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フリーのオフィス統合環境「OpenOffice.org」v1.0

「Microsoft Office」互換でワープロや表計算などが利用できる

(02/06/17)

ワープロソフトの「Writer」
ワープロソフトの「Writer」

 せっかくのパソコンだから、ワープロや表計算といったオフィス統合環境をバリバリ使いこなしてみたい。でも自分のパソコンにはオフィス統合環境がインストールされていないし、パッケージソフトは高くて買うのに躊躇してしまう…。そんな人にオススメなのが、フリーで利用できるオフィス統合環境「OpenOffice.org」だ。

 「OpenOffice.org」はワープロや表計算などを含むフリーのオフィス統合環境。その名の通りオープンソースで開発が進められており、米Sun Microsystemsの有料オフィス統合環境「StarOffice」から付属フォントやサポートを省いた機能限定版になっている。英語版はもちろん、日本語版やドイツ語版、韓国語版など24カ国語で提供されており、日本語版ではメニューなどが日本語で書かれているので安心して利用できる。また、Windows版のほかLinux版やSolaris版、さらには開発中ながらMac OS X版まで用意されているという充実ぶりだ。UNIXマシンやWindowsなどで同じソフトを使って作業ができるため、複数のOSを併用している人には魅力的だろう。

 フリーとはいっても決して低機能ではなく、ビジネス用途にも十分耐える本格的なソフトに仕上がっている。また、標準のオフィス統合環境といえる「Microsoft Office」との互換性も図られていて、「Word」や「Excel」などのファイルを読み書きすることも可能だ。ただし文字の囲み線のように、「Microsoft Office」にはあって「OpenOffice.org」にはない機能を使ったファイルを読み込んだ場合、その機能が再現されないのは致し方ないところだろう。もちろん「OpenOffice.org」標準のファイル形式での保存もでき、すべてXMLで記述されるのが特長だ。

□鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
 XML (eXtensible Markup Language)(PC Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/980610/key33.htm#XML

 「OpenOffice.org」形式のドキュメントファイルは、拡張子こそ異なるもののZIP形式で圧縮されていて、作成した内容のほか設定やメタ情報などがXMLファイルとして収められている。そのためXML対応ソフトなら簡単に取り扱うことが可能で、対応ソフトと組み合わせることによって、モバイル機器への転送やホームページへの自動公開など、様々な応用が簡単にできるメリットがある。ZIP形式であることを利用してパスワードを設定することも可能だ。

HTMLエディターの「HTML Editor」
HTMLエディターの「HTML Editor」

 「OpenOffice.org」に含まれているのは、ワープロソフトの「Writer」、表計算ソフトの「Calc」、数式エディターの「Math」、HTMLエディターの「HTML Editor」、プレゼンソフトの「Impress」、ドローソフトの「Draw」、そしてそれぞれのソフトをオブジェクトとして統合的に扱える「Global」の7つだ。操作方法は「Microsoft Offie」によく似た標準的なもので、「Microsoft Office」のユーザーなら簡単に利用できるだろう。また、OLEに対応しているため「OpenOffice.org」のソフト同士はもちろん「Microsoft Office」とも組み合わせて利用することも可能だ。「Writer」の文章に「Word」のクリップアートを貼り付けたり、「Outlook」の予定に「Draw」の図を貼り付けるといった連携も簡単にできるのだ。

 たとえば「Writer」を起動すると、紙に見立てた領域とツールバーなどが画面に表示される。ユーザーは、フォントやフォントサイズなどを変更しつつ、文章を入力可能だ。もちろん行間や余白など紙面の細かい設定もでき、段組みやルビなど日本語の文章に欠かせない機能もしっかり押さえられている。また、BASIC言語を利用したマクロ機能も備えられていて、自分で機能を追加することも可能だ。差し込み印刷機能が見あたらないのは気になるが、およそオフィス統合環境に必要な機能は網羅されており、一般ユーザーはもちろんほとんどのビジネスユーザーでも満足がいくのではないだろうか。

 現時点ではヘルプが英語のままなのが難点だが、メニューなどは日本語化されているうえ、どのソフトも標準的なユーザーインターフェイスなので、ヘルプがなくても操作に迷うことはあまりないだろう。なお前述の通り、「OpenOffice.org」にフォントやスペルチェックなどのプラグインを同梱し、サポートを加えた「StarOffice」が有料ソフトとして販売されている。ただし、商標の関係で日本語版を含むアジア版については「StarSuite」となっている。サン・マイクロシステムズ(株)によると、今後とも引き続き「OpenOffice.org」の開発はオープンソースで継続し、不具合の修正や要望の反映を行っていくということだ。

【著作権者】Sun Microsystems Inc.
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.0

□OpenOffice.org
http://www.openoffice.org/
□StarOffice[tm] 6.0 Office Suite - A Sun[tm] ONE Software Offering
http://wwws.sun.com/software/star/staroffice/6.0/
□StarSuite 6.0
http://www.sun.co.jp/starsuite/

(齋藤 正穂)

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