【第130回】
開拓シミュレーション「THE SETTLERS IV」
土地を切り拓き、兵を育成して最強の国家となれ!!
(01/05/09)
育成型シミュレーションにも様々な作品があるが、もっともポピュラーなジャンルが、未開の地に街や国家を建設する都市建設型のシミュレーションゲームだろう。この分野の先駆けとなったウィル・ライトの「シムシティ」、シド・マイヤーの「シヴィライゼーション」、マイクロソフトの「エイジ・オブ・エンパイア」、古代ローマをモチーフにした「シーザー」、日本ではアートディンクの「A列車で行こう」シリーズなど、ビッグタイトルがいくつもある。戦闘目的のものとそうでないものがあるが、共通しているのは、プレイヤーが自由に建造物を配置し、思うままの街をデザインできるという点だ。今回紹介する「THE SETTLERS IV」も、こうした都市建設型シミュレーションのひとつ。ドイツのソフトハウスBlue Byteが製作するこのシリーズは世界的にも人気があり、いまや定番となりつつある。
未開の地に殖民し、強い国家を育てるゲーム
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テュートリアル2本、シングルプレイ1本、マルチプレイ2本をプレイできる
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あまり耳慣れない言葉かもしれないが、「Settler」というのは「開拓者」や「移住者」という意味。その名のとおり、この「THE SETTLERS IV」は未開の地を開拓し、強い国家を建設するシミュレーションゲームだ。マップを斜め上から見おろすクォータービューの画面なので、一見するとマイクロソフトの「エイジ・オブ・エンパイア」に似ている。実際、中身も似ていて…どちらがどちらに似ているかはともかく…プレイがリアルタイムで進行すること、複数の集団が互いの存亡を賭けて戦うことなど、共通点も多い。食料や武器を生産し、兵力を蓄え、敵対する集団をすべて滅ぼし、最後まで生き残ることができれば勝ちだ。
まずはテュートリアルで操作を覚える
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テュートリアルでは操作の基本を学ぶことができる。面倒くさがらずにぜひ!!
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メインメニューが表示されたら、まず手始めにテュートリアルから始めてみよう。“Tutorial”ボタンをクリックすると、“Tutorial 1”と“Tutorial 2”の2つが表示されるはずだ。“Tutorial 1”では操作の基本、“Tutorial 2”のほうではユニットの移動と建築について、それぞれ対話形式で覚えることができる。表示されるメッセージに従ってマウスを操作すれば、自然に覚えられるはずだ。英語を読むのがちょっと大変だが、ここで説明されることはとても重要なので、最後まで消化することをおすすめしたい。正しく操作すれば、いずれも2~3分程度で完了すると思う。ちなみに、操作はすべてマウスのみで行うことができる。
画面の移動 | 右ボタンドラッグ |
ユニットの選択 | 左クリック |
ユニットの選択解除 | 右クリック |
ズームイン/ズームアウト | 両ボタンを押しながらドラッグ |
兵士のユニットは、範囲指定でまとめて選択することも可能。建物の建築や生産物
の指定などは、画面左側のコマンドメニューを使う。
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メッセージに応えながら、対話形式でお勉強。所要時間は2~3分
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敵対するバイキングを倒せ!!
