【第118回】
ステージクリア型戦闘シミュレーター「ERROR9」
自動戦闘ロボットを製造して倉庫を奪還せよ
(01/11/09)
戦闘シミュレーションには、戦いの技術を競う戦術級のものと、部隊の生産や配置から考える戦略級のものがある。どちらも楽しいが、腰を据えて遊ぶとなると、やはり後者になるだろう。そこで今回は戦略性をじっくり楽しめるこの作品、「ERROR9」を紹介したい。
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機械兵を製造して戦う戦闘シミュレーション |
「ERROR9」は、自動戦闘ロボット“機械兵”を製造して戦うステージクリア型のシミュレーションゲームだ。それぞれに特徴がある3人の“技術者”に機械兵を作らせて、暴走したコンピューター“ERROR9”が支配する12カ所の機械兵倉庫を順に奪還しなければならない。技術者たちに命令を与えるコマンドモードと機械兵同士が戦う戦闘モードが一定時間ごとに切り替わりながら進行するが、戦闘そのものは自動的に行われるので、いったん戦いが始まると終了するまでの間はただ眺めるだけだ。スピード重視型、破壊力重視型、バランス型というように、性能の異なる機械兵を作る技術者をどう使うか、どのタイミングで命令を与えるか、各面で消費可能な資金をどう配分するかにポイントを置いた、戦略性重視のデザインとなっている。
プレイ画面は縦に3分割されていて、左側が現在選択されている機械兵のステータス。右側が3人の技術者たちのステータス。中央が機械兵を配置するフィールドで、上半分の3列×5段のマス目がERROR9側の陣地、下半分の3列×4段のマス目がプレイヤー側の陣地だ。プレイヤーはコマンドモードの間に機械兵を置きたいマス目を選び、製造する技術者と機械兵のモデルを指定する。戦闘は敵陣にもっとも近い機械兵同士によって最大3対3で行われ、どちらか一方が全滅するか制限時間が過ぎるまで続く。こうして機械兵同士の戦闘が繰り返され、ERROR9側の機械兵すべてを破
壊すれば倉庫の奪還に成功してステージクリアとなる。最終面の第12倉庫を奪還すればプレイヤー側の勝利だ。
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最終面、第12倉庫では強力な機械兵15体が登場する |
各倉庫には、常にERROR9側の機械兵が先に布陣している。したがって、まず短時間で製造できる機械兵を投入して時間を稼ぎ、その間に主力部隊を編成するというのが戦いの基本になるだろう。機械兵の製造や戦闘を繰り返すごとに技術者の能力値がアップし、より強力な機械兵を製造できるようになるが、強力な機械兵ほど完成までに時間がかかる。そのため、ステージが進むにつれて主力部隊の編成が遅れる傾向にあるからだ。また限られた資金を有効に使うためには、ゲーム序盤で“修理”のレベルを上げ、ダメージを受けた機械兵を修理しながら使うことも欠かせない。効率のいい時間稼ぎと主力部隊編成にかかる時間の短縮、そして製造と修理のタイミングを考えてみよう。
当初は単純な消耗戦のように思えたのだが、綿密な戦闘プランが求められることがわかるにつれて、徐々におもしろさが増していく。限られた時間内に次々と命令していかなければならない点も、ほどよい緊張感を感じさせてくれた。シンプルなデザインだが、プレイすればするほどその奥の深さがわかる味わい深い作品だ。ただ中盤、技術者のレベルアップのために無意味な玉砕戦を繰り返さなければならなかったところが残念といえば残念。第9~第10倉庫あたりがもう少し緩めの設定になっていれば、中弛みすることなく一気に楽しめたのではないかとも思う。なお、対応OSは明記されていないが、編集部で試したところ、Windows 98/2000での動作を確認した。
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戦闘は自動的に行われる |
【著作権者】クラフトエム
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】-
【ファイルサイズ】340KB
□craftm
http://hp.vector.co.jp/authors/VA021277/
(三鷹 昭一郎)