【第125回】
「High Heat Major League Baseball 2002」
これぞメジャーの迫力!! これぞメジャーのプレイ!!
(01/03/28)
最近、メジャーリーグがずいぶん身近になったように感じる。野茂の移籍をきっかけに次々に日本人選手がアメリカに渡り、現在はマック鈴木を含めて、野茂、伊良部、長谷川、吉井、大家、佐々木、イチロー、新庄の9名が活躍するまでになった。とくに今年は“天才”イチローと“プリンス”新庄に関する話題が豊富で、毎日のように刺激的なニュースが飛び込んでくる。オープン戦も一段楽し、そろそろペナントレースが始まるが、各選手がどんな活躍をしてくれるのか楽しみだ。今回紹介するのは、そんなメジャーリーグの迫力を肌で感じさせてくれるシミュレーション、「High Heat Major League Baseball 2002」。緻密なデータと美しいグラフィックが最大の特長だ。
全選手を細かくデータ化してシミュレート
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デモ版で選べるのはEXHIBITIONのみ。製品版はネット対戦も可能なようだ
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メジャーリーグを題材にしたシミュレーションゲームはいくつかあるが、その中でも「High Heat Major League Baseball 2002」は、データの緻密さと新しさが一番のウリだ。1998年、1999年、2000年の3年分のデータを基本に、約50のパラメーターが設定されている。これらのデータからプレイを予測し、もっともその選手“らしい”投球、打撃、守備が決められるというわけだ。プレイヤーが操作するのは選手個人だが、試合に勝つには各選手の個性を知り、もっとも適した行動を指示するなど、監督のような采配が求められることになる。
なおこのデモ版をプレイするには、DirectX 8がインストールされていなければならない。DirectX 7以下では起動できないので、念のため。
テンキーを使って投球コースと打撃位置を指定
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ジャイアンツのホーム、パシフィックベルパーク。芝目が美しい
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カメラを切り替えながら、テレビ中継感覚でプレイを楽しめる
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デモ版を起動するとメインメニューが表示されるので、その中から“EXHIBITION”を選ぶ。このデモ版では、サンフランシスコ・ジャイアンツ対ボストン・レッドソックスの試合を試すことができる。“GAME OPTION”は、すべて初期設定のままでいいだろう。“TEAM SELECT”では、出場する両チームとスタジアムについて指定することができるので、自分が操作したいチームを“Human”に、コンピュータにプレイさせたいチームを“CPU”に設定する。“LINEUP”画面が表示されたら、“PLAYBALL!”をクリック。いよいよ試合開始だ。
野球ゲームなので、攻撃と守備で操作方法は変わる。主なキーの割り当ては下記のとおり。
打撃
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球種の確認 | [Home]キー |
スイング | テンキー+[Enter]キー |
バント | テンキーの[+]キー |
投球
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球種の確認 | [Insert]キー |
セットポジション | [Enter]キー |
ストライクを狙う | テンキー+[Enter]キー |
ボールを狙う | テンキー+[Del]キー |
ビーンボール | テンキーの[+]キー |
守備
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選手の移動 | カーソルキー |
ジャンプキャッチ | [Enter]キー |
返球 | [Enter]キー |
操作のほとんどは、テンキーと[Enter]キーを使って行う。[F2]キーを使うと、カメラの位置を次々に切り替えることが可能だ。そのほかにも、このゲームには様々な機能がある。[F3]~[F11]を押すと選手や投球に関する様々なデータを見ることができるので、ぜひ試してもらいたい。
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打撃の前にピッチャーの球種を確認。打者のデータも表示される
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コースを絞ってフルスイング!!
