【第116回】
アクションRPG「ヴァンパイア 完全日本語版」
戦え!! 叫べ!! そして生き血を吸いまくれ!!
(01/01/24)
キツい仕事に追われて疲れると、つい獣化して暴れたり、生き血をすすりたくなることはないだろうか? …って、ないですな、普通。そんな人がいたら大変怖いわけだが、しかし最近のニュースを見ているとおよそケダモノにしかできない残忍な犯罪が増えていたりして、あまりシャレにならないかも。バトルはゲームの中だけにして、理性は大切にね。おじさんとの約束だ。さて今回紹介するのは、派手な戦闘シーンが楽しめるアクションRPG「ヴァンパイア 完全日本語版」。転げ落ちる生首や吹き出す鮮血がスゴイぞ。
ヴァンパイアが主人公の異色作
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狡猾なオルシー伯爵のワナに落ちて、囚われの身となった4人のヴァンバイア
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「ヴァンパイア 完全日本語版」は、人間ではなく獣人、ヴァンパイアが主人公だ。日本ではヴァンパイア=ドラキュラのようなイメージもあるが、実際はもっと幅の広い言葉で、たとえば狼男などもヴァンパイアの一種。一見人間の姿をしているが、体内に獣としての野生を秘め、他の生物の生き血を吸ってパワーの源にする。そして条件が満たされている限り、その命は限りなく不死に近い。このゲームに登場する4人のキャラクターも、人としての理性と獣としての野生をあわせもつヴァンパイアの末裔だ。獣人ならではの腕力と特殊能力を使って敵を倒し、クエストを解く。
ゲームデザインは、RPGというよりもむしろ「SWAT」や「トゥームレイダー」など、3Dのアクションアドベンチャーに似ている。アイテムの管理や成長は「ディアブロ」の影響もあり、過去に登場した名作をベースに独自のゲーム性を目指した作品のようだ。「アクションRPG」いう既成概念の枠に収まらない作品で、むしろ新しいジャンルとして位置付けたほうが正しいのかもしれない。
狂乱度が高まると突然獣人化
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リーダーを操作して敵陣を突破し、4人を基地の外に連れ出す
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装備やアイテムの管理は「ディアブロ」のシステムに似ている
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ゲームが起動したら、まずメインメニューから“オプション”を選び、“画面表示”と“サウンド”を変更する。使用するパソコンのCPUパワーやビデオカードに合わせて、無理のない設定にしよう。再びメインメニューに戻り“シングルプレイヤー”→“新しいゲーム”を選ぶとクエストが始まる。操作方法は下記のとおり。
移動 | 目的地を左クリック |
攻撃 | 目標を左クリック |
強攻撃 | 目標を[Shift]+左クリック |
アイテムを拾う | アイテムを左クリック |
アイテムの使用 | アイテムを選択して右クリック |
“訓え”を選ぶ | 使いたい“訓え”を左クリック |
“訓え”を使う | 使う対象を右クリック |
視点切り替え | [Z]キー |
ズームイン/アウト | [+]/[-]キー |
こんな具合に、ほぼマウスだけでプレイすることが可能だ。アイテムの移動や装備の変更は、画面左下のアイコンをクリックしてパネルを開いてから行う。
次に、ステータスの表示について。画面中央下部には、4人の顔と棒グラフが表示されている。一番上の青いゲージは生命力、つまりヒットポイントだ。ダメージを受けると青いゲージが短くなり、これがゼロになるとキャラクターは戦闘不能になってしまう。中央の赤いゲージは血。“訓え”と呼ばれる妖術を使うために必要で、マジックポイントといった位置付けか。“生き血”を飲んだりネズミを食べたりすると回復する。“訓え”には生命力の回復や火炎攻撃、冷気攻撃など様々な種類があるので、上手に使いたい。一番下のオレンジのゲージは狂乱度。戦闘が続くとヴァンパイアたちは徐々に理性を失い、狂乱度のゲージが伸びていく。そしてこのゲージが振り切れると、そのキャラクターは単なる野獣と化し、敵味方関係なく襲いかかってしまう。制御不能になるわけだ。数十秒で元の状態に戻るが、ヘタをすると味方同士で殺し合うことにもなりかねないので注意しよう。
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それぞれに最適な武器を装備させて戦おう
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ダンジョンの最下層から脱出せよ!!
