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週末ゲーム

【第153回】

ロマンスアドベンチャー「アクアノートキャンパス」

美人助手と未亡人。ふたりと共に行う遺跡調査の結末は?

(02/11/08)

タイトル画面

 アドベンチャーゲームのおもしろさは、選んだ行動によって結末が変わる、いわば因果関係の妙にあると思う。よいと思って選んだ行動が実は最悪の選択だったり、なにげに行った行動が予想外の広がりを見せたりと、その意外さが楽しい。今回紹介する「アクアノートキャンパス」も、プレイヤーの選択次第で驚くほど結末が変わる作品だ。

主人公“島原 涼一”が故郷の島を訪れるところからゲームが始まる
主人公“島原 涼一”が故郷の島を訪れるところからゲームが始まる

 「アクアノートキャンパス」はJavaScriptとMacromedia Flashを利用して作られた、アドベンチャーゲームだ。プレイヤーが演じる主人公“島原 涼一”は、大学で海洋考古学を教える若き教授。しかし学生からの評判はいまひとつで、研究者としての実績もパッとしない。ゼミ存続のためにわかりやすい成果をあげようと、助手の女性“青海 凪”と共に故郷の“李尊島”を訪れるところから、このゲームは始まる。島に滞在する1週間の間に、海底に眠る遺跡を発見することができれば大成功。しかし、島では涼一の幼なじみ、そして未亡人となった“浜野さやか”との再会も待っていた。

 プレイはコマンド選択式で進む。朝、午前、午後1、午後2、夜の5回が基本で、選んだ行動によってイベントが発生したり、遺跡調査の進捗状況が変わる仕組みになっている。調査を優先するのなら“海底探査”や“海域調査”を選ばなければならないが、あまり無理をすると体力を消耗してしまう。また“青海 凪”や“浜野 さやか”との関係も進展しない。…かといって女性との関係が進展するようなイベント重視の選択では、肝心の遺跡調査がおろそかになってしまう。限られた行動をどう割り振るかが、このゲームのポイントというわけだ。

調査を繰り返して島の海底に眠る遺跡を探す。与えられた期限は1週間
調査を繰り返して島の海底に眠る遺跡を探す。与えられた期限は1週間

 複数のエンディンクが用意されている作品なので、好きなようにプレイして、たどり着いた結末が“自分にとってのエンディング”でよいのではないかと思う。しかし「凪とハッピーエンドを迎えたい」「さやかを幸せにしたい」「遺跡を発見して大成功を収めたい」という場合は、かなり慎重なプレイが必要になる。カギになるのは3日めの夕方、天候が崩れたときにどうするか。直前でセーブして、あれこれ試してみるのもいいかもしれない。公式サイトには攻略法をまとめたページやネタバレ掲示板もあるので、そちらも参考になるだろう。

 プレイする前は遺跡調査アドベンチャーかと思っていたが、実は恋愛モノ(?)の作品であることに気がついて、その意外な組み合わせに驚いた。しかし調査と恋愛というまったく異なるテーマがうまく絡み合っていること、そして登場人物の個性が見事に描かれていることに、もっと驚いた。1プレイに必要な時間が短めで、繰り返して楽しめるところもいい。美人の助手や幼なじみの未亡人など、設定にやや都合のよさを感じないわけではないが、「こういうアドベンチャーゲームもアリ!!」ということで、ぜひ楽しんでいただきたい作品。

各パラメータが上昇すると、様々な痕跡を発見することができる   助手の“青海 凪”と幼なじみの“浜野 さやか”。彼女たちの関係も重要だ
各パラメータが上昇すると、様々な痕跡を発見することができる   助手の“青海 凪”と幼なじみの“浜野 さやか”。彼女たちの関係も重要だ

【著作権者】MAKIO 氏
【対応OS】Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.10(02/10/06)
【ファイルサイズ】1.42MB

□カフェ牧尾屋(正式名は牧尾屋)
http://www.angel.ne.jp/~makio/index.htm

(三鷹 昭一郎)


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