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【第176回】
推理ゲーム「大正浪漫骨牌遊戯~HAIKARA事件譚~」
殺人事件の全貌を解き明かせ!!
(03/07/11)
いまから20年ぐらい前、「クルー(Clue)」というテーブルトーク型の推理ゲームがあった。6人のプレイヤーが互いに推理を繰り返しつつ、殺人事件が行われた場所と容疑者、凶器を推理するというもので、たくさんのテーブルトーク型ゲームが発売されていた当時でも異色の作品だった。このゲームは「殺人ゲームへの招待」というコメディ映画にもなったので、ご存知の方も多いのではないだろうか。今回紹介する「大正浪漫骨牌遊戯~HAIKARA事件譚~」は、この「クルー(Clue)」をモチーフにしたテーブルトーク型の推理ゲームだ。
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洋館で起きた殺人事件を、6人の容疑者全員が互いに調査する |
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“どこ”で“誰”が“何”を使ったのかを推理 |
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残念、事件場所が違っていた。告訴に失敗すると即リタイア |
時は大正13年。人里離れた山奥の洋館で、“紫条院 宗徳”という大富豪が殺された。死体は館の中央の階段で発見されたが犯人は不明。そのとき館内にいた“紫条院隆典”“白鳳院 雛子”“黄山 忠助”“水那 祥子”“赤井 ハナ”“グリーン牧師”の6人全員が容疑者となったが、事件の全貌は分からない。“どこ”で“誰”が“何”を使って大富豪を殺害したのか、6人全員が互いのアリバイを探りつつ事件の解明を競い合う…という設定だ。このゲームは最大6人のプレイヤーがオンラインで参加できるが、メンバーが足りない場合は不足分をコンピューターに任せることもできる。もちろん、自分以外の5人をコンピューターに操作させて1人で楽しむことも可能だ。
ゲームは、殺害した可能性のある9つの場所の中から8枚、容疑者6名の中から5枚、凶器と思われる器具6種類の中から5枚、計18枚のカードを各プレイヤーに分配して始まる。場所、容疑者、器具の各カードの中から誰も所有していないカード、つまり抜かれたカードを当てるのが目的だ。プレイが始まったら順番にサイコロを振って館内を移動する。殺害場所と思われる部屋に入ったら、容疑者、器具の各カードを組み合わせて、“どこ”で“誰”が“何”を使って殺害したか推理する。たとえば、誰かが“大広間”で“赤井 ハナ”が“ピストル”を使ったと推理したとき、他のプレイヤーが“大広間”のカードを持っていたら推理は間違っているということになり、推理したプレイヤーとカードを所有していたプレイヤーの間でそのカードが公開される。ただし、推理が外れたときに公開されるカードは1枚のみで、他のプレイヤーが推理で挙げられたカードを複数所有している場合は、いずれか1枚選んで公開することが可能だ。こうして互いに推理を繰り返しつつ選択肢を絞り込んでいき、最初に[告訴]コマンドで誰も所有していないカードを言い当てたプレイヤーの勝利となる。告訴に失敗すると、そのプレイヤーは即刻リタイアとなるので注意しよう。
場所、容疑者、器具のうち、容疑者と器具は6択なので、比較的簡単に割り出しやすい。したがって、9カ所ある場所の特定が決め手になる。殺害場所は、自分自身が館内を移動してたどり着いた場所しか推理で挙げることができないので、他のプレイヤーの行動を見ながら予測するといいだろう。事件の全貌が見えてくるゲーム後半は、告訴が“早い者勝ち”になることも少なくない。ある程度確信がもてるようになったら、一気に告訴に踏み切る思い切りも必要だ。
作者自身がページ上で書いているように、ゲームシステムは「クルー(Clue)」を踏襲している。とはいえ、コンピューターの推理アルゴリズムなどは完全なオリジナルで、実によくできていると思う。推理用のシートで誰がどのカードを所有していたか自分でチェックできるので、紙と鉛筆でメモをとる手間が不用だし、自分のパソコンをサーバーにしてマルチプレイ可能なところもいい。テーブルトーク型ゲームのおもしろさを手軽に楽しめる作品だ。「クルー(Clue)」を知っている人にも、知らない人にも、ぜひオススメしたい。
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場所、容疑者、凶器は毎回ランダムで変わる |
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サイコロを振って順に移動。目的地に早く到着できる運も必要だ |
【著作権者】ONODA Production 氏
【対応OS】Windows 98/XP(編集部にてWindows 2000で動作を確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.01c(03/03/02)
【ファイルサイズ】1.87MB
□緑柱石 index
http://www.onoda-pro.com/black/
(三鷹 昭一郎)