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最下層にある地下牢から地上に向けて駆け上がる4人
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ゲームは、チュートン騎士団の基地の最下層にあるダンジョン…つまり地下牢から始まる。経緯は不明だが、とにかくオルシー伯爵のワナに落ちて囚われの身となった4人のヴァンパイアを操作し、基地の外に逃がすのがこのクエストの目的だ。全員最初から武器や防具を装備しているので、とりあえずそのまま付近を調べることから始めよう。「どうして武器を持ったまま牢屋に入っていたんだ?」という質問はなしね。ダンジョンの中には無数の小部屋や牢屋があり、よりよい武器やアイテムを手に入れることができる。落ちているものはプレイヤーが直接操作するキャラクターが拾うことになるが、そのままではすぐに持ち物がいっぱいになってしまうので、他のキャラクターにも振り分けよう。アイテムの管理方法は先週紹介した「ディアブロ」に似ていて、うまく整理すればたくさんのアイテムを持ち歩くことも可能だ。
基地内には敵の騎士、騎士隊長、領主、妖術使い、ネズミ、クモなどが待ち伏せている。発見されるとすぐに攻撃してくるので、あまり急がずにゆっくり進んだほうがいい。ダンジョンを抜けたらいったん中庭に出て、そこからさらに上の階を目指す。最後のボスキャラ“トレメールの主教”を倒せば、クエスト完了だ。
武器の選択と使い分けに注意
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騎士隊長が装備するバトルアックスの破壊力は凄まじい。要注意だ!!
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ゲームに慣れないうちは、どうやって戦えばいいのか戸惑うかもしれない。ちょっとだけコツをまとめておこう。まずひとつは、4人のキャラクターにそれぞれ適切な武器を持たせること。ショートソードやメイスは攻撃力に劣るが、左手に楯を持つことができるし攻撃間隔も短い。一方、バトルアックスやハルバード、ロングソードは攻撃力に勝るが、攻撃間隔が長く防御にも隙が生じやすい。攻撃がヒットすると一瞬敵の動きがひるむので、ヒット用とダメージ用、両方の武器をうまく組み合わせて戦おう。また、騎士など重装備の相手には打撃力のある重い武器、妖術師など軽装備の相手には攻撃間隔の短い軽い武器やクロスボウが有効だ。ただしウィルヘルムが持っているボウガンは矢の数に限りがあるので、序盤での使いすぎに注意すること。
そして、一人のキャラクターにこだわらないこと。プレイヤーが操作するキャラクターは常にパーティの先頭に立って戦うため、ダメージを集中して受けやすい。軽装備のセレスは省くとしても、クリストフ、ウィルヘルム、エリックの3人をうまくローテーションしながら戦うと楽だ。ひどいダメージを受けた場合はそこで立ち止まり、“生き血”や“訓え”を使って回復させてから、次のステージへ進むようにしよう。
転げ落ちる生首、吹き出す血潮!!
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祭壇で魔剣「エインカーン」を発見。どんな威力を秘めるのか?
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なかなか派手な作品だ。演出が凝っている。たとえば、ロングソードを振るった瞬間にバシュッと首が転げ落ち、鮮血を吹き出しながら数歩よろめいた後にガクリと息絶える敵兵の姿。炎や冷気で攻撃すると、喉を掻きむしり、苦しそうに身悶える姿。階段の途中で敵を倒すと、ガタガタと音を立てながら段を滑り落ちる演出もリアルだ。戦闘シーンの生々しさでいえば、過去にここまで「痛そう」な作品はなかったのではないか? 映像的にもすばらしく、たいまつに揺れる影や城内の備品など、こまかいところまで綿密に描かれている。すごい。
しかしその一方で、ややプレイしにくく感じた点もあった。デモ版には様々なアイテムが登場するが、効果や使い方がはっきりしないものが多すぎる。またマウスを使った移動も、慣れるまではカンをつかみにくい。他の作品と同じように、移動に[A][D][W][S]キーやカーソルキーが使えればよかったのに、とも思うのだが。
スリリングな戦闘を満喫できる
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主教が繰り出す稲妻攻撃は強烈だ。全員で接近し、一気に押し切れ!!
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デモ版では、この「チュートン騎士団の基地から脱出」を試すことができる。クエスト完了までの時間は約60分。次々に敵兵が襲いかかってくるスリリングなプレイをたっぷりと楽しめるはずだ。鮮血がほとばしる迫力の映像を、ぜひ一度ご覧あれ。
「ヴァンパイア 完全日本語版」は現在すでに発売中で、価格は9,800円。中世から現代に続く壮大なストーリーで、70人ものNPCが登場するらしい。ネットワークを使ったマルチプレイにも対応しているとのこと。
発売元 | (株)サイバーフロント |
価格 | 9,800円 |
発売日 | 発売中 |
(vampirej_demo.exe、90.0MB、ゲームデモ)
□「ヴァンパイア 完全日本語版」(サイバーフロント)のホームページ
http://www.cyberfront.co.jp/
□「ヴァンパイア 完全日本語版」デモ版のダウンロードページ
http://www.cyberfront.co.jp/download/
(駒沢 丈治)
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