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【第120回】

バトルシミュレーション「プロジェクト I.G.I」

核テロリストの野望を砕け!!

(01/02/21)

タイトル画面

 ベルリンの壁崩壊によって、東西の冷戦は終結を迎えた。もちろんこれは喜ばしい出来事なのだが、緊張の緩和が旧東側諸国からの武器の流出を招き、武装強化したテロリストたちの活動が新たな社会問題になっている。重火器だけでなく、化学兵器や生物兵器、そして核兵器さえも手にしたといわれる武装テロリストの存在は、ただでさえ混迷の度合いを増す国際社会を揺るがしかねない、大きな懸念材料だ。…とかなんとか、新聞のコラムみたいな書き出しになってしまったが、今回紹介する「プロジェクト I.G.I」はそんな核テロリストを相手に戦う、3Dのバトルシミュレーション。たった一人で敵基地に潜入し、与えられた使命を遂行せよ!!

核テロリストの野望を阻止せよ!!

主人公デビッド・ジョーンズ
主人公デビッド・ジョーンズ。今回の使命は誘拐された要人の救出だ

 「プロジェクト I.G.I」は、「QUAKE」などでお馴染みの3Dアクションシューティングのシステムを使った、リアルタイムのバトルシミュレーションだ。以前このコラムで紹介した「S.W.A.T」と同様に、キャラクターの視点で戦う。  プレイヤーは、元SAS特別機動隊員デビッド・ジョーンズとしてコードネーム“プロジェクト I.G.I”と呼ばれるミッションに参加する。ペンタゴンの核テロリスト対策チームのアンヤ少佐の指揮のもと、エストニアにある敵基地への潜入を試みる…という設定。行動はあくまでも単独かつ隠密で、戦闘というよりはむしろ破壊工作に近い。味方からの支援が期待できない敵地の真っ只中で、ただ黙々と使命を果たす。

敵基地に潜入して、トラックを強奪する

敵基地のトラックを奪うのが最初のミッション
敵基地のトラックを奪うのが最初のミッション
位置を確認。1と書かれている場所がトラックのある車庫だ
位置を確認。1と書かれている場所がトラックのある車庫だ

 ゲームが始まったら、メインメニューから“Configuration”→“Graphics”の順にクリックし、まず画面の表示設定を済ませてしまおう。初期設定は640×480ドットだが、もう少し高い解像度でプレイしたほうが楽しい。ただし改造度を高くしすぎると画面表示がぎこちなくなってしまう場合もあるので、そのあたりはマシンパワーとの兼ね合いを考えること。

 再びメインメニューに戻ったら、“Play I'm Going In”をクリックしてミッションセレクト画面に入る。…といっても選べるミッションは1本だけなので、そのまま“OK”をクリックしてプレイを開始しよう。オープニングムービーでミッションの概要が説明された後、戦闘シーンに突入する。今回与えられた使命は、ヨセフ・プリボイなる要人を救出するために敵基地に侵入し、移動用のトラックを奪うこと。操作方法は下記のとおりだ。

移動[←][↑][↓][→]キー
向きを変えるマウス
武器を使用するマウス左クリック
武器を変更するマウス右クリック
ジャンプテンキーの[0]
アクション[Shift]キー
しゃがむ[Ctrl]キー
のぞき見るテンキーの[1]
ポーズメニュー[Esc]キー
拡大(双眼鏡等使用時)[PageUp]キー
縮小(双眼鏡等使用時)[PageDown]キー
双眼鏡を使用するスペースバー
サテライトビュー[C]キー

 マウスを使って方向を変え、カーソルキーで移動する。攻撃はマウスの左ボタンで、フルオートの武器ならクリックしている間ずっと弾を撃ち続ける。弾倉が空になると予備弾倉がある限り勝手に交換してくれるが、その間数秒スキができるので注意すること。画面左下には人間型のゲージが表示され、体力を失うにつれて赤い部分が減っていく。ゲージがゼロになった時点で、ゲームオーバーだ。


侵入成功。映像は驚くほどリアルで美しい
侵入成功。映像は驚くほどリアルで美しい


監視カメラのスイッチを切れ!!

