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Release NEWS

マイクロソフト、「Microsoft Office 2003」からハーケンクロイツの記号を削除

“逆卍”“ハーケンクロイツ”“ダビデの星”が削除される

(04/02/13)

 マイクロソフト(株)は11日、同社製品「Microsoft Office 2003」に付属している記号フォント“Bookshelf Symbol 7(以下、Bssym7.ttf)”から不適切な記号を削除するツールを“重要な更新”として公開した。同ツールを実行すると“Bssym7.ttf”から、寺院記号の卍(まんじ)とは回転方向が逆向きの“逆卍”、逆卍を45度右方向へ回転させた“ハーケンクロイツ”、正三角形と逆三角形を組み合わせた星形の“ダビデの星”という3つの記号が削除される。現在、同社サイトの“サポート技術情報 - 833407”ページから、または“Windows Update”機能を利用して、同ツールを無償でダウンロードできる。なお、同ツールは“重要な更新”のため、「Microsoft Office 2003」がインストールされているパソコンで“Windows Update”機能の“更新をスキャンする”を実行したときに、自動的にインストール候補へ登録される。また、「Microsoft Encarta 総合大百科 2004」や「Microsoft Bookshelf 3.0」などにも“Bssym7.ttf”は付属されているが、「Microsoft Office 2003」とは異なり“重要な更新”扱いではないため、問題となる3つの記号を削除したい人は“サポート技術情報 - 833407”ページから任意に同ツールをダウンロードして実行する必要がある。

 事の経緯としては、米Microsoftの上級副社長スティーブン・シノフスキー氏が昨年12月12日(現地時間)、「Microsoft Office 2003」にナチスドイツのシンボルになった“ハーケンクロイツ”などを意図せず含んでしまったことに対して謝罪し、同記号を含んだ“Bssym7.ttf”ファイルを削除するツールを同日リリースした。しかし、問題になった記号だけではなく、フォントそのものを削除するという対応だったため、同フォントに含まれている別の記号も利用できなくなったり、同フォントを再インストールしないと一部のソフトを起動できなくなるなどの不具合が発生した。そこで、同フォントから“逆卍”“ハーケンクロイツ”“ダビデの星”のみを削除するツールを改めて公開するに至った。なお、同社の日本法人であるマイクロソフト(株)によると“Bssym7.ttf”は「Microsoft Office 2003」以前の、日本語版や韓国語版の“Microsoft Office”“Microsoft Bookshelf”“Microsoft Encarta”などには既に付属されていたが、特に問題にならなかった。ところが「Microsoft Office 2003」になって全世界向けのバージョンに含めてしまい、“ハーケンクロイツ”の所持を禁じている国があるため、謝罪だけではなく全世界的に同記号を削除する必要があったとのこと。また、これらの記号を全世界的に復帰させる可能性はないという。

□833407 - Bookshelf Symbol 7 フォントから不適切な記号を削除するための重要な更新について
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;JA;833407
□An Open Letter from Senior Vice President Steven Sinofsky
http://www.microsoft.com/presspass/press/2003/dec03/12-12FontLetter.asp

(竹元 克己)


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