.
PickUP

オールインワンのWeb3D制作環境「DigitalLoca」v3.0

モデリングからオーサリングまで「MatrixEngine」対応のWeb3Dコンテンツを作成

(02/05/27)

「DigitalLoca」v3.0は、モデリング、テクスチャー設定からスクリプティングまでオールインワンな制作環境だ
「DigitalLoca」v3.0は、モデリング、テクスチャー設定からスクリプティングまでオールインワンな制作環境だ

 Webブラウザー上でゲームやアニメーションなどの3Dコンテンツを表示する“Web3D”には、建築物や街並みのウォークスルー(人の歩く視点からの3D表示)によく使われる“VRML”、Shockwave Directorに3D表示機能を持たせて3Dゲームやプレゼンテーションなどに使われる“Shockwave 3D”など、数多くの技術がある。ネットディメンションの「MatrixEngine」もWeb3D技術のひとつ。DirectX 7以降を利用したリアルタイム3D CGアニメーションやJPEGなどの静止画、AVI、QuickTime、Flashなどのムービー、MP3サウンドなどを表示することができる。マウスやキーボードでの操作にも対応しており、インタラクティブなプレゼンテーションやゲームなどの用途で活用されている。「MatrixEngine」サイトのギャラリーページでは格闘ゲームやアクションゲームなどが公開されている。

□DigitalLocaギャラリー
http://matrixengine.jp/gallery/dloca_gallery_fr.html

素材である“キャスト”は“スコア”上でアニメーション設定を行なう
素材である“キャスト”は“スコア”上でアニメーション設定を行なう

 今回紹介する「DigitalLoca」は「MatrixEngine」用のコンテンツを作成するための専用制作環境だ。利用するには、Windows 95/98/Me/2000/XPに対応し、DirectX 7以降とQuickTime 5以降が必要になる。「DigitalLoca」で「MatrixEngine」のコンテンツを作るには、3D空間に並べる素材(“キャスト”と呼ばれる)を用意し、“スコア”と呼ばれる時間軸エディターでアニメーションをつけていく。キャスト、スコアという考え方はMacromedia DirectorやFlashのそれとほぼ同じ。キャストには3Dモデル、画像、カメラ、ライト、サウンドのほか、インタラクティブなコンテンツを作るためのスクリプトも含まれる。スクリプトのライブラリにはマウスクリックによる条件分岐、ジョイスティックの入力、衝突検知、サウンドやムービー、MIDIとの連動といったゲーム作りに必要な機能が用意されている。

 ほとんどのWeb3Dコンテンツの作成過程では、3D CGソフトからエクスポートされたモデルやアニメーションを開発環境によってオーサリングするという手順を踏むが、「DigitalLoca」には3Dモデラーが内蔵されているため、これひとつで「MatrixEngine」コンテンツのほとんどの作成過程がカバーできるという特徴がある。内蔵モデラーはポリゴンベースのもので、球や直方体などの基本図形(プリミティブ)からのモデリングやテクスチャー設定、モデルにアニメーションのための骨格である“ボーン”を入れたり、関節部を滑らかに変型する“スキン”の設定もできる。

衝突判定機能があるので「DOOM」系やシューティングなどのゲームを作ることも可能だ
衝突判定機能があるので「DOOM」系やシューティングなどのゲームを作ることも可能だ

 3Dモデルに関しては、内蔵モデラーによるモデリングだけでなく、VRMLやDirectXのX形式、Softimage、LightWave、3ds maxなど外部ソフトのファイル形式をインポートする機能も実装されている。Softimage、LightWave、3ds maxの各ファイル形式では、テクスチャーとモデルの形状を正確に合わせるための“UVテクスチャ情報”もインポートできる。

 ちなみに「DigitalLoca」のライセンスは少々変わっており、月額1,000円の“レンタル会員方式”によるダウンロード販売という形態だ。ユーザーは1ヶ月から2年間までのライセンスを購入し、期間に応じたユーザーIDとパスワードを受け取る。IDとパスワードはインターネット上のライセンスサーバーで認証されるので、「DigitalLoca」を起動するマシンにはインターネットに接続できる環境が必要になる。なお、作成されたコンテンツは基本的に商用利用は不可能(別途ライセンスが必要)だが、個人によるシェアウェアとして公開することはできる。

 インタラクティブなWeb3Dコンテンツを作りたいが、開発環境が高価で躊躇しているという人は多いだろう。「DigitalLoca」はレンタル会員方式によって安価に、そしてこれひとつでインタラクティブな3D CGが作成できる。ライセンスはクレジットカードだけでなく銀行振り込みでも購入できるので、学生にも手軽にはじめられるだろう。現在、2週間、または2002年8月31日まで利用可能な体験版がダウンロード可能になっている。ランタイムファイルの出力ができないという制限はあるが、この機会にぜひ使ってみてほしい。

【著作権者】(株)ネットディメンション
【対応OS】Windows 95/98/Me/2000/XP
【ソフト種別】シェアウェア 1,000円/月
【バージョン】3 Build 3.0.0.20430(02/05/01)

□MatrixEngine総合サイト
http://matrixengine.jp/

(モッティ)

|
トップページへ
Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.
編集部への連絡は mado-no-mori-info@impress.co.jp まで