【第11回】

第11回:ソフト選びにもコツがある!(前編)
~ダウンロード前に見分けよう~

(01/04/02)

片っ端から試してる?

 桜前線が北上中の日本列島はようやく春らしい季節を迎えている。近所のスーパーの店頭にも春の野菜やイチゴなどの果物が並び、夕飯の買い物をしているだけでもなんとなく春めいた気分になってくるようだ。ところで主婦や自炊派の人なら、野菜や果物にもたくさんの中から新鮮でおいしいものを見極めるポイントがあることはご存じだろう。例えばジャガイモなら色が淡く、皮が薄くはがれているようなものは今年の新ジャガでおいしく、色が濃くて表面にシワがいっているようなものは去年から長く貯蔵されていて味が落ちると言われている等々。同じようにオンラインソフトの世界にも、ソフト選びのポイントがいくつかあるように思う。

 そこで今回のよもやま話では、たくさんある同種のオンラインソフトの中から自分に合ったものを、ダウンロードやインストールの前にある程度見分けるコツについて書いてみようと思う。もちろんまず窓の杜のような厳選ライブラリサイトから探すことは重要だが、それでも見つからなかったり同じジャンルに多数のソフトが登録されている場合に、効率よく探せれば時間の無駄がなく手間もかからない。ぼくの経験に基づいたものなので必ずしも当てはまらない場合はあるだろうが、パソコンを最近始めた人やソフト選びに失敗した経験が多い人の、少しでも参考になれば幸いだ。

ダウンロード前のチェックポイント

 まずはダウンロード前にチェックしておきたいポイントをあげてみよう。ソフトをダウンロードする前に作者のホームページをざっと見るだけでも、実にさまざまなことが推測できる。

1. 作者によるソフト紹介文

ダウンロードの前に作者のホームページを見てみよう
ダウンロードの前に作者の
ホームページを見てみよう
 作者の運営しているホームページがあれば、作者自身によるソフト紹介文をきちんと読んでみることだ。プレゼンテーションのうまい作者なら、ヘルプファイルの構成や説明も上手なことが期待できる。ソフトの使い方がわからなくて困ったとき、ヘルプの内容によってはよけいに頭が混乱することもあるから、作者が自分のソフトについてツボをおさえて説明できているかどうかは大事なチェックポイントになる。

2. 同じ作者が他にもソフトを公開しているか

 多くのソフトを公開している作者ほど、それだけソフト開発やサポートに慣れている可能性が高いと言える。もちろんソフトの内容にもよるので、たとえば単機能のミニツールばかりをやたらたくさん公開しているような場合は考えものだが、そういった特殊な場合を除けば概して公開ソフトの数は作者の開発経験や力量に比例すると思っていい。

3. 作者ホームページのできばえ

 ソフトのデザインセンスやユーザーインターフェイスの良し悪しは、ホームページのデザインや見やすさにも自然に反映されるものだ。すっきり洒落たデザインのホームページなら、ソフトのほうも同じくデザインがよくてスマートな使い勝手が期待できる。逆にやたら画像が多くて重いWebページだったり、Webコンテンツもどこに何があるかわかりにくいなら、ソフトのほうでもプログラムソースに“ぜい肉”が多くて処理速度が遅かったり、メニュー構成がわかりにくい可能性がある。

4. サポートBBSでの反響

 実際に使ってみたユーザーのカキコミを読むことは、非常に参考になるので見逃さないようにしたい。また、ユーザーからのカキコミに対する作者の対応から、作者がどれくらい力を入れてそのソフトを開発しているか、作者の姿勢などもわかるだろう。もし作者ホームページにサポートBBSがあるなら、ぜひおさえておきたいチェックポイントだ。

5. 作者プロフィール

 ホームページに作者が自分のプロフィールを載せているなら要チェック。作者のソフト開発歴や作者の開発環境がわかれば、作者にどの程度の力量があるのかだいたいの予想がつく。もちろん開発歴が長ければいいというものではないが、一般的な目安にはなるだろう。

6. ファイルサイズ

ファイルサイズや添付説明書にある更新履歴も要チェック
ファイルサイズや添付説明書
にある更新履歴も要チェック
 開発が進んで高機能になればなるほど一般的にはファイルサイズが大きくなっていくものだから、ファイルサイズもある程度の判断基準になる。一般的には、独立したWindowsアプリケーションなら圧縮された配布ファイルの状態でだいたい100キロ~2メガバイトくらいが標準的なファイルサイズの範囲と思っていいだろう。それより大きすぎたり小さすぎるときは要注意。ただしそのソフトで何ができるのか、機能とファイルサイズを比較することが大切だ。また、ファイルサイズが数メガバイトとデカい割にソフト紹介でうたっている機能が少ないものは、プログラム本体は数10キロバイトしかなく、ただ巨大なVBランタイムが同梱されているだけという場合もある。

7. バージョン番号と更新履歴

 ソフトのバージョン番号が大きいほど一般的に完成度が高い傾向にある。当り前のことだが、バージョンアップによって不具合が修正され、新たな機能も追加されるからだ。もちろんバージョン番号の付け方は作者によってそれぞれなので、更新履歴を見ることを忘れずに。更新履歴はどちらかといえばユーザーがあまり意識せず読み流していることが多いように思うが、「ローマは一日にしてならず」ということわざの通り、優れたオンラインソフトにはそれなりの歴史があるものなのだ。

ダウンロード後のチェックポイントもある

 以上、オンラインソフトのダウンロード前にチェックしておきたい点を、思いつくところでザッとあげてみた。このほかダウンロードした後にも、配布アーカイブを解凍して実際にインストールする前に気を付けておきたいポイントはいくつかある。一方、今回あげたチェックポイントで悪い方にひっかかってしまうソフトでも、たとえば過去に窓の杜大賞を受賞したようなものや、定番と呼ばれるものはあったりする。そこで次回のよもやま話では、ダウンロード後に行いたいチェックのポイントと、オンラインソフトを見分ける上で注意すべき点などについて書く予定だ。どうぞお楽しみに。

(ひぐち たかし)

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