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“ベイズ理論”をもとに迷惑メールの対策ができるPOPプロキシー「POPFile」

自分の手で本ソフトの処理精度を上昇させる過程を楽しみながら利用しよう

(04/03/17)

「POPFile」v0.21.0
「POPFile」v0.21.0
 “ベイズ理論”をもとに迷惑メールの対策ができるPOPプロキシーサーバー「POPFile」v0.21.0が、9日に公開された。Windowsに対応するフリーソフトで、編集部にて試用したところWindows XPで動作することを確認した。現在、作者のホームページからダウンロードできる。

 「POPFile」は、“ベイズ理論”をもとに迷惑メールの対策ができる日本語対応のPOPプロキシーサーバーソフト。ユーザーインターフェイスを搭載していないため、メール管理や設定変更などはWebブラウザーでプロキシーサーバーにアクセスすることで行う。本ソフトを経由したメールは、あらかじめ複数作成したジャンルの中から最適なジャンルが自動で割り当てられ、ジャンル名がメールのヘッダーに追記された状態で届く。このとき、迷惑メール用のジャンルを作成しておけば、迷惑メールに特定のヘッダー情報を自動で記述できる。ジャンル割り当ての概念は、数学者トーマス・ベイズが提唱した確率論に基づき、過去の出来事の発生頻度を分析すれば未来の出来事を予想できるというもので、検索サービス“Google”にも採用されている理論だ。実際の処理は、受信メールのヘッダー・本文に含まれる単語や文字列をジャンル別のデータベースに蓄え、各ジャンルごとに出現頻度が高い単語を見つけ出し、その単語を含んだメールを受信した際に該当ジャンルを割り当てる仕組み。あとは、追記されたメールのヘッダー情報をもとにメールソフト側の振り分け機能を利用して、ジャンルごとにメールフォルダへ振り分ければ迷惑メールを発見しやすくなる。

 初期段階のデータベースは単語の情報量が少なく、ジャンルの割り当てを間違って処理する場合が多いため、プロキシーサーバーにアクセスして正しいジャンルへの割り当てを手動でやり直さなければならない。メールを受信するたびにジャンルの割り当てを管理していけば、受信メールが多くなるにつれて割り当て精度が徐々に高まっていく。だたし、割り当ての誤りが全くなくなるわけではないので、本ソフトの処理精度が上昇していく過程を楽しみながら利用するとよいだろう。

【著作権者】John Graham-Cumming 氏
【対応OS】(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】0.21.0(04/03/09)

□POPFile - Automatic Email Classification
http://popfile.sourceforge.net/

(中井 浩晶)


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