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【第114回】

ホラーアクション「アリス イン ナイトメア」

ようこそ、悪夢の世界へ!!

(01/01/10)

タイトル画面

 『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』といえば、知らない人はいないだろう。誰でも子供のころに一度ぐらいは絵本で見たことがあるはずだし、『不思議の国のアリス』はディズニーによってアニメ化もされている。正体不明のキャラクターたちが次々に登場するこの物語は、おもしろいがどこか狂気を感じさせる一面もあり、解釈が人によって異なる点もユニークだ。今回紹介するこのソフト「アリス イン ナイトメア」は、『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の後日談。両親を火事で失ったアリスが、心の傷を癒して元の自分を取り戻すため、悪夢の世界をさまよう。

自らの心の闇と戦うアリス

メインメニューは病院のベッド
メインメニューは病院のベッド。抱えたウサギのぬいぐるみが痛々しい

 ストーリーはこんな感じ。不思議の国と鏡の国の冒険を終えたアリスは、両親を火事で失い、それが原因となって心に深い傷を負ってしまう。自分の殻に閉じこもったまま10年間病院で過ごすが、一向に良くなる気配がない。自分の心を取り戻すため、ウサギに導かれるまま再び不思議の国を訪れたアリスだが、そこは以前とはまったく違う悪夢のような世界に変わってしまっていた。荒れ果てた不思議の国と、壊れたアリスの心。両者はどこかで関係があるのだろうか? この世界を再び元に戻すため、そして自分の心を取り戻すために、アリスは武器を片手に戦いを決意する。

サウンドの設定を忘れずに

心の闇の奥深くで震えるアリス
心の闇の奥深くで震えるアリス。再び自分の心を取り戻すことはできるのか?
このゲームでもウサギが案内役となる
このゲームでもウサギが案内役となる。表情が怖い

 デモ版をダウンロードしたら解凍し、その中の“alice.exe”を起動する。メニュー画面が表示されたら、まず最初に“設定”をクリックし、画面の解像度とサウンドを調整しよう。解像度は高ければ高いほど美しい画面でプレイできるが、あまり無理するとぎこちない動きになってしまうので、ほどほどに。このゲームは全体に映像が暗いので、心持ち“輝度”を上げたほうが見やすいと思う。もうひとつ重要なのは、サウンドの設定だ。「アリス イン ナイトメア」はDOLBY、A3D、EAXなどの立体音響に対応しているほか、ヘッドフォンやサラウンドなどスピーカーシステムを選ぶことができる。手持ちの環境に合った再生環境に設定すれば、より臨場感のあるサウンドでこのゲームを楽しめるはずだ。

 設定完了後にメインメニューから“新規ゲーム”をクリックすると、オープニングムービーが表示された後、最初のステージへ進む。キャラクターの操作方法は下記のとおり。

視点の変更/向きの変更マウス
攻撃(ナイフを振る)マウスの左クリック
攻撃(ナイフを投げる)マウスの右クリック
前進/後退[W]/[S]キー
左ステップ/右ステップ[A]/[D]キー
ジャンプ/浮上スペースバー
降りる/潜る[F]キー
使う/登る[Enter]キー
ヒントを見る[C]キー

 操作方法そのものは、3Dアクションアドベンチャーの標準的なスタイルだ。マウスをグリグリ動かしながらマップを移動し、ジャンプしたり水中に潜ったりしながら先へ進む。[C]キーを押すとチェシャ猫が現れてヒントを教えてくれることもあるので、行き詰まったら試してみるといいだろう。

 画面の左側に表示されるゲージはアリスの体力。ゼロになると、その場でゲームオーバーになってしまう。失われた体力は、ゲーム中に現れる赤いエネネギーパック“メタエッセンス”の上を通過すると補給することが可能だ。右側に表示されるゲージは魔力。“アイスワンド(氷の杖)”を手に入れると魔力を使って攻撃できるようになるのだが、デモ版の序盤ではナイフしか使えないので、とりあえずは関係ない。


ドロール・ベルのガス鉱が最初のステージ。ここではゲームの基本を学ぶ
ドロール・ベルのガス鉱が最初のステージ。ここではゲームの基本を学ぶ



小さくなるクスリはどこにある?

