【第123回】
「ジャイアンツ シチズンカブト 完全日本語版」
超美麗な映像で楽しむ、アクションアドベンチャー巨編登場!!
(01/03/14)
こうして毎週様々なゲームをプレイしていると、ときどきとんでもなくスゴい作品に出くわすことがある。たとえばため息をもらすほど美しいアドベンチャーゲーム。たとえばすばらしく元気がいいアクションゲーム。そんなすばらしい作品に出会うたびに、パソコンゲームが日々凄まじい勢いで進化を続けていること、そして世界にはまだまだ才能あるクリエイターがいることを感じずにはいられない。今回紹介する「ジャイアンツ シチズンカブト 完全日本語版」も、そうした数少ない傑作のひとつだ。たぶんこれは、ゲーム史にその名を刻む1本になると思う。
惑星“アイランド”で対立する3つの種族
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宇宙服を着たメッカリン。クリッとした瞳がかわいい
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「ジャイアンツ シチズンカブト 完全日本語版」は、架空の惑星“アイランド”を舞台にシナリオを楽しむ、ミッションクリア型の3Dアクションアドベンチャーだ。惑星“アイランド”はもともとシーリーパーという魔法を操る種族が支配していたが、彼らは外敵から自分たちを守るための生物兵器として、巨大なクリーチャー、カブトを誕生させた。最初のうちは従順だったカブトだが、やがて自我に目覚め、シーリーパーの命令に従わなくなってしまう。同じころ、宇宙を旅する種族メッカリンが、宇宙船の不調で“アイランド”に不時着した。壊れた宇宙船を修理するためには資源が必要だが、それを手に入れるには先住者であるシーリーパーやカブトの妨害を実力で阻止しなければならない。
カブトやメッカリンを倒して、再び“アイランド”の支配者たらんともくろむシーリーパー。強く巨大なゆえに孤独なカブト。“アイランド”で宇宙船を修理し、再び旅立とうとするメッカリン。「ジャイアンツ シチズンカブト 完全日本語版」は、これら3種族それぞれの立場で、複雑に絡み合ったシナリオを楽しむことができる。
デモ版はメッカリン版とシーリーパー版の2本が公開中
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丁寧に貼られたテクスチャや水面の輝き、太陽のフレアが美しい
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地中に潜む凶暴な原住生物リッパー。突然襲い掛かってくる
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デモ版は、メッカリンの立場でプレイする“giantsj.exe”と、シーリーパーの立場でプレイする“reaper.exe”の2本が公開されている。どちらも基本的な部分は似ているが、初めてプレイするのであれば、シナリオがわかりやすいメッカリン版“giantsj.exe”のほうがいいだろう。インストールを済ませると、“VRAM 16M以上”と“VRAM 32M以上”の2つの起動用アイコンが用意されるので、手持ちのビデオカードに合ったほうを実行すること。
デモ版を起動すると、美しいタイトル表示画面に続いてプレイヤー名の入力が求められる。適当な名前を入力した後、メインメニューが表示されたら“シングルプレイの新規開始”をクリックするとゲームが始まる。プレイ中にセーブすることはできないが、2回め以降は“シングルプレイのロード”を選べば、すでにクリアしたミッションの続きをプレイすることができる。解像度や同時発色数を変えたい場合は、メインメニューから“オプション”を選ぶこと。プレイ中の操作方法は下記のとおりだ。
視点の切り替え | マウス |
攻撃(武器の使用) | マウスの左クリック |
ジェットパックの噴射 | マウスの右クリック |
前進/後退 | [W]/[S]キー |
左移動/右移動 | [A]/[D]キー |
武器の切り替え | [Q]/[Tab]キー |
マップの表示 | [C]キー |
ニトロブースター | スペースバー |
フロントビュー | [F]キー |
中断 | [Esc]キー |
メッカリン版とシーリーパー版では若干操作方法が異なるが、基本的な部分は同じ。ただし一部異なる設定もあるので、詳しくは付属のドキュメントを参照のこと。
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荒野を群れで移動するヴィンプ。食肉に適しているらしいのだが
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最初のミッションは食肉集め
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妖しい微笑みを浮かべるシーリーパーの女戦士
