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【第129回】

アクションRPG「LEGENDS of Might and Magic」

あの本格派RPGが新しい進化を遂げた!!

(01/04/25)

タイトル画面

 一般にコアな作品ほど「好き」「嫌い」が強く分かれるものだが、その中でもたぶん本格派のファンタジーRPGとして知られる「Might and Magic」は別格の存在だ。好きな人はとことん好きだが、逆に、あわない人にはとことんあわない。筆者の場合は後者で、実はいままで「Might andMagic」シリーズをキチンとプレイしたことがない。15年前に発売された最初の「Might and Magic(APLLE II版)」があまりにもツラ過ぎて、以後正面から向きあうことができなかったのだ。とんでもなく広いマップと無数のクエストに阻まれ、途中でリタイアせざるを得なかった。「こんなにキツいゲームをプレイするなんて、アメリカのゲーマーはスゴすぎるぜ…」と、ひどい挫折感を味わったことをいまも覚えている。今回紹介する作品は、その「Might and Magic」シリーズの最新作。古傷を探られるようでちょっと痛みを感じるが、それはそれ。とにかくプレイしてみよう。

アクション性とマルチプレイを取り込んだシリーズ最新版

攻撃用のキーをアサインする
プレイを始める前に、“OPTIONS”を開いて攻撃用のキーをアサインする

 「Might and Magic」というのは、作品名というよりも一種のブランド名で、ゲームデザインは時代とともに大きな変化を続けてきた。初代の「Might and Magic」は3DダンジョンRPG「ウィザードリィ」のような作品だったが、その後リアルタイム3Dダンジョン「ダンジョンマスター」に似たアニメーション付きのRPGになり、さらに3D表示のリアルなRPGへと進化した。今回紹介する「LEGENDS of Might and Magic」は、すでに発売されているネットワーク対応型マルチプレイRPGの影響を強く受けた作品で、画面表示や操作方法は3Dシューティングアクションの「QUAKE」や3DマルチプレイRPGの「EverQuest」に近い。「Might and Magic」の世界観を継承しつつ、アクション性やマルチプレイの楽しさを取り込んだ作品となっている。

まずはスタンドアロンで練習を

選べるキャラクターのクラスは6種類。武器や装備もそれぞれ異なる
選べるキャラクターのクラスは6種類。武器や装備もそれぞれ異なる

 「LEGENDS of Might and Magic」は基本的にマルチプレイが前提になっているが、いきなり他のプレイヤーと一緒に戦うのは大変だし、迷惑をかけることにもなりかねない。まずはシングルプレイでキャラクターの操作を覚え、それからエントリーしたほうがいいだろう。メインメニューから“Game”→“PRACTICE OFFLINE”を選び、ゲーム設定画面が表示されたら2つのマップ「Rescue at the Ruins」と「Temple of Bark」のどちらかを選んで、画面左下の“GO”ボタンをクリック。初期設定では「Rescue at the Ruins」が選ばれているが、筆者としては、次々にいろいろなモンスターが現れる「Temple of Bark」のほうをおススメしたい。

 プレイが始まると、まず最初にキャラクターのクラス(職業)選択画面が表示される。パラディン(聖騎士)、ドルイド(ケルト僧)、ソーサレス(魔術士)、ウォーリアー(戦士)、ヘラティック(異教の戦士)、アーチャー(弓使い)の6種類だが、それぞれ攻撃方法や装備できるアイテムが違うため、自分の戦い方にあったキャラクターを探すといいだろう。ちなみに前の3クラスが「Good(善)」の属性、残りが「Evil(悪)」の属性で、これはマルチプレイで戦う際のチーム編成に影響する。「善」は「善」、「悪」は「悪」のキャラクターとしかチームを組めないため、注意すること。

ラッセルの森に巣食うモンスターを倒せ!!

廃墟を舞台に戦う「Rescue at the Ruins」
廃墟を舞台に戦う「Rescue at the Ruins」。映像のクオリティは高い
襲いかかるリザードウォーリーアー。凄まじい迫力だ!!
襲いかかるリザードウォーリーアー。凄まじい迫力だ!!

