週末ゲーム
 

【第142回】

ゲーム会社シミュレーション「ゲーム発展途上国IIDX」

目指せ100万本、キミよゲーム業界の覇者となれ!!

(02/07/19)

 ゲーム業界は競争の厳しい世界だ。まず誰もが自由に参入できる、オープンなマー ケットであること。次に経営者や開発者の能力が“資源のすべて”であるということ。 そして売れるソフトと売れないソフトの差が激しく、必ずしも経営が安定していない こと。だからこそ趨勢は移ろいやすく、新興のソフトハウスがいきなりヒットを飛ば したり、逆に老舗のソフトハウスが突然元気を失ったりすることもある。そんなゲー ム業界の荒波を身をもって体験することができるのが、今回紹介する「ゲーム発展途 上国IIDX」だ。

タイトル画面
タイトル画面

 「ゲーム発展途上国IIDX」は、プレイヤーがゲームソフト会社の経営者を演じて人を雇い、ソフトを開発して売り上げを伸ばしていく経営シミュレーションゲームだ。数種類あるゲーム機の中から開発対象を選び、企画会議で「おもしろさ」「独創性」「グラフィック」「音楽」のバランスを検討する。その後ジャンルとゲーム内容を詰め、α版の開発→β版の開発→バグフィックスという段階を踏んで製品を出荷。雑誌のクロスレビューや知名度によって変化する売り上げを読みながら、最大限の売り上げを目指す。

 プレイ画面は「シムシティ」や「ザ・コンビニ」などに似たデザインで、「社員情報」や「開発情報」など複数の情報ウィンドウを重ねて表示させることができる。用意されているイベントも豊富で、たとえばゲームショーへの出展やゲームコンテストでの表彰、社員の引き抜きやゲーム機の世代交代など盛りだくさん。資金があれば開発環境を整えたり、新しい技術を手に入れることも可能だ。どういった戦略で挑むかはプレイヤー次第で、遊び方の幅は広い。

機種、ジャンル、内容を考えてゲームソフトを開発
機種、ジャンル、内容を考えてゲームソフトを開発

 上手に会社を経営する方法は、いくつかあると思う。筆者が経営を軌道に乗せた方法は、まずゲーム序盤は契約金の安い社員を雇って人件費を抑え、4名×2チーム体制で「おもしろさ」重視の作品を作り続けるやり方だ。社員によって成長の度合いが違うので、能力の伸びが悪い社員1~2名を3月末で入れ替えていくといいだろう。余った資金は「知名度開拓」と「ジャンル開拓」に投資する。出荷は常に上限いっぱいで行うが、発売後5~6週目を境に急激に売り上げが鈍るので、不良在庫を抱えてしまわないように出荷調整すること。

 ゲームのジャンル分けやカテゴリーに多少違和感も覚えたが、経営シミュレーションゲームとしてはとてもおもしろい。能力や個性が異なる人材をどのように組み合わせるか。数あるゲーム機の中からどれを選ぶか。人材の引き抜きや新型ゲーム機の登場など突発的なイベントも発生し、臨機応変に対応していかなければならない難しさもある。あれこれ試行錯誤しながら、たっぷり楽しめるのではないだろうか。  

雑誌の評価次第で大きく売り上げ本数が変わってしまうことも
雑誌の評価次第で大きく売り上げ本数が変わってしまうことも

【著作権者】大山 カイロ 氏
【対応OS】(編集部にてWindows Me/2000で動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.30(02/07/15)
【ファイルサイズ】1.79MB

□カイロソフトのホームページ
http://www.bj.wakwak.com/~gamedev2/

(三鷹 昭一郎)

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