストール先フォルダにあるREADMEファイルが直ちに開く。例えばREADMEファイルの拡張子が*.txtならメモ帳やテキストエディター、*.htmlならIEなどのWebブラウザーが起動して、READMEファイルを開くことになる。また、あらかじめ同梱の“SETYOU.EXE”というプログラムを使うと、ショートカットファイル(*.lnk)の右クリックメニューに[Find README]という項目を登録しておくことができる。こうしておけば、アプリケーションのショートカットファイルを右クリックして[Find README]を選ぶだけで、READMEファイルを開けるようになる。

 「READYOU」がアプリケーションのショートカットファイルをもとに探し出すREADMEファイルは、拡張子がTXTのファイルだけでなく、DOCやHTML(*.htmと*.html)、また変わったところでは“*.読”や“*.毒”といった拡張子のファイルもREADMEファイルとして認識する。またファイル名も“README.TXT”に限らず、アプリケーションのプログラム本体と同じファイル名で拡張子がTXT/DOC/HTM/HTMLのものや、“README*.*”、“読んで*.*”、“よんで*.*”、“説明*.*”、“解説*.*”などをREADMEファイルとして認識する。これらの条件に該当するファイルが複数ある場合は、ダイアログが開いて該当ファイルがリストアップされ、ユーザーがその中から選択して開くことができる。また逆に、探し出す条件に該当するファイルが1つも見あたらなかった場合は、ショートカットのリンク先ファイルがあるフォルダ、すなわちアプリケーションのインストールフォルダを開いてくれる。

 なお、「READYOU」を単独で起動すると各種設定を行うことができる。ここでは、標準で使用するビューワーやファイラー、DOCファイルを開くアプリケーションの指定などができるので、好みで設定しておくといいだろう。そのほか、検索をせず常にリストアップダイアログを開く設定にしたり、条件に該当する複数のファイルがあっても“README.TXT”がその中にあれば常に“README.TXT”を優先的に開くという設定にすることも可能だ。

ここがスゴイ!……HTMLやDOCにも対応、見つからなければフォルダを開く

ショートカットの右クリックでREADMEファイルを開ける  「READYOU」のスゴイところは、まずは作者の着眼点だろう。一般にREADMEファイルが読まれにくい理由の一つとして、READMEファイルを探し出すのが大変ということは確かにあるだろう。スタートメニューやタスクバーの“クイック起動”などに登録されたアプリケーションがどこのフォルダにインストールされているのかは、特に初心者にはわかりにくいものだ。また、ソフトによってはインストール先フォルダの中に非常に多数のさまざまなファイルが存在している場合があり、そのようなファイル群の中から必ずしも“README.TXT”というファイル名とは限らない説明書を探し出すのはやっかい。アプリケーションをどこにインストールしたかわからなくても、たとえインストール先フォルダに多数のファイルが存在していても、「READYOU」ならアプリケーションを起動するためのショートカットファイルから、いとも簡単にREADMEファイルを開けるわけだ。

こんな場合に便利……困った時にはまずREADMEを読み直すクセをつける

「Outlook Express」のREADMEファイルを検出  普段オンラインソフトを使っていて何か不具合のような困った現象が見られた時は、パソコンに詳しい友達に聞いたり作者にメールで問い合わせたりする前に、まず自分でREADMEファイルを読み返すクセをつけよう。この「READYOU」があれば、それは決して面倒なことでも手間のかかることでもなくなるはずだ。例えばメールソフトの「Outlook Express」にも、READMEに相当するファイルがあることは皆さんご存じだろうか。確認されている問題点やトラブルシューティング、FAQを掲載しているマイクロソフトのWebページURLなど、重要な情報が多数記載されている。「READYOU」を使えば、このような「Outlook Express」のREADMEファイルもちゃんと簡単に開くことができるのだ。普段お使いの愛用ソフトについても、この機会に今一度、READMEファイルを読み直してみてはどうだろう。日頃ちょっと不満に思っていたことが、あっさり解消するかもしれない。

使用上の注意は?……サブフォルダの中は探せない

 さて、実際に使っていて気になった点もいくつかあった。その1つは、ショートカットのリンク先フォルダのサブフォルダにあるREADMEファイルまでは探し出してくれないという点だ。もちろんその場合でも、見つからないというメッセージと共にショートカットのリンク先フォルダを開いてくれるので大きな問題はないのだが、説明書をサブフォルダ内にHTMLファイルのような形でまとめてあるというのは、最近では決して特殊な例ではない。できれば今後はサブフォルダ内についても自動的に探し出すようになってほしいところだ。

【著作権者】G-SOFT/島田 元 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】0.2(00/11/03)

□G-SOFT
http://www.vector.co.jp/authors/VA017034/

(ひぐち たかし)

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