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今年からレッドソックスに移籍した野茂が登板。フォークで決めたい
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では、まず打撃から。基本的には、投球に合わせてタイミングよく[Enter]キーを押すだけでいい。振る位置を指定したい場合は、テンキー+[Enter]キーを押す。たとえば左打ちの場合、外角低めを狙いたい場合はテンキーの[1]+[Enter]キー、内角高めを狙いたい場合はテンキーの[9]+[Enter]キーという組み合わせで押す。ただしこの場合、コースを絞り込むぶん当たればヒットになる可能性が高いが、逆に空振りする確率も高い。ピッチャーの球種を確認したい場合は、[Home]キーを押す。相手の持ち球を知り、配球を予測して狙うといいだろう。
ピッチャーの持ち球を活かして配球する
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投球後、[F9]キーを押すとボールの軌跡がストロボ表示される
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逆に、投球のほうはちょっと複雑だ。まず投げる前に、ストライクを狙うか、外してボールにするか、球種やコースはどうするかについて決めておかなくてはならない。球種は[Insert]キーを押すと表示される。登板しているピッチャーによって球種は異なり、テンキーと同じ9方向で示されるはずだ。[Enter]キーを押すと投手はセットポジションに入るので、ストライクを狙う場合は[テンキー]+[Enter]キーを、ボールの場合は[テンキー]+[Del]キーを押して投球する。ただし投手の制球能力によっては、必ずしも狙った場所に決まるとは限らない。ストライクを狙ってもボールになってしまうことや、その逆もある。なお、レッドソックスのブルペンには今期から移籍した野茂と大家がブルペンに登録されているので、“TEAM SELECT”画面で登板させてみるのもよいだろう。
打者がボールを打つと守備画面に切り替わるので、足元に水色のマークが表示されている野手を、カーソルキーもしくはテンキーを使って打球の位置まで移動させよう。キャッチしたあとは[Enter]キーを押せば、自動的に内野手まで返球してくれる。
一球ごとにヨミが必要な、ストラテジックなゲーム
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試合中も、ときどき選手がクローズアップ表示される
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一見アクションゲームのように見えるかもしれないが、実はかなり戦略的なゲームだ。というより、本来野球とは戦略的なスポーツであり、それを忠実にゲーム化したということなのだろう。気楽にプレイするのも楽しいが、本気で勝ちを目指すなら、一球一球よく考えて投打しなければならず、投手と打者のヨミの深さが勝敗を決める。もちろん、登場する選手たちの打撃力や足の速さ、制球力についても、それなりの知識が必要だ。あらゆるスポーツゲームにいえることだが、選手やチームに対する理解が、このゲームのおもしろさを決めるといってもいいかもしれない。メジャーリーグが好きな人、ひいきのチームがある人なら、かなり本気で楽しめるのではないだろうか。
製品版には全チームの選手が実名で登場
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球場だけでなく、デイゲームとナイトゲームを指定することができる
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このデモ版でプレイできるのは、サンフランシスコ・ジャイアンツ対ボストン・レッドソックスのエキシビジョンのみ。選択できる球場は双方のホームグラウンドと、ナショナルリーグのオールスターゲームにも使われたことがあるピッツバーグの名門“Forbes Field”の3カ所、試合も3イニングまでに限られている。このため、どちらかというと製品版のための動作確認用という位置付けになると思うが、しかし選手たちのリアルなしぐさやカメラワークの妙、アナウンサーの軽妙な実況を実感することはできると思う。もちろん製品版にはナショナルリーグ、アメリカンリーグの全チームが登場し、選手たちも実名で登場する。2001年2月時点でのデータが使われているので、シアトルマリナーズの佐々木やイチロー、ニューヨークメッツの新庄も登場するはずだ。イチローと新庄はメジャーリーグでの実績がない状態なので、どのようにデータ化されているのかが気になる。
製品版は、現在すでにアメリカで発売されているが、日本国内での販売や移植はいまのところ予定されていない。
発売元 | The 3DO Company. |
価格 | 39.95ドル |
発売日 | 発売中 |
(hh2002demo.exe、72.9MB、ゲームデモ)
□「High Heat Major League Baseball 2002」のホームページ
http://www.3do.com/highheat/2002/
□「High Heat Major League Baseball 2002」のダウンロードページ
http://www.3dfiles.com/games/highheatmajorleaguebaseball2002.shtml
(駒沢 丈治)
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