 プレイが始まったら、キャラクターを移動させて周囲を散策してみよう。操作方法は下記のとおりだ。

視点の変更/照準マウス移動
キャラクターの移動[A]/[D]/[W]/[S]キー、またはカーソルキー
ジャンプスペースバー
武器の切り替えフルキーの[1][2][3][4]
ショップでの購入[B]キー
キャラクターの切り替え[?]キー
終了[Esc]キー

 移動や視点の切り替えは、アクションRPGやアクションアドベンチャーでおなじみのスタイルなので、戸惑うことはないだろう。なお初期設定では攻撃用のキーが設定されていないため、“OPTIONS”の“CONTROLS”で、戦いやすいキーを登録すること。筆者はプライマリーウェポンを[Z]キー、セカンダリーウェポンを[X]キーに設定したが、もちろんこれ以外の設定でもOKだ。

 “PRACTICE OFFLINE”モードでは、自分以外のキャラクターはすべてNPCなので、思うままに行動して構わない。いろいろなキャラクターを演じて、それぞれの特徴や武器の効果を試してみよう。


こちらはスケルトンの兵士。それほど強くはないが、2~3体で攻撃してくる
こちらはスケルトンの兵士。それほど強くはないが、2~3体で攻撃してくる


やっぱりマルチプレイが楽しい!!

インターネット経由で3DOの公開サーバーにアクセス
インターネット経由で3DOの公開サーバーにアクセス
 ある程度操作に慣れてきたら、インターネット経由のマルチプレイにトライしてみよう。メインメニューから“Game”→“join”の順に開いてホスト検索画面が表示されたら、青色の“internet”タグをクリックする。時間帯にもよるが、3DOが提供するサーバーを含めたいくつかのホストが表示されるはずだ。“Players”に空きがあるところを選び、画面左下の“GO”ボタンをクリックする。おっと、その前にプレイヤーネームを入力することを忘れないように。

 “Game type”のところに“Sword”と表示されているものは、シナリオ「Temple of Bark」のマップ。“Princess”と表示されているものは、シナリオ「Rescue at the Ruins」のマップ。どちらも善チームと悪チームの対決が目的だが、マップの広さがだいぶ違うため、仲間と協力してモンスターと戦いたいのなら“Sword”を、敵チームとのバトルを楽しみたいのなら“Princess”を選ぶといいだろう。

先入観ナシで、とりあえず楽しんでみよう

チームメイトと一緒にダンジョンを散策
チームメイトと一緒にダンジョンを散策。はぐれてしまわないように気をつけよう
 なかなかおもしろい。「EverQuest」など最近主流のマルチプレイRPGっぽいスタイルになってしまったため、コアな「Might and Magic」ファンから見れば“らしくない”作品になってしまったかもしれないが、そのぶん戦闘シーンの迫力は増している。この際「Might and Magic」というタイトルは忘れて、何の先入観ももたずに派手なバトルを楽しんでみてはどうだろうか。「Might and Magic」にはつらい思い出しかなかった筆者も、ふと気が付くと、本気で戦っていた。スピード感のある戦闘と美しい映像が、これまでの作品とはまったく違う、新しい「Might and Magic」の世界を造り出している。

製品版はまもなく登場の予定!!

累々と重なる屍の山。難易度はかなり高い
累々と重なる屍の山。難易度はかなり高い

 公開されたデモ版でプレイできるのは、先ほども書いたように、「Rescue at the Ruins」と「Temple of Bark」の2シナリオのみ。といっても「Temple of Bark」のマップはかなり広いし、6種類のクラスすべてを演じることもできる。シングルプレイはもちろん、公開されているサーバーを使ってマルチプレイで戦うこともできるため、かなり本気で楽しめるはずだ。ダウンロードする価値は十分あると思う。とくに「EverQuest」が好きな人に、ぜひ一見をおススメしたい。

 製品版(英語版)の発売は今年の第2四半期、つまり4~6月の間に予定されているが、このクオリティでプレイできるのであれば、十分期待できそうだ。「LEGENDS of Might and Magic」は、ネットワーク対戦型のマルチプレイRPG界に新たな旋風を巻き起こす作品になるかもしれない。

発売元The 3DO Company
価格39.95ドル
発売日近日発売予定

(LegendsFirstLook.exe、82.4MB、ゲームデモ)

□「LEGENDS of Might and Magic」のホームページ
http://www.3do.com/mightandmagic/legends/
□「LEGENDS of Might and Magic」のダウンロードページ
http://www.3do.com/mightandmagic/legends/firstlook.html

(駒沢 丈治)


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