【第121回】
ルアーフィッシングゲーム「釣道3」
迫力の3D画面で、バス釣りに挑戦!!
(01/02/28)
釣りというのは不可思議な趣味だ。せっかく釣った魚をその場で逃がしてしまう人がいたり、丸一日なにも釣れなかったのに楽しそうにしている人たちもいる。個人的に一番気になるのが、山手線のど真ん中、JR市ヶ谷駅のホームから見える釣り堀で糸を垂れている人たち。彼らはいったいなぜ都心の釣り堀で、しかも平日の昼間から釣りをしているのだろう。平日の昼間から釣り堀を眺めてるこっちも相当な暇人だが、アレはかなり変わった光景じゃないかと思う。…とかとか、前置きはそのくらいにして、今回紹介するのはシステムソフトの「釣道3」。3Dグラフィックをふんだんに使った本格派の釣りゲーだ。
水中カメラがルアーの状態を生中継
|
メニュー画面は水槽になっていて、釣った魚を飼うことができる
|
「釣道3」は、システムソフトの「釣道」シリーズの最新作。前作では海釣りがテーマだったが、今回は池や湖を舞台に、迫真のルアーフィッシングを楽しむことができる。一番の特徴は、ルアーをキャストして着水させた後、アングラーからの視点ではなく水中の状態が表示されるということ。多くの釣り系シミュレーションはヒットしたときにカメラの視点が切り替わるが、「釣道3」ではルアーが着水してからずっとその動きを表示し続ける。水中に生える植物の様子や、悠々と泳ぐ魚たちの姿、そしてルアーの動きまでリアルタイムで眺めることができるというわけだ。
ルアーを泳がせて魚を誘う
|
魚型の池の口の部分が、デモ版で試すことができるポイントだ
|
|
デモ版で使えるルアーは6種類。色や大きさ、重さなどを調整できる
|
ゲームが始まったら、タイトル画面から“レイクマスター”を選ぶ。続いて水槽をバックにしたメインメニューが表示されるので、そこから“釣りに行く”を選択しよう。初期設定では8月の第1週になっているので、もし日付けを変更したい場合は“カレンダー”を使って指定することができる。季節が変わると魚の種類や動きも変わるのだが、とりあえずは8月第1週のままでいいだろう。ラージマウスバスとライギョ、ブルーギルが狙えるはずだ。
“Riselake”という魚型の池が表示されたら、その口の部分にある“mouth”をクリックする。ここが、デモ版で試すことができる唯一のポイントだ。画面が池のグラフィックに変わったら▽マークのターゲットを狙いたい場所にマウスでドラッグし、画面右下の“CAST”ボタンをクリックすると、竿が振られてルアーがキャストされる。このとき、画面右端に表示されるバーの緑色の部分でゲージが止まるよう、うまくタイミングを合わせること。キャストされたあとの操作は下記のとおり。
竿を左右に振る | マウスを左右に動かす/[←] [→]キー |
リトリーブ(速) | [C]キー |
リトリーブ(中) | [X]キー |
リトリーブ(遅) | [Z]キー |
合わせ | マウスの左クリック |
ドラッグ(締める) | [Q]キー |
ドラッグ(緩める) | [A]キー |
中断 | マウスの右クリック/[Esc]キー |
リトリーブというのはリールを巻き上げること。水中の様子を見ながらマウスを使って竿を振り、適当な速さでリトリーブしながらルアーを泳がせる。リトリーブの速度は3段階設定されているので、強弱をつけながら泳がせるのもテクニックだ。首尾よく魚が食いついたら、すかさずマウスの左ボタンをクリックして釣針を合わせよう。あとはラインのテンションが高くなりすぎないよう、魚を泳がせながら[Z][X][C]キーを押してリトリーブすればいい。ラインの長さが1mより短くなれば、無事ゲットだ。
|
狙いたい場所を場所を決めたら、“CAST”ボタンをクリック
|
水中の様子を確認しながらトライ
|
魚が食いついたら、マウスの左ボタンで合わせる
|