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シングルプレイでは、敵対するバイキングを殲滅するのが目的だ
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テュートリアルで基本的な操作を覚えたら、シングルプレイに挑戦してみよう。メインメニューから“Single Player”をクリックすると、シナリオの解説画面が表示される。あれこれ書かれているが、このシナリオの目的はマップ右上、つまり北西の位置に上陸したバイキングの集団を排除することだ。プレイヤーが操作する種族はマップの左下に登場するので、まずはこの地で必要な物資と兵力を蓄え、徐々にその領土を広げ、最後は兵を率いて敵地に乗り込む流れになる。
スタート直後は軍事用の塔が3つあるだけなので、画面左側のコマンドメニューから“Build Menu”を開き、産業の基礎となる“Basic Buildings”を建築するところから始めよう。きこり小屋(Woodcutter's Hut)と丸太を木材に変える製材所(Sawmill)、伐採した場所に再び植林する営林所(Forester's Hut)を、森の近くにまとめて建てる。木材は需要が高いので、できれば2カ所に置きたい。続いて、岩場の側に採石所(Stonecutter's Hut)を建てる。採石所のほうはひとつで十分だ。しばらく待ってある程度木材と石材が蓄えたら、“Food Buildings”を建てる。平地を選んで穀物農場(Grain farm)を2~3カ所つくり、その近くに製粉所(Grain Mill)とパン工場(Bakery)を建てる。パンを焼くには水も必要だ。小川の側に浄水所(Waterworker's Hut)を建てよう。肉と魚を得るために、ブタ小屋(Pig Ranch)や製肉所(Slaughterhouse)、漁師小屋(Fisherman's Hut)も建てておくこと。
資源と兵力を効率よく蓄える
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土地を切り拓き、必要な施設をムダなく順番に建てていく
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食料を確保できたら、いよいよ兵力の増強だ。鉱山の上に、鉄鉱石の採掘所(Iron Mine)と石炭の採掘所(Coal Mine)、金の採掘所(Gold Mine)を建設し、その近くに製鉄所(Iron Smelting Works)と金の精錬所(Gold Smelting Works)を建てる。ただし、それぞれの鉱物が採掘できる場所とできない場所があるので、何度か試行錯誤することになるだろう。首尾よく鉄と石炭と金塊が取れるようになったら、工房(Toolsmith's Works)と武器工場(Weaponsmith's Works)を建てる。これらは製鉄所の近くが望ましい。そして最後に、兵の養成だ。養成所(Barracks)を建てると、生産した武器と金塊を消費し、仕事がない市民の数だけ新たな兵を生み出すことができる。
なお、道具と武器、兵の生産は、個別に種類を指定することができる。必要な道具や足りない武器を考えながら、必要なものだけ作るようにしたほうがいい。街や軍隊が大きくなって人手不足になったら、住居(Residence)を建てること。自分の領地の隅に軍事用の塔(Tower)を建てると、さらに領地を広げることもできる。こうしてバランスよく物資を生産し、兵力を蓄え、領土を広げ、戦いに備えよう。
手順や決まりごとが多いが、そのぶん奥の深い作品
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戦闘に備えて兵士を養成。剣士、弓兵、斧を持つ戦士の中から選ぶ
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とてもおもしろい。筆者はこの手の富国強兵型育成シミュレーションが好きなので、すっかり気に入ってしまった。どの順番で、どこに何を建てていくか? いつどのタイミングで兵力を増強して攻め込むか? 戦略の幅が広く、ゲーマーの力量が直接勝敗に結びつくところが楽しい。しかしそのぶんやらなければならないことが多く、「手順や決まりごとの多いゲームはキライ」という人には向かないかもしれない。このデモ版は英語版なので、メッセージを読むのが面倒に感じる人もいるだろう。そんなわけで、かなり“ツウ好み”の作品だが、もしあなたが「エイジ・オブ・エンパイア」や「シヴィライゼーション」が大好きなら、存分にこの楽しさを満喫できるのではないかと思う。
ネットワーク経由のマルチプレイにも対応
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準備が整ったら敵地へ進軍。塔を占領せよ!!
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デモ版でプレイできるのは、テュートリアルが2つとシングルプレイ1マップ、マルチプレイ2マップ。先ほども書いたが、テュートリアルは画面の指示にあわせて操作するだけなので、ゲーム性はほとんどない。シングルプレイについても、本文で紹介したとおりだ。マルチプレイは専用のマップが2画面用意されており、LAN経由のほか、インターネットで対戦することもできる。ただしインターネット対戦を楽しむには、このゲームの製作元であるBlueByteのホームページにアクセスし、IDを発行してもらわなくてはならない。IDの発行は無料だが、13歳以上であることが条件。
英語版はすでに発売されているが、日本国内での販売や移植はいまのところ発表されていない。ただし前作「THE SETTLERS III」はアートディンクが日本語化とその販売を行っているので、ひょっとすると、ひょっとする可能性も。とてもおもしろい作品なので、個人的にはぜひ日本語化を期待したいところだ。
発売元 | Blue Byte |
価格 | 44.99ドル |
発売日 | 発売中 |
(thesettlers4_demo.exe、95.3MB、ゲームデモ)
□「THE SETTLERS IV」のホームページ
http://www.bluebyte.net/settlers4/
□「THE SETTLERS IV」のダウンロードページ
http://www.bluebyte.net/settlers4/products/demo.asp
(駒沢 丈治)
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