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夏の夜はホラーゲームで肝試し!
眠れぬ夜をますます眠れなくする怖~いソフトが勢揃い!!
(03/08/07)
夏の夜の定番といえば、花火、縁日、盆踊り……そして、なんといっても肝試し。子供時代、寝苦しい夜に家を抜け出して仲間と集まり、背筋がぞくっとするような肝試しに出かけた経験、あなたにもあるのでは? 大人になると肝試しに行くチャンスも少なくなるけれど、パソコンさえあればいつでもどこでも肝試しできる! ということで、今回は熱帯夜にぞくっと効く、傑作ホラーゲーム5本を紹介しよう。また、各ゲームがどんな怖さなのかを、瞬間的にガツンとくる“視覚的恐怖”と、徐々にじわーっとくる“心理的恐怖”に分けて、別々にグラフにして表してみた。筆者の主観によるグラフだが、作品選びの参考にしてほしい。
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消えた姉の消息を追う妹が夜の学校で見たものは……
「学校七不思議」 |
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“こっくりさん”をきっかけに悪霊と遭遇する |
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妹は学校内で消えた姉の消息を探る |
最初に紹介するのは、どんな学校にもつきものの怪談話“七不思議”にまつわるホラーアドベンチャー「学校七不思議」。神隠しにあったように校内でこつ然と姿を消し、そのまま行方不明になってしまった姉をもつ主人公“北水
由美”が、姉と同じ高校に入学して七不思議の謎を追ううちに遭遇していく怪奇現象を描いた作品だ。ゲームは連続する2つのストーリーからなっており、まず友人との“こっくりさん”をきっかけに悪霊と遭遇する“北水由美の章”をプレイしてすべてのエンディングを見ると、ちょっとした好奇心で始めた学校の肝試しが恐怖の体験に変わっていく“七不思議の章”をプレイできる。ゲームはコマンド選択式で、物語の進行に合わせて時どき表示される選択肢から行動を選ぶことでストーリーやエンディングが変化していく。七不思議の数字の“7”に合わせて各章のエンディングも7つずつ用意されているので、何度も繰り返してプレイできるだろう。画面は実写とイラストが組み合わされており、緊迫感を盛り上げるBGMや悲鳴などの効果音と併せて、夜の学校の不気味さをうまく表現している。単なる怪談話ではなく、学校内で消えた姉の消息を探るというドラマも織り込まれており、もの悲しさも含んだ読み応えのあるストーリーが魅力の作品だ。共通のキャラクターが登場する続編も現在パート3まで発表されているので、併せてプレイするのがオススメだ。
【著作権者】藍澤 風樹 氏
【対応OS】(編集部にてWindows 2000/XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.01(02/06/14)
□銀の盾
http://hp.vector.co.jp/authors/VA022686/
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多重人格に取り込まれる恐怖
「Does Anybody Really Know What Time It Is ?」 |
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デジタルノベルのようにストーリーを読み進めていく |
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各章末でキーワードをストックしていく |
人の心に恐怖を感じさせるのは、幽霊などのこの世ならざるものばかりとは限らない。2本目は、“解離性同一障害”、いわゆる多重人格障害を題材にした「Does
Anybody Really Know What Time It Is ?」を紹介しよう。「ガラスの中の少女」という副題をもつ本作は、精神科に勤める女性看護師を主人公にしたサイコホラーアドベンチャー。実写取り込みの美しい背景に縦書きの文章が流れる画面構成で、プレイ中に選択肢などによるストーリーの分岐はなく、デジタルノベルのように純粋にストーリーを読み進めていく。ゲーム的な要素は物語の謎解き部分で、文中の何気ない言葉が各章の最後に6つずつキーワードとして表示されるので、自分が重要だと思うキーワードをゲーム全体で6つまでストックし、物語の最後にストックしたキーワード6つを組み合わせて事件を推理するというシステムになっている。ストーリーは、主人公が担当する“渡辺
光咲子”という多重人格障害の患者が語る連続殺人と、彼女の治療の過程が交互に描かれる形で進行する。光咲子は11の人格をもっており、妄想の中で1つ殺人が起こるたび、彼女の中の人格も1つずつ減っていく。始めはただの妄想だと思われていた殺人だが、徐々に妄想と現実が交錯していき、ついに主人公の周辺で異常な事態が起こり始める。まるで自らが狂気に取り込まれていくような恐ろしさが体験可能な、精神的に“くる”ホラーゲームと言えるだろう。
【著作権者】SUZUNE 氏
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.4(03/03/01)
□林檎坂通信
http://www2.odn.ne.jp/suzune/
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不条理に満ちたリアルスプラッターホラー
「涅槃~完全版~」 |
次に紹介する「涅槃~完全版~」は、狂気の世界に迷い込んだ主人公が元の世界への脱出を図るトップビュー視点のスプラッターRPG。アメリカの小説家、ハワード・フィリップ・ラヴクラフトが創作した“クトゥルフ神話”を下敷きにした、悪夢のような世界観と救いのない悲惨なストーリーが展開する異色の作品だ。ゲームの目的は、記憶をなくしたまま見知らぬ建物の一室で目覚めた主人公を操作して、異様な風体の殺人鬼が横行する歪んだ世界から脱出する方法を探していくというもの。トップビュー視点でキャラクターを操作し、イベントや殺人鬼との戦闘に入ると主人公の視点で描かれた一枚絵のグラフィックに切り替わるというシステムを採用している。戦闘時は“攻撃”や“防御”といったコマンドを選択できるほか、ゲーム中に入手した武器を装備することで、鉄パイプの装備時は“叩き潰す”、ナタの装備時は“大きく切り裂く”といった“特殊技能”が選べるようになる。戦闘のバランスはシビアだが、基本的にはその都度手に入る最強の武器を装備して“特殊技能”を使っていけば大丈夫。ただし、ときにはまともに正面からぶつかっても勝てない敵が出てくるので、そういう場合は近くの部屋に逃げ込むなど、ホラー映画の主人公になりきって行動してみることも大切だ。なお、本作はスプラッター作品というだけあって、視覚的にもストーリー的にもかなり残酷な描写が頻発する。“ホラー耐性”の強い人にオススメしたいタイトルだ。
【著作権者】DarkworldSoft
【対応OS】Windows 95/98/2000(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】-(02/02/08)
□Dark World
http://isweb7.infoseek.co.jp/play/giger/
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迫るゾンビからタイピングで逃げ切ろう!
