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安全、かつ確実に! レジストリとうまく付き合う方法を大公開

レジストリの閲覧、編集から再構成まで一気に解決!

(00/12/12)

 “レジストリ”という言葉を、ソフトの添付説明書やヘルプなどで何度か目にしたことがあると思う。レジストリはWindowsの動作に欠かせないさまざまな設定のことだが、“さわらぬ神にたたりなし”とばかりにレジストリからは距離を置いている人が多いのではないだろうか。レジストリとうまくつきあえば、Windowsの使い勝手を改善させたり不安定な動作を解消することができる。今回の特集では、レジストリと仲良くつきあうための6本のソフトを紹介する。

■ レジストリとは?

 レジストリとは、Windowsや各種ソフトの設定のこと。さまざまな情報が一つのレジストリファイルに階層的に記録されている。このレジストリファイルが壊れたり、必要なレジストリ情報がない場合は、Windowsが起動しないこともあるほど重要なものだ。そのため、Windows NT 4.0/2000ではAdministrator権限をもったユーザー以外は、レジストリを変更することができない。

■まずはレジストリの表示とバックアップから

 レジストリが記録する内容は、デスクトップの設定やアイコンの色をはじめ、ユーザー情報、各ソフトの設定など多岐にわたる。これらの設定は、コントロールパネルやデスクトップのプロパティなどから変更できるものもあるが、特別なソフトを使うか、直接レジストリエディタで編集しないと変更できないものも多い。また、設定を変更する度にレジストリの内容が更新されるため、パソコンを長く使うほどレジストリファイルが肥大化し、その結果としてパソコンの動作が不安定になることもあるなど、少々ややこしい側面ももっている。  いきなりレジストリを変更するのは、Windowsが起動しなくなるなどの危険が伴う。そこで最初は、レジストリビューワーで安全に表示してみよう。そして、変更の前準備としてレジストリのバックアップに挑戦だ。

監視、比較機能を備えたレジストリビューワー「a! Reg Analyzer」

「a! Reg Analyzer」  「a! Reg Analyzer」は、監視機能と比較機能を備えたレジストリビューワー。Windows標準の「レジストリエディタ」に似たユーザーインターフェイスをもち、キーワードに一致する項目をリストアップするなどレジストリ表示が強化されている。読み込み専用としたことで誤ってレジストリファイルを壊してしまう心配がない。監視機能では、監視中に指定したキーが変更された場合ポップアップ表示で通知してくれる。比較機能では、過去に保存したレジストリファイルと現在のレジストリファイルとを比較することが可能だ。どのような設定を行った場合にどのレジストリが変更されるかが一目瞭然なので、レジストリの勉強にバッチリだ。

【著作権者】杉山 利幸 氏
【ソフト種別】フリーソフト(一部機能はシェアウェア 1,000円)
【バージョン】1.31(00/11/25)
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000

□杉山利幸(オンラインソフト作家)のあとりえ
http://member.nifty.ne.jp/T_sugiyama/

手軽にレジストリをバックアップし、復旧用FDを作成「SOS」

「SOS」  「SOS」は、レジストリをバックアップし、非常時に手軽に復旧するFDを作成する機能を備えたソフトだ。操作方法は簡単で、画面上に表示される[Backup]、[起動FD作成]、[復旧FD作成]のボタンを順番に押していくだけ。レジストリやWindowsの動作に欠かせないAUTOEXEC.BATなど計6種類のファイルをバックアップできる。復旧は、FDからパソコンを起動するだけでOKだ。レジストリファイルは、ハードディスク上の“SOS”というフォルダにバックアップされるため、間違ってフォルダを削除しないように気をつけよう。

【著作権者】Yuji Shinada 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.0a(99/11/28)
【対応OS】Windows 95/98/NT 4.0