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ではまず、メッカリン版の“giantsj.exe”から試してみよう。ゲームが始まると、原住種族“スマーティー”との会話が始まる。宇宙船を修理するためには、惑星“アイランド”に詳しいスマーティーの協力が欠かせないのだが、そのためには彼の要求に応えなくてはならない。最初の注文は、食事を用意すること。“ヴィンプ”と呼ばれる食用生物を狩って、その肉を20個集めるのが協力の条件だ。
スマーティーの住む高台から降りて海岸の近くを散策すると、ほどなくヴィンプの群れを見つけることができるだろう。ハンドガンを使って撃ちまくれば、簡単に肉が手に入る。ただし、この付近には凶暴な生物“リッパー”も潜んでいるので、不意打ちに注意しよう。発見したら、こちらから先にグレネードを叩き込むべし。20個の肉を集めてスマーティーのところに返れば、1つめのミッションが終了する。
連れ去られたスマーティーを救出せよ
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弓や剣を使って戦う。水に浸かるだけで体力が自然に回復する
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シーリーパー版の“reaper.exe”は、メッカリン版とかなり雰囲気が違う。プレイヤーは、色白で妖しい笑みを浮かべるシーリーパーの女戦士を操作して、連れ去られたスマーティーを助け出すのが使命だ。[C]キーを押すと目的地、つまりスマーティーが囚われている場所が表示されるので、そこを目指して進む。
シーリーパーの武器は剣と弓、そして魔法だが、いずれも使い方にコツがあるので、ちょっと戸惑うかもしれない。剣は連続して攻撃可能だが、相手に接近しなければならないのでリスクが大きい。一方、弓は離れた場所から攻撃することができるが、矢をつがえてから放つまで一呼吸ぶんの“溜め”が必要で、その間無防備になってしまう。魔法は強力で広範囲の敵を攻撃することもできるが、それを覚えるまでは使うことができない。そんなわけで、強化された弓と魔法を手に入れるまでは無理に戦おうとせず、スマーティーの救出のみを考えたほうがいいだろう。シーリーパーは水に浸かるだけで体力を回復することができるので、危なくなったら水中に逃げるといい。
美しい光学処理と絶妙な背景設定。強く推奨!!
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連れ去られていたスマーティーを発見
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とてもよくできた作品だ。まず、なんといっても映像が美しい。太陽光のフレアや水面の反射など処理が見事で、画面全体に奥行きと透明感を感じる。テクスチャーの質感やキャラクターの動きもすばらしい。これまでのアクションアドベンチャーとは、映像的に一線を画した作品だと思う。架空の惑星“アイランド”を舞台に立場の異なる3種族が戦う設定や、シーリーパー、カブト、メッカリンに与えられた個性もユニークだ。どの種族を演じるかによって世界観が違ってくるし、戦い方も変わる。短いミッションをクリアしながら、どんどんシナリオに引きずり込まれるところもいい。
「いつもは記事を読むだけ」という人も、今回はぜひ実際に試してもらいたい。アクションアドベンチャーが新しい時代を迎えたことが、映像で、そしてプレイした感覚で実感できるはずだ。このデモ版を見逃すのは、あまりにも惜しい。
製品版は4月に発売予定。しばし待たれよ!!
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ミッションをクリアするごとに、新しい魔法を覚えていく
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デモ版では、“giantsj.exe”“reaper.exe”ともに、4~5本のミッションを試すことができる。各ミッションは短めだが、それでもクリアには30分程度は必要なので、かなり本気で楽しめると思う。製品版ではシーリーパー、カブト、メッカリンの3種族を自由に選ぶことが可能で、全ステージ合わせて45本のミッションが収録されている。またシングルプレイだけでなく、各種族で戦うマルチプレイも楽しめるとのこと。
製品版は、イマジニアから4月中に発売される予定だ。Windows 95/98/Me/2000対応のCD-ROM 2枚組みで、価格は8,800円。
発売元 | イマジニア(株) |
価格 | 8,800円 |
発売日 | 2001年4月発売予定 |
(giantsj.exe、reaper.exe、104MB、ゲームデモ)
□「ジャイアンツ シチズンカブト」のホームページ
http://www.imagineer.co.jp/pc/products/giants/
□「ジャイアンツ シチズンカブト」のダウンロードページ
http://www.imagineer.co.jp/pc/products/giants/download.html
(駒沢 丈治)
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