Winゲームデモ!


【第140回】

カートレースシミュレーション「open KART」

小さくてもスリルは満点、コレがカートの走りだ!!

(01/07/18)

タイトル画面

 しばらく前に閉鎖されてしまったが、ウチの近所にカート専用のサーキットがあった。週末になるとカートを積んだピックアップを見かけたりして、実はちょっと気になっていたのだが、結局手を出せなかった。カートだけで40万円ぐらいするという話しだし、レンタルで済ませたとしても、走行料や会費でそれなりの費用がかかる。とても半端なキモチで始められる趣味ではない。ところが、担当の編集S氏の話によると、なんとインプレスには社内にカートクラブがあるとのこと!! 「なんだよ、俺も混ぜてくれよ」なんて思いつつ、さてさて、今週はカートレースシミュレーション「open KART」で走ってみますか。

カートってなんだ?

カートのクラスは100cc、125cc、250ccの3種類
カートのクラスは100cc、125cc、250ccの3種類。天候を変えることもできる

 カート(KART)というのは、排気量の小さな4輪車のこと。インディとも呼ばれるCART(Championship AutoRacing Teams)とは別物なので、まずそこを勘違いなきよう。カートの発祥には諸説があるようだが、いずれにしても、1955年前後にアメリカで作られたのが始まりらしい。「子供でも楽しめるモータースポーツ」ということで広まり、実際F1レーサーのほとんどがカートレースの出身だそうだ。専用のコースを走るので免許は不要だが、日本国内で公式レースに参加するためにはJAFのライセンスが必要だ。日本はもちろん、アメリカやヨーロッパにもファンが多く、国際レースも開かれている。今回紹介する「open KART」は、そのカートレースのシミュレーションゲームだ。よくあるスタイルの作品だが、カートならではの軽快な走りを楽しむことができる。

排気量によって3つのクラスに分かれる

服とカートの色を選ぶ
服とカートの色を選ぶ。デモ版ではカートのカスタマイズはできない
同じコースを3周して順位を決める。視点の変更も可能だ
同じコースを3周して順位を決める。視点の変更も可能だ

 デモ版を起動したら、まずプレイヤー名を登録する。メインメニューから“Options”をクリックし、続いて“Video Options”を選択。現在使用可能な3Dエンジンの一覧が表示されるので、その中から一番よいものを選び、同時に解像度も指定しよう。GeForce系のビデオカードなら、T&L対応モードを選ぶことができるはずだ。

 再びメインメニューに戻ったら、“Arcade”→“Basic Race”の順にクリックしてレースの選択画面に入る。カートの排気量によって100cc、125cc、250ccの3つのクラスに分かれているので、その中からひとつを指定する。“Number of laps(周回数)”と“Number of karts(エントリーするカートの数)”、“Wather Forecast(天候)”を選んだら“Race”ボタンをクリックして、いよいよレース開始。キーの設定は下記のとおりだ。

アクセル/ブレーキ[↑]/[↓]キー
ステアリンク[←]/[→]キー
腕を振る[Alt]キー
レポジションスペースバー
後ろを見る[D]キー
視点の変更[C]キー

 “レポジション”は、カートがコースを外れてしまったり、スピンしてしまったときに、コースの中央に戻すために使う。ただし、タイムを2秒前後ロスしてしまうので、このゲームではかなり大きなペナルティになるだろう。


起伏のあるコースが楽しいイギリスのサーキット。風景もきれいだ
起伏のあるコースが楽しいイギリスのサーキット。風景もきれいだ


アクセルとブレーキとハンドルだけ

狭いコースを走るので接触も多い。すばやく姿勢を立て直そう
狭いコースを走るので接触も多い。すばやく姿勢を立て直そう

 カートの最高速度は、排気量100ccのものでも時速100kmを超える。250ccでは200kmに達する場合もあり、実は結構速い。中型オートバイ並みのエンジンを搭載しているのだから、別に不思議でもなんでもないのだが、なんとなく「時速50kmぐらいが限界か?」なんて勝手に思い込んでいたので驚いた。

 また、カートにはトランスミッションがないので、加速/減速はアクセルとブレーキのみ。もちろん、バックすることもできない。そのぶん運転はシンプルで、ようするに「加速するか止まるか」「右か左か」だけという、わかりやすい設定だ。

ただひたすら、ムダのないラインを走ること

屋内に設置されたフランスのサーキット。急なカーブが続くトリッキーなコースだ
屋内に設置されたフランスのサーキット。急なカーブが続くトリッキーなコースだ
 ラップタイムを縮めるコツは、レースゲームの基本を忠実に守ることに尽きる。すなわち、コースを覚えてムダのないラインをとること。そして、コーナーではインを絞ることだ。一度速度を落としてしまうと、スピードを取り戻すまでに時間がかかることを忘れずに。コースアウトやクラッシュは論外と心得よう。

 コースが狭いので、後続車に抜かれないよう前をふさぐことも可能だが、カートの場合、意図的な妨害はマナー違反とされている。シングルプレイで楽しむぶんには問題ないが、マルチプレイでそれをやってしまうとヒンシュクを買うことにもなりかねないので注意しよう。勝負である以前に、カートはスポーツであることをお忘れなく。

想像以上のスピード感とスリルを満喫!!

天候によって、見通しや路面の滑りやすさが変わる
天候によって、見通しや路面の滑りやすさが変わる
 筆者は実物のカートに乗ったことがないので…いやゴーカートに乗った経験はあるのだが、時速100kmを超えるような本格的なものに乗ったことがないので、このゲームがどこまで忠実にカートの走りをシミュレートしているかわからない。しかし、レーシングゲームとしての迫力はなかなかのものだ。ドライバーの視点が低く設定されているために、見た目よりもスピード感があるし、タイトなステアリングもスリルがあって楽しい。T&Lに対応した美しい映像と立体感のあるサウンドも、おもしろさに一役買っていたと思う。とくに、背後から迫る後続車のエンジン音がリアルだった。

製品版では10カ国20コースが用意されている

レース終了後はリプレイモードで再生。こうして見ると、まるで遊園地のようだ
レース終了後はリプレイモードで再生。こうして見ると、まるで遊園地のようだ

 デモ版では“BASIC RACE”の100cc、125cc、250ccの各コースをひとつずつ、つまり3つのコースを試すことができる。排気量によって操作感がかなり違うし、天候も“快晴”“霧”“雨天”の中から指定することができるので、バリエーションのあるレースが楽しめると思う。ネットワークを介したマルチプレイも可能だ。

 製品版では10カ国、計20コースが登録されているほか、250ccクラスで世界大会を転戦する“Career mode”に挑戦することができる。カートのカスタマイズも可能とのこと。2001年5月にリリースということなので、ヨーロッパではすでに発売されているはずだが、日本国内での販売については告知されていない。

発売元Microids
価格オープンプライス
発売日発売中

(openkartdemoinstalllight.exe、38.5MB、ゲームデモ)

□「open KART」のホームページ
http://www.microids.com/english/Gameskarting.html
サーバー混雑のためつながりにくくなっております。

(駒沢 丈治)


Copyright (c) 2001 Microids. All rights reserved.
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