【第128回】
育成型アクションRPG「フラン」
記憶を失った美少女天使を育てる育成型RPG!?
(01/04/18)
「なんか最近、おもしろいRPGがないな」と感じている人は、案外多いんじゃないだろうか。たしかに現在もそれなりのタイトルが発売されているし、実際売れているものも多い。だが、なんとなく「違う」感じがするのは筆者だけだろうか? 80年代末、当時のパソコンはいまよりもずっと非力で表現力も乏しかったが、本気で熱くなれるRPGがいくつもあった。「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」の第一作が発売されたのもこのころで、各社から様々なタイトルが発売されていた。思えば、あのころが和製RPGの絶頂期であり、一番輝いていた時代だったのかもしれない。
いきなり古い話で申し訳ない。今回紹介する「フラン」をプレイしているうちに、なんとなく懐かしい気分になってしまったのだ。この作品は、和製RPGならではの軽快な操作感と、レベルアップの楽しみを感じさせてくれる。
美少女天使を救うために、少年は旅立った
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龍に乗って戦う二人の天使。その争いは地上世界にまで及んだ
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物語は、主人公の少年セディが近所の森で意識不明の少女を発見するところからはじまる。家に連れ帰って看病するが、一向に意識を取り戻さない。いったいなぜ森に倒れていたのかもわからない。どうすればいいのか困り果てたセディのもとに、ルビーと名のる妖精が現れ、その少女が実はフランという名の天使であること、そして羽を失ったために記憶や感情までもなくしてしまったことを話す。フランを元どおりの状態に戻すには、地上世界に散らばった天使の羽をすべて回収するしかないらしい。ちょっと強引な設定だが、かくしてセディは、フランを回復させるために冒険に旅立った。
操作はシンプル。画面表示も見やすい
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すべての知識と感情を失ってしまった美少女天使フラン
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散らばった天使の羽のせいで、モンスターが跋扈するようになった
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ダウンロードしたファイルを実行すると、“fran taiken”というフォルダが自動的に作られる。その中の“fran.exe”をダブルクリックしてデモ版を起動しよう。メインメニューが表示されたら“New Game”を選択すると、オープニングムービーのあとにシナリオの導入シーンが表示され、続いてゲームが始まる。以後、プレイヤーは主人公セディを操作してモンスターと戦い、記憶を失った天使フランを回復させるべくシナリオを解くわけだ。キャラクターの操作方法は下記のとおり。
移動 | カーソルキー、左クリック |
攻撃 | 接近して[Enter]キー、または敵に体当たり |
魔法のターゲット設定 | 相手を左クリック |
魔法の使用 | 右クリック |
メニュー表示 | スペースバー |
中断 | [Esc]キー |
キャラクターの移動は8方向で、たとえば[↑]と[←]を同時に押せば、左斜め上に移動することができる。武器による攻撃は、そのまま相手に体当たりすればOK。魔法による攻撃は、敵にマウスポインタを合わせて右ボタンをクリックするだけ。こんな感じで操作はとてもシンプルなので、誰でもすぐに楽しめると思う。
画面表示もわかりやすい。左下に表示されている赤いハートは、セディのヒットポイントの残量。右下の緑の玉は、マジックポイントの残量。戦闘に勝って拾った羽根は、赤いハートと緑の玉の間に色分けして表示される。レベルアップに必要な経験値は“Next EXP”として表示されるので、これを目安に戦うといいだろう。失われたヒットポイントとマジックポイントは一定の割合で自然回復するが、もちろんアイテムを使って補うこともできる。
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フランを元の状態に戻すため、主人公セディは冒険に旅立つ
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ラッセルの森に巣食うモンスターを倒せ!!
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ラニアン村の武器屋は、なぜかビキニのお姉さま
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主人公セディに与えられた最初のシナリオは、ラッセルの森の奥に棲むモンスターを倒すこと。家を出たら道なりに進むと、最初の村ラニアン村にたどり着くはずだ。村長と話をすると、ラッセルの森に続くゲートを通過できるようになる。セディは最初なんの武器も持っていないが、ゲートを守る門番が使い古しのバトルナイフをくれるので、ありがたく使わせてもらおう。ラニアン村の武器屋では鎖かたびらを500Gで売っているので、所持金全額を使って購入する。どちらもそのままでは未装備なので、メニュー画面から“情報&装備”を開き、きちんと装備すること。
ゲーム序盤は魔法で戦うべし
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道具屋でアイテムを購入。もちろん不要なものを売ることもできる
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セディは最初、情けないほど弱い。スライム相手にてこずる始末なので、無理な戦闘は避けたほうが賢明だ。ある程度レベルが上がるまでは、魔法攻撃で確実に経験値を稼ごう。離れた場所からマウスの右クリックで攻撃。十分に間合いを取って、接近戦にならないよう注意すること。もしダメージを受けたら、すぐにその場を離れて、ヒットポイントが回復するのを待つ。レベルが3~4つ上がるころには、それなりにゴールドも貯まるので、ラニアン村の武器屋でバトルダガーを購入しよう。その後レベル5に達すれば、ラッセルの森の奥で待つ最初のボスキャラとも十分戦えるはずだ。
和製RPGのよいところを継承
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ラッセルの森で待ち受ける最初のボスキャラはゴーレムだ
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なんか、しみじみとイイ。ポリゴングリグリのゲームを見慣れてしまった人には地味に、あるいは古くさいデザインに感じるかもしれないが、それはゲーム性を語る上で本質的な問題ではない。「フラン」はバランスも良好で、ほどよい緊張感と成長が楽しめる。キャラクターもかわいいし、プレイ中に流れるBGMも素晴らしい。和製RPGの優れたプレイスタイルと操作性を引き継いだ、秀作だと思う。
ただ、肝心のストーリーについては、さすがに今回のデモ版だけでは判断することができなかった。回復するにしたがって、少女フランはどんな変化を遂げるのだろうか? 苦しい冒険に見合う、大団円が待っているのだろうか? 利用できる武器やアイテムは魅力的か? セディの行く手を阻むボスキャラの攻撃はどうか? 製品版が発売されたら、ぜひプレイしてみたい。
ホームページにはカレンダーや壁紙も掲載
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妖精ルビーとともに、セディの冒険は続く
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デモ版では、このゲームの第一章をプレイすることができる。オープニングムービーからフランとセディの出会い、冒険への旅立ち、そして最初の目覚め。プレイ時間にして、約1時間というところだろうか。ほんの冒頭部分だが、それでもキャラを育てる楽しみや、軽妙な会話、アイテムや武器の購入、登場人物たちの過去や人間関係を体験することができると思う。美しいBGMを楽しむこともできるので、ぜひ一見をおススメしたい。「フラン」のホームページからは、デモ版のほか、超美麗なカレンダーや壁紙もダウンロードできる。
製品版は、4月20日に発売の予定。Windows 95/98/Me/2000に対応で、価格は8,800円。店頭販売のほか、エグゼクリエイトのホームページから通販で購入することも可能だ。
発売元 | エグゼクリエイト |
価格 | 8,800円 |
発売日 | 4月20日発売予定 |
(Frane.exe、37.0MB、ゲームデモ)
□「フラン」のホームページ
http://www.exe-create.co.jp/pc_game/pc_game.htm
□「フラン」体験版のダウンロードページ
http://www.exe-create.co.jp/download/karenda/karenda.htm
(駒沢 丈治)
お詫びと訂正:
記事掲載時に「ルピーと名のる妖精」とお伝えいたしましたが、「ルビーと名のる妖精」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
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