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特集

今すぐできるセキュリティ強化方法!

オンラインソフトを使ってユーザー自身が自衛しよう

(02/03/28)

 パソコンに詳しい人もそうでない人も、このところ“ウイルス”、“ワーム”、“クラック”、“セキュリティーホール”といった言葉をよく目にするようになったと思う。これは、ADSLやCATV回線が普及したことでパソコンを常時インターネットに接続できるようになり、ユーザーがインターネットを利用しやすくなったことと同じく、悪意をもつユーザーにとってもインターネットを媒介にしたイタズラが容易になったためだ。そこで今回の特集では、それら悪質なイタズラについての解説を交えながら、イタズラを回避できるオンラインソフトを紹介しよう。

■ Windowsのセキュリティ情報はマイクロソフトのWebサイトでチェックしよう

TechNet Online - Security
TechNet Online - Security
 WindowsなどのOSや、OS上で動作する各種ソフトの不具合を悪用されると、ネットワーク経由でユーザーの個人情報が盗まれたり、ハードディスク内のファイルを勝手に削除されるといった悪質なイタズラの被害を被る可能性がある。このようなセキュリティーホールが発見されると、OSや各種ソフトの開発元がWebサイトなどで不具合についての報告や想定される被害・回避策の提示、修正プログラムの提供を行うことが多い。深刻な不具合の場合は窓の杜でも記事で取り上げることもあるが、Windowsを使うからには、開発元のマイクロソフトのWebサイトに掲載されているWindowsに関するセキュリティ情報をユーザー自身が毎日チェックすることをオススメする。また、自分の使っている各種ソフトのWebサイトも、こまめにチェックするよう心がけよう。

□TechNet Online - Security
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/
□マイクロソフト プロダクト セキュリティ 警告サービス 日本語版のご案内
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin.asp

■ さまざまなWebブラウザーを利用してセキュリティーホールの不具合を回避しよう

 Webブラウザーはユーザーにとってインターネットの窓口といえるが、多くのWindowsユーザーは「Internet Explorer」(IE)や、IEの機能を利用したWebブラウザーだけを使ってホームページを閲覧していることだろう。しかし、普及率が高いから安全なソフトというわけではなく、むしろ悪意あるユーザーがセキュリティーホールを悪用する可能性が高くなる分危険とも言える。特に最新のIE 6ではユーザーの意思に関わらずファイルが自動的にダウンロードされ、なおかつ実行されてしまうセキュリティーホールが報告されているが、未だに修正プログラムが提供されていないため、何の対策もしないままIE 6を使い続けるのは大変危険な状況だ。ダウンロード機能を無効にすれば回避できるのだが、窓の杜などからもファイルをダウンロードできなくなるため、修正プログラムが公開されるまではIE 6の使用を極力控え、他のWebブラウザーを利用してみるのも1つの回避策だ。最近人気があるのはOpera Software ASAの「Opera」やThe Mozilla Organizationの「Mozilla」で、それぞれ独自の表示エンジンを搭載したタブ切り替え型のWebブラウザーのため、IEのセキュリティーホールに左右されることなく利用できる。また、「Netscape」もまだまだ健在だ。

□Microsoft TechNet(Internet Explorerのセキュリティ情報一覧)
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/current.asp?sel_id=032&info=all&opttop=30
□窓の杜 - 【NEWS】IE 6に致命的なセキュリティホール
http://www.forest.impress.co.jp/article/2002/03/20/ie6securitybug.html

【ソフト名】「Opera」
【著作権者】Opera Software ASA(日本での販売権は(株)トランスウエアが所有)
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト(広告非表示版は2,800円~4,800円)
【バージョン】6.01日本語Beta版(02/02/08)

□Opera日本語版 - 日本語版販売元(株)トランスウエア
http://www.jp.opera.com/

【ソフト名】「Mozilla」
【著作権者】The Mozilla Organization
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】0.9.9(02/03/11)

□mozilla.org
http://www.mozilla.org/

【ソフト名】「Netscape」
【著作権者】Netscape Communications Corporation
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】6.2.2(02/03/21)

□Netscape Products at Netscape.com
http://home.netscape.com/download/
□窓の杜 - Netscape
http://www.forest.impress.co.jp/library/netscape.html