チェシャ猫のヒントを聞きながら進め
チェシャ猫のヒントを聞きながら進め。あまり役には立たないかもしれないが

 ひとつ書き忘れた。ゲームの難度は“簡単”、“普通”、“困難”、“悪夢”の4レベルの中から選ぶことができるが、とりあえずは“簡単”がおススメだ。一番やさしいモードだからといって侮るなかれ。このゲームは1回のミスが即ゲームオーバーにつながるトラップが多く、そう“簡単”に先へ進ませてはくれない。この手の3Dアクションに慣れたゲーマーならともかく、一般的なプレイヤーには十分すぎる難度だと思う。

 さて、プレイが始まるとまず最初は“ドロール・ベルのガス鉱”から“扉の要塞”へと向かうシーンだ。ここでは、アリスの物語でおなじみの体を小さくするクスリを手に入れるのが目的。1本道なので迷うことはないと思うが、シビアなジャンプシーンが何カ所かあるので、練習のつもりでトライしてもらいたい。トランプ兵が現れたら、唯一の武器であるナイフを使って戦う。右クリックを使うとナイフを投げて離れた敵を倒すこともできるが、約5秒間次の攻撃ができなくなってしまうので注意すること。

襲いかかる昆虫軍団を迎え撃て!!

飛行船に乗って扉の要塞へ侵入
飛行船に乗って扉の要塞へ侵入。小さくなるクスリを探せ
 首尾よく小さくなるクスリを手に入れたら、次は“キノコの森”へと進む。ここではハートの女王の手下となった昆虫が次から次へとアリスに襲いかかる。空中からドングリの実を落としてくるテントウムシは、投げナイフやアイスワンドを使って撃墜しよう。トンネルの中で待ち伏せする軍隊アリも強力だ。進路のあちこちにワナがしかけられているので、その回避策を考えることも忘れずに。

 ツルを使った振り子ジャンプは、つかまる位置が重要。あまり低い位置では次の場所へ飛び移ることができないが、高すぎると距離を稼げない。ツルにつかまったあと、[Enter]キーと[F]キーを使ってちょうどいい高さに移動すること。

かなりキモいし、丁寧な日本語化もグッド

トランプ兵をナイフで一刀両断
トランプ兵をナイフで一刀両断。血潮が吹き上がる!!
 これは掛け値なしにすばらしい作品だ。アリスを主人公にしたサイコホラーという設定もおもしろいし、映像も美しい。水面の反射や遠景のかすみ具合、アリスの服の質感や風になびくスカートの裾など、細かいところまで丁寧に描かれている。日本語化も完璧で、字幕はもちろん、アテレコの音声も申し分のないクオリティだ。海外からの移植作品の中には半端な日本語化でガッカリされられるものも少なくないが、さすがエレクトロニック・アーツ・スクウェアといったところか。ただし、難度は若干高め。わずかな操作ミスが命取りになる場面もある。クイックセーブ機能を使って確実にクリアを目指したい。

デモ版もたっぷり楽しめます

小さくなるクスリを発見
小さくなるクスリを発見。「ワタシヲノンデ」はお約束のメッセージ

 公開されているデモ版は、自らの心に閉じこもってしまったアリスがウサギを追いかけて悪夢の世界に飛び込むところから始まる。その後トランプ兵が守る城の中で小さくなる薬を発見し、全部で5つあるステージのひとつ“キノコの森”を冒険する…という流れだ。80Mバイト超とダウンロードファイルはちょっと大きめだが、シーンも豊富でたっぷり楽しむことができる。もちろんメッセージやセリフもすべて日本語化されていて、ストレスなくプレイできるところもいい。このゲームのすばらしい映像、そして周囲からわきあがるように聞こえてくる驚きの3Dサウンドを心ゆくまで体験してもらいたい。

 製品版の発売は1月25日、価格は7,980円(税別)が予定されている。エレクトロニック・アーツ・スクウェアのホームページに掲載されている情報によると、製品版にはオリジナルの英語版メッセージと音声も含まれており、日本語と英語を自由に組み合わせてプレイすることができるとのこと。

発売元エレクトロニック・アーツ・スクウェア(株)
価格7,900円
発売日1月25日発売予定

(AliceJDemo.exe、80.1MB、ゲームデモ)

□「アリス イン ナイトメア完全日本語版」のホームページ
http://www.japan.ea.com/alice/
□「アリス イン ナイトメア完全日本語版」デモのダウンロードページ
http://www.japan.ea.com/alice/downloads.html

(駒沢 丈治)


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