週末ゲーム
 

【第136回】

慣性を利用した操作勝負の3Dアクションゲーム「噴式」

慣性を味方につけてスイスイ滑るようにプレイしよう!

(02/05/17)

 アイススケートや氷上をスリップしたクルマのように、接地面との摩擦が少ない物体の動きの多くは、慣性の法則によって支配される。一度動き始めると簡単には止まらないし、進む速度や方向は加わった力の合力…つまりベクトルで決まるわけだ。今回はこの慣性の法則を積極的に取り入れたアクションゲーム、「噴式」をご紹介しよう。

タイトル画面
タイトル画面

 「噴式」は、前後にロケットエンジンがついた箱を操作して、摩擦のない床の上をツルツルと滑っていく3Dアクションゲーム。上下のカーソルキーを押す時間でロケットエンジンの噴射量を調節し、箱を加速・減速させながらマップ内に散らばっている宝石を全て回収すればクリアとなる。直線的に移動したい場合はロケットエンジンの制御だけで十分だが、エンジン噴射中に左右のカーソルキーを押して向きを変えることによって、曲線での移動も可能になる。用意されているマップは全部で24面で、各面を短時間でクリアするほど、多くの賞金を稼ぐことができる。ゲーム後半では稼いだ賞金を使って様々なアイテムを購入し、箱をパワーアップすることも可能だ。

 このゲームの特徴は、慣性があるということ。一度動き出すと、自然には止まらない。止まったりスピードを落としたい場合は、台の前後に付いているロケットエンジンを噴射させて制動を掛けなければならず、ほんのわずかな操作ミスが原因で壁に激突してしまうこともある。ブロック塀や障害物が設置されている面もあり、これらにちょっとでも触れてしまうと即ゲームオーバーとなってしまう。塀や障害物をどうやって避けるかも難しいところだ。最初の10面をクリアすると、パワーアップ用のブースターや緊急停止用のアイテムを手に入れることができるようになるので、これらを有効に利用しよう。

各面ごとに、クリアしたタイムが記録される
各面ごとに、クリアしたタイムが記録される

 操作のコツは、慣性を把握すること。逆噴射を使って無理に停止するのではなく、むしろスピードを落とさず滑り続けることを考えたほうがクリアできることが多い。直線的な移動ではなく、曲線で移動する。これが「噴式」の極意ではないかと思う。もうひとつは、通路の途中で待ち構えている監視用のロボットを、上手におびき寄せること。ロボットの位置をちょっとずらすだけで、簡単にクリアできてしまう面もある。ロボットの監視範囲に入ったらすぐに後退して、ジリジリとおびき寄せよう。

 現在19面までクリアすることができたが、次の20面で行き詰まってしまっている。この面は回転する棒が行く手を阻み、そこを抜けるためには緻密な操縦が求められるからだ。ちょっと悔しいが、実力で突破するのではなく、緊急停止用のアイテムを使ったほうがいいのかもしれない。こんな具合に解決策がひとつとは限らないところも、「噴式」のおもしろいところ。なお、この作品はエンターブレインがオリジナルゲームを対象として開催したコンテスト、「第5回エンターブレインゲームコンテスト」のオリジナルプログラム部門で最優秀賞を受賞した作品。慣性を利用したゲームのアイディアが評価されたとのことだ。

フワフワと浮かぶ台に乗って宝石を集める
フワフワと浮かぶ台に乗って宝石を集める

【著作権者】えむじぇい 氏
【対応OS】Windows 95/98/2000
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.00(02/03/26)
【ファイルサイズ】620KB

□嘘まみれ
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Bingo/8258/
□エンターブレインゲームコンテストのホームページ
http://www.enterbrain.co.jp/gamecon/

(三鷹 昭一郎)

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