■ ダイヤルQ2や国際電話の意図しない接続を防止しよう

 一部の悪質なWebサイトでは、画像やリンクをクリックしたり、Webページを閲覧しただけなのに、ダイヤルQ2や国際電話に勝手に接続して多額な通話料を請求されるといったトラブルが発生することがある。たとえば、アダルトサイトなどを閲覧しているときなどに、専用のダイアルアップ先に接続するプログラムが巧妙な手口でインストールされてしまい、ユーザーが意図していないのにダイヤルQ2や国際電話に接続されてしまう場合が多いようだ。そこでフリーソフトの「No!国際電話」やシェアウェアの「警戒君シェアウェア版」を常駐させておけば、国際電話やダイヤルQ2の電話番号にダイヤルアップ接続しようとしたときに警告ダイアログが表示されるので、意図しない接続を防止することができる。また、知らぬ間にダイヤルアップ接続の設定が追加されたときに警告してくれる機能などもある。そのほか、ダイヤルQ2への接続のみを監視するソフト「ダイヤルQ2接続チェックプログラム」がNTT東日本とNTT西日本のWebサイトで無償配布されている。

【ソフト名】「No!国際電話」
【著作権者】エムソフト
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.10(01/04/12)

□エムソフト ホーム ページ
http://www.emurasoft.com/jp/
□窓の杜 - No!国際電話
http://www.forest.impress.co.jp/library/nokokusaidenwa.html

【ソフト名】「警戒君シェアウェア版」
【著作権者】Taurus(笠井 司) 氏
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】シェアウェア 600円(フリーソフトの「警戒君フリー版」もある)
【バージョン】2.02(01/12/22)

□Taurus' Home Page - LLMS, VB, PC, BCL, 気象, 等
http://user.shikoku.ne.jp/kasai/
□窓の杜 - 警戒君
http://www.forest.impress.co.jp/library/keikaikun.html

【ソフト名】「ダイヤルQ2接続チェックプログラム」
【著作権者】東日本電信電話(株)、西日本電信電話(株)
【対応OS】Windows 95/98
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.02

□NTT東日本:ダイヤルQ2
http://www.ntt-east.co.jp/q2/
□NTT西日本-ダイヤルQ2接続チェックプログラム
http://www.ntt-west.co.jp/q2/

■ 不正なデータ転送はすべてシャットアウトしよう

日本語表示可能なファイアーウォール「Outpost Firewall FREE」

「Outpost Firewall FREE」
「Outpost Firewall FREE」
 常時インターネットに接続していると、外部からネットワーク攻撃(クラック)を受けてパソコンが異常終了してしまったり、パソコンにインストールしているソフトがユーザーの知らない間に個人情報などを外部へ送信するといった被害に遭う可能性が高くなる。それらを防ぐには、インターネットで外部とデータをやりとりするすべての出入口(ポート)を塞ぐ“ファイアーウォールソフト”を利用することが有効な手段の1つだ。一旦すべてのポートを塞いでしまうため、普段使っているメールソフトやWebブラウザーはもちろんのこと、ほとんどのネットワーク関連ソフトがそのままの状態では使えなくなる。特定のポートを必要に応じて開けることでデータの送受信が可能になるわけだが、「Outpost Firewall FREE」ではそのポートを開ける作業を簡単に行えるようになっている。ソフトが外部と通信しようとしたときにソフト名や相手サーバーなどの情報をダイアログ表示し、ユーザー自身が安全と判断して通信許可を選択すると、今後はそのソフトが外部とデータをやりとりできるようになるという仕組みだ。「Internet Explorer」や「ICQ」など著名なソフトの場合は、あらかじめ用意されているプリセットを使って、より安全な状態で通信させることもできる。また、海外製ソフトながらメニューやダイアログのメッセージを日本語で表示できるため、初心者でも難なく使うことができるだろう。

【著作権者】Agnitum, Ltd.
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.0.1511(02/03/12)

□Agnitum Ltd.
http://www.agnitum.com/
□窓の杜 - Outpost Firewall FREE
http://www.forest.impress.co.jp/library/outpostfirewallfree.html