□YUJI's
http://members.nbci.com/shinada/

マルチユーザーに対応したレジストリバックアップソフト「ERM」

「ERM」  レジストリファイルとAUTOEXEC.BATなど計10種類のファイルをバックアップしてくれるのが「ERM」だ。マルチユーザーに対応しているため、複数ユーザーでパソコンを利用している場合にはこちらがオススメ。「ERM」は初期設定を行えばバックアップファイルを格納するフォルダ名を指定するだけでバックアップできる。バックアップフォルダに復旧用のバッチファイル“ERM.BAT”が作成されるため、レジストリを復旧する際にはMS-DOSモードでパソコンを立ち上げて“ERM.BAT”を実行しよう。そのほか、バックアップファイルを1つのファイルに圧縮して、最大100個までのバックアップを作成することも可能。なお、圧縮機能を利するにはUNLHA32.DLLが必要。

【著作権者】R'R'Y 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.8.0(00/11/18)
【対応OS】Windows 95/98

□Natz Ltd. Online
http://www.alles.or.jp/~rry/

■ レジストリを積極的に変更してみよう

 「レジストリの構造も分かったし、バックアップも万全」となったら次はいよいよレジストリの変更だ。ここでは、コントロールパネルでは変更できない項目を設定できる環境設定ソフト2本と、レジストリを再構成するソフトを紹介しよう。

GUIで簡単操作「窓の手」

「窓の手」  レジストリを変更してWindowsの様々な環境を設定するのが「窓の手」だ。設定できる項目はマイコンピュータなどのアイコンをはじめ、新規作成の項目、アクセス制限、スタートメニューに表示するメニューの変更など多岐にわたる。操作はデスクトップのプロパティのようにタブページで区切られた各種項目を切り替えて設定する。また、特定のOSのみ設定が有効になる項目には[Me]や[2000]などのアイコンが表示されており、対応していない項目はチェックボックスが無効になっているため、間違って設定してしまうことがなく安心。本体と別にテンポラリファイルなどの不要ファイルを削除する「不要ファイル掃除機」や、マウスとキーボードを操作不能にして、その間に掃除してしまおうという「キーボード掃除機」と「マウス掃除機」が付属している。

【著作権者】猪川 正巳 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】5.01(00/10/20)
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000

□WindowsHouse - WinHand software official site
http://www.asahi-net.or.jp/~vr4m-ikw/

ヘビーユーザーにおすすめの環境設定ソフト「Windowsを2000%いじくるツール」

「Windowsを2000%いじくるツール」  「Windowsを2000%いじくるツール」は、さまざまなレジストリを変更できる環境設定ソフト。マイコンピュータなどのアイコンを変更できるのはもちろん、デスクトップや新規作成など特別な意味のつけられたフォルダを変更したり、タスクバーやデスクトップ上での右クリックを無効にすることもできる。また、レジストリから直接実行されるスタートアッププログラムの項目名と実行されるプログラムのファイル名とオプションまで編集できるなど、より突っ込んだ設定を行えるのも特徴だ。CPUの種類や周波数、MMX/SSEといったマルチメディア拡張命令の対応の有無などの細かなCPU情報も表示できるほか、“Windows Update”を利用禁止にしたり、フリーセルなどのスコア情報を書き換えることもできるぞ。

【著作権者】INASOFT Ayacy/矢吹 拓也 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】5.10a(00/11/26)
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000

□INASOFT
http://home9.highway.ne.jp/ty4/inasoft/

肥大化したレジストリを簡単に再構成「RegCon」

「RegCon」  断片化や肥大化したレジストリファイルを再構成するソフトが「RegCon」だ。レジストリファイルのリストから再構成対象となるファイルを選択し[OK]ボタンを押すだけで、「RegCon」が再構成からWindowsの再起動までを自動的に行ってくれる。再構成前後にレジストリを検査し、アクセス不能になっている部分がないかをチェックするほか、再構成の結果不具合が生じた場合でも「RegCon」が作成したバックアップからすぐに復旧できる。再構成後のバックアップの作成やバックアップファイルの圧縮、レジストリの検査などは任意に指定可能。なお、圧縮を行う際にはUNLHA32.DLLがインストールされている必要がある。

【著作権者】HALT 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】3.10(00/11/05)
【対応OS】Windows 95/98/Me

□HALT's
http://www.fsinet.or.jp/~halt/

(山本 幸広)

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