このゲームでは、どの季節に、どのポイントを、どのルアーで狙うかという3点が重要になる。こうなるともう、ルアーフィッシングの知識がなければどうしようもないが、幸い「釣道3」には魚とルアーの図鑑が用意されているので、とりあえずこれを参考に大まかなアタリをつける。あとはもう、適当に季節を変えながらルアーをキャストし、水中の様子を見て学ぶしかない。他の釣りシミュレーションと違って水中の様子が手にとるようにわかるので、魚の多い場所や種類、ルアーに対する関心のもち方を見ながら、効果的なアプローチを考えよう。
ルアーの選び方で釣果は全然違う
|
ラインのテンションが高くなりすぎないよう、慎重にリールを巻き上げる
|
ひょっとしたらまるで見当違いな情報になってしまうかもしれないが、一応筆者が釣った組み合わせということで、紹介しておきたい。ラージマウスバスは、バイブレーションを使ったときに40cmを超す大物が何度か釣れた。ライギョもバイブレーション、ナマズはスピナーベイト、ブルーギルはクランクベイトの食いつきがよかったように感じる。逆にワームやミノー、スイッシャーミノーでは、思ったほど釣れなかった。ワームはミミズのようだし、ミノーはどちらもおいしそうな色ツヤなのだが、もっと上手に泳がせなければダメなのかもしれない。
一度食いついてヒットすれば逃げられることは滅多にないが、大型のバスやライギョの場合、突然跳ねてラインのテンションが高くなるときがある。見た目が大物のときは、慎重に[Z]と[X]キーを使ってリールを巻き上げるようにしよう。ブルーギルも、大きさの割には暴れるというか引きが強いので、注意してほしい。
初心者でもそれなりに楽しめる!?
|
41.6cmのラージマウスバス。最大で50cmぐらいだそうだから、まあまあの大きさだ
|
まいった。正直、どう評価していいのかわからない。なんせ筆者は、学生時代にやったヘラブナ釣りが最後で(しかも練り餌)、ルアーフィッシングの経験がまるでないからだ。この作品の一番のウリである「パターンフィッシング」が的確にシミュレートされているのかいないのか、アングラーとしての視点でお知らせできないのが心苦しい。
ただ、ほとんどなんの知識がない状態でも、意外にというか、かなり楽しむことができた。図鑑を見ながら、あれこれトライしてみるのは結構おもしろい。最初は各ルアーの違いがさっぱりわからなかったが、何度かプレイしているうちに、なんとなくコツがつかめてくる。水中の様子を見ながら試すことができるので、魚の様子がわかるし、ルアーに対する食いつきも知ることができるからだ。ルアーフィッシングに詳しい人が自己の理論を試すことができるのはもちろん、なにも知らない人が学習するための教材としても結構役立つんじゃないだろうか。…もちろん、これで本当に釣りの腕前が上達するかどうかは、わからないけれど。
製品版には様々なポイントが用意されている
|
本日の釣果を確認。48.4cmのナマズが最大だったが、そのままリリースしてしまった
|
デモ版は釣り場が1カ所のみで、使用できるルアーとラインも種類が限られている。といってもタイプの違う6種類のルアーを使うことができるし、それぞれに色や大きさ、浮力、ヘッドのバリエーションがあるので、全体の組み合わせはかなりのパターンになるだろう。季節も3月~11月まで任意に変更することができるので、いろいろな種類の魚を狙うことができると思う。製品版では、全部で8つのエリアに各3カ所のポイントがあるということなので、植生や流れの違う場所での釣りが楽しめそうだ。釣果が上がると、RPGのように使えるルアーの種類が増えていくらしい。釣った魚を水槽の中で育て、その様子をスクリーンセーバーにすることもできるとのこと。パッケージは現在すでに発売中で、価格は8,800円。Windows 95/98/Meに対応している。
発売元 | システムソフト(株) |
価格 | 8,800円 |
発売日 | 発売中 |
(Td3trial.exe、10.0MB、ゲームデモ)
□「釣道3」のホームページ
http://www.systemsoft.co.jp/game/products/turido3.html
□「釣道3」デモ版のダウンロードページ
http://www.systemsoft.ab.psiweb.com/AM/LIB/Td3trial.html
(駒沢 丈治)
(c) 2000 SystemSoft Corporation