■ ウイルス対策ソフトを必ず使おう

ウイルス対策ソフトメーカー各社で無償配布されているウイルス駆除ツール

 半年ほど前に流行った「Nimda」や「BADTRANS.B」を筆頭に、近年はメールソフトなどを媒介して感染するウイルスが流行っている。感染するとウイルス感染したメールを勝手に送信してしまうため、さらに被害が拡大してしまう恐れがある。ウイルス感染を防ぐには、メール添付されたファイルをみだりに開いたり、怪しげな経路で入手したソフトを使用してはならない。ウイルスによっては駆除ツールがウイルス対策ソフトメーカー各社から無償配布されているものもあるので、万一感染してしまった場合には各社のWebサイトで探してみるといい。また、知り合いからウイルス感染したメールが送られてきた場合も慌てずに、それらのツールが入手できるURLを教えてあげるといいだろう。ただし、いずれの駆除ツールも感染そのものを防ぐ機能を備えておらず、また、すべての種類のウイルスを駆除できるわけではないため、無償のウイルス駆除ツールの利用はあくまでも暫定的な解決方法に過ぎない。ウイルスに万全の体制で臨むなら、ウイルス対策ソフトの導入を検討しよう。

□Trend Micro Incorporated(トレンドマイクロ(株))
http://www.trendmicro.co.jp/virusinfo/freetool.asp

□Symantec Security Response((株)シマンテック)
http://www.symantec.co.jp/region/jp/sarcj/download/jp/JP-MU.html

フリーながら市販ソフトと比べても遜色のないウイルス対策ソフト「AVG」

「AVG」v6.0 Free Edition
「AVG」v6.0 Free Edition
 感染力の強い新種のウイルスが次々に蔓延するという現状では、ウイルスの被害を被らないために、何らかのウイルス対策ソフトをインストールしておき感染を予防する必要がある。「AVG」のFree Edition版は、常駐してウイルスの侵入を監視できるほか、ファイルやフォルダを右クリックしてスキャンしたり、未知のウイルスを検出する機能を備えるなど、フリーソフトながら市販のアンチウイルスソフトと比べても機能に遜色がない。また、パターンファイルも随時更新されており、パターンファイルの自動アップデートも可能なので、最新のウイルスに対する防御も期待できるのでオススメだ。ウイルスに感染するとハードディスクをフォーマットされてしまったり、ハードディスク内に保存している重要書類などを勝手にメールで送信されてしまうなど、甚大な被害を被ってしまうこともある。もちろん信用問題にも大きく関わるため、パソコンを利用する際はウイルス対策ソフトを必ず常駐させて自衛しよう。

【著作権者】Grisoft, Inc.
【対応OS】Windows 95/98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】6.0 Free Edition

□AVG Anti-Virus System Main Page
http://www.grisoft.com/

市販のウイルス対策ソフトもオンラインで即座に購入できる

 電話やメールで日本語のサポートを受けたい人は、オンラインで購入できる日本語のウイルス対策ソフトを使用しよう。トレンドマイクロ(株)の「ウイルスバスター2002」や(株)シマンテックの「Norton AntiVirus 2002 for Win」は体験版をダウンロードでき、購入前に30日間試用できる。また、ソースネクスト(株)の「McAfee.com ウイルススキャンオンライン」は体験版がなく、ダウンロード販売されている。いずれのソフトもパソコンショップに行かなくてもオンラインで購入でき、ダウンロード後にすぐに利用することが可能だ。英語に自信がなかったり、手元のファイルが新種のウイルスに感染してしまったかどうかを調べるサービスを日本語で受けたい場合には、これら日本語のウイルス対策ソフトを使用するといいだろう。ただし、メーカーによってはパターンファイルの更新期限やサポート期限が異なるので、自分にあったものを選ぼう。

「ウイルスバスター2002」

□トレンドマイクロ(株)(「ウイルスバスター2002」)
http://www.trendmicro.co.jp/online/dl_what.asp

「Norton AntiVirus 2002 for Win」

□(株)シマンテック(「Norton AntiVirus 2002 for Win」)
http://shop.symantec.co.jp/DownLoadList.asp
□symantec 体験版のダウンロード
http://www.symantec.com/region/jp/trial/nav.html

「McAfee.com ウイルススキャンオンライン」

□ソースネクスト(株)(「McAfee.com ウイルススキャンオンライン」)
http://www.sourcenext.com/event/web/002.html

(竹元 克己)

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