「TypingDead stage1」 |
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英単語をタイピングするたびに主人公は数歩進む |
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無事に校舎の入り口までたどり着くとゲーム終了だ |
じわじわ迫ってくるような恐怖は苦手という方のために、スカッと爽快なタイトルを1本。「TypingDead stage1」は、画面に表示される英単語をキーボードで入力していくタイピング練習ソフト。法では裁けない悪を倒すために政府が秘密裏に結成した超法規的組織“SJO”(SECRET
JUDGE ORGANIZATION)の隊員“マックイーン”となって、ゾンビに占領された廃校に単身潜入。先行して調査に向かい連絡を絶った2人の仲間の消息を調べるというストーリーだ。本ゲームはステージごとにアーカイブファイルが分かれており、今回紹介する「TypingDead
stage1」では、廃校に到着した主人公がゾンビを倒せる唯一の武器“銀の弾丸”を手に入れるために、校門から中庭を抜けて校舎内に潜入するまでを横視点の画面でプレイする。主人公はまだ、ゾンビを倒せる道具を持っていないのでゾンビから逃げることしかできない。画面下部に表示される英単語をタイピングしていき、1単語入力し終えるたびに主人公が数歩ずつ校内を進んでいく。画面の左側から少しずつ近づいてくるゾンビに追いつかれないように、素早く、かつ正確にタイピングしていこう。途中でゾンビに捕まるか、無事に校舎の入り口までたどり着くとゲーム終了となり、入力文字数やミスタイプ数、得点などが表示される。なお、現在作者ページでは4作目まで公開されており、「TypingDead
stage3」以降は1人称視点の画面で、タイピングにより銀の弾丸を発射してゾンビを倒していくゲーム展開となる。
【著作権者】荒谷 裕己 氏
【対応OS】Windows 95/98(編集部にてWindows 2000/XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト(カンパウェア)
【バージョン】1.5(01/11/12)
□Musaion~Arayan'sMythology~
http://www.geocities.jp/arayanbb/
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無機質な研究所で待ち受ける生物兵器との死闘!
「GenomeDE」 |
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ハンドガンのみ携えて研究所内を探索していく |
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まずはカードキーの入手を目標にしよう |
最後に紹介するのは、科学が生み出した異形のモンスターと戦うトップビュータイプのアクションゲーム「GenomeDE」。実験の失敗により生物兵器に占拠されてしまった生物科学研究所に潜入し、所内のどこかに保管されている“胚サンプル”を回収するのがゲームの目的だ。プレイヤーは、ハンドガンのみを携えたキャラクターを操って、迷路のように複雑な構造の研究所内を探索していく。所内の各部屋は扉で隣の部屋とつながっており、ほとんどの扉はそのまま開けて進むことができる。しかし、重要なアイテムが隠された部屋の扉は鍵となる“カードキー”がないと開かないので、ゲームがスタートしたら、まずはカードキーを入手することを目標にプレイしていこう。各部屋には不気味な姿の生物兵器が巣くっており、扉を開けて主人公が部屋に入るとすかさず接近して攻撃してくる。どの生物兵器も非常に手強く、そのすべてを倒すには手持ちの弾薬はあまりにも少ないので、ダメージを受けずにうまく先に進めそうなときには、できるだけ交戦を避けるのが攻略のポイントだ。マップの要所要所に置かれているハンドガンの弾やHPを回復する“緊急パック”を入手すれば、探索中に消耗した主人公の弾薬やHPを補充・回復することができる。本作では重要なアイテムやヒントを意外な場所で入手できるので、探索中に怪しい場所があったら、とにかくこまめに調べてみることが大切だ。415×225ドットのウィンドウ表示専用とコンパクトな画面のゲームだが、緻密に描かれたグラフィックとリアルな効果音で、じっくり楽しめる作品に仕上がっている。
【著作権者】吉川 隼人 氏
【対応OS】Windows 95/98(編集部にてWindows 2000/XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.10
□HytdevNet
http://hp.vector.co.jp/authors/VA017915/
(肥田 明久)