発見されたら容赦なく撃て。情けは無用だ
発見されたら容赦なく撃て。情けは無用だ

 プレイは、主人公デビッド・ジョーンズが貨物列車の荷台に潜み、敵基地に潜入するところから始まる。まず建物の裏手に回り、はしごを登って屋上に上がろう。このとき基地全体の様子を見渡すことができるので、[C]キーを押すと表示されるサテライトビューと照らし合わせて、今後の移動ルートを検討するといいだろう。監視塔の位置を確認し、その真下を通過するようにすると発見されにくい。

 次に、屋上から建物の内部に侵入して、中の警備兵を倒す。ここには無数のコンピューター端末が置かれており、どうやら基地のコントロールルームのようだ。奥の部屋の端末を操作すると、2分間、すべての監視カメラを無効にすることができる。カメラのスイッチを切ったら基地内をダッシュして、トラックが置いてある車庫を目指そう。ただし、最初のフェンスには鍵がかかかっているので、そのまま通過することはできない。無線で入るアンヤ少佐のアドバイスに従って、迂回ルートを探すこと。

敵の死角を突いて移動すること

監視用モニタに発見されると、敵の守備隊が大挙して現れる
監視用モニタに発見されると、敵の守備隊が大挙して現れる。ピンチ!!
 ミッションを手際よくスマートにクリアするコツは、できるだけ戦闘を行わないことだ。目的は敵の掃討ではなく、トラックの強奪であることを忘れないように。監視塔や監視所の死角となる場所を移動すること、こちらが発見される前に歩哨を倒すこと、監視カメラが切れている2分以内にフェンスを越えること。この3つを実行すれば、敵の守備隊に囲まれることなく車庫までたどり着くことができる。兵士というよりは、ニンジャになったつもりで行動すればオーケーだ。

 万一敵兵に見つかってしまった場合は、サブマシンガンをメインの武器にして撃ちまくること。弾丸には余裕があるので、ケチケチすることはない。相手に向かって連射を浴びせかけ、反撃の余地を与えずに倒す。監視塔からの狙撃を避けるために、建物や資材の影に隠れて移動することも忘れないように。

スリル満点、迫真の映像もすばらしい

積み上げられた箱を使ってフェンスを越えろ!!
積み上げられた箱を使ってフェンスを越えろ!!
 すごい。「ああ、PCゲームはまた一歩進化したのか」というのが実感だ。何気なく置かれているダンボール箱の端が変色していたり、壁に彫られた銃弾の痕が妙に生々しかったりと、こまかい部分までキッチリと仕上げられている。敵兵の動きもリアルで、たとえばサブマシンガンの連射を浴びせると踊るように回転しながら吹き飛んだり、銃を抱えたままガクリと膝をつきそのまま折れるように倒れるなど、状況に合わせて動きが変わる。ゲームというより、むしろ戦争映画かスパイ映画を観ているような感じで、ちょっとコワい。

 とにかく、すばらしい臨場感だ。スムーズに楽しむにはそれなりのハードウェアスペックを備えたマシンが必要だが、ぜひ一度体験してもらいたいと思う。

すべてのミッションをクリアせよ!!

最後のフェンスを開ける
最後のフェンスを開ける。この向こうに車庫があるはずなのだが

 デモ版では、ヨセフ・プリボイの救出ミッションの一部、“トラックの強奪”を試すことができる。敵の基地に潜入し、トラックが格納されている車庫までたどり着けば完了で、難易度はそれほど高くない。武器や弾丸も豊富に手に入るので、何度かトライすれば誰でもクリアできると思う。敵基地内には倉庫や監視塔など様々な建築物が配置されているので、もし与えられたミッションがモノ足りなく感じるなら、これらの調査や敵のせん滅を試みてはどうだろうか。サブマシンガンを使わずに、拳銃やナイフだけでクリアを目指すというのも、スリリングでおもしろそうだ。

 製品版では、謎の人物ヨセフ・プリボイの救出をメインに、敵基地の掃討やヘリポートの確保など、様々なミッションが与えられる。武器の種類も豊富で、今回デモ版に登場した拳銃やサブマシンガンのほかに、手榴弾やグレネードランチャー、スナイパーライフルなども使えるようになるとのこと。製品版は、アイドス・インタラクティブより3月23日に発売の予定。Windows 95/98/Me対応で、価格は8,800円だ。

発売元アイドス・インタラクティブ(株)
価格8,800円
発売日3月23日発売予定

(ProjectIGIDEMO.exe、42.1MB、ゲームデモ)

□「プロジェクト I.G.I」のホームページ
http://www.eidos.co.jp/title/IGI/IGI_index.htm
□「プロジェクト I.G.I」デモ版のダウンロードページ
http://www.eidos.co.jp/Demo/Demo_Index.htm

(駒沢 丈治)


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