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【第212回】

ホラーアドベンチャーゲーム「ZODIAC2」

雪山を舞台に展開する緊迫のサバイバルホラー

(04/07/23)

タイトル画面

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、インターネット上で公開されるゲームの数が多すぎるため、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのか判断できずに困っている人も多いだろう。そこで“週末ゲーム”では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから選び抜いた良作を紹介していく。今回は、異形のモンスターとの戦闘や本格的な謎解きに挑戦できるホラーアドベンチャーゲーム「ZODIAC2」を紹介しよう。

雪深い山間の地“ゾウディアック”が冒険の舞台
雪深い山間の地“ゾウディアック”が冒険の舞台

 「ZODIAC2」は、画面に表示されるメッセージを読み、文字や画像による選択肢をマウスでクリックして進めていくコマンド選択式アドベンチャーゲーム。サウンドノベルのようにストーリーを追うだけでなく、探索の途中で入手したアイテムや手がかりを利用して謎を解明したり、武器を用いてモンスターと戦闘を行うなど、さまざまな行動を組み合わせてゲームを進行させていく。物語は、主人公“ディーン”が忌まわしい過去を清算するため、16年ぶりに故郷の“ゾウディアック”を訪れるところから始まる。そこで“ディーン”を待っていたのは、次々と起こる不可解な出来事や、突如出現して襲いかかる怪物たちとの死闘だった。プレイヤーは主人公“ディーン”を操作して、怪物たちとの戦闘や謎解きなどにチャレンジしながら16年前に“ゾウディアック”を襲った異変の真相を突き止め、忌まわしい過去を清算していく。

表示されるコマンドから行動を選択して進めていく
表示されるコマンドから行動を選択して進めていく

 画面は、現在地の画像を表示した背景上に、会話をしているキャラクターの画像や会話の内容がテキストで表示されている。ゲームは、状況に応じて表示された行動をマウスで選択しながら進めていく。主人公の行動を決定する選択肢には、“~に行く”というように文字で表されるものと、画面上に表示されたカーソルボタンや人物などを直接クリックする“グラフィカルリンク”の2種類が用意されており、イベントや戦闘などの場面に応じた行動内容が出現する。なかには行動を選ぶまでの制限時間が設定されている場合もあり、プレイの緊張感を大いに高めてくれる。マウスを右クリックしたときに開くメニューでは、所持品の使用やマップの確認、プレイ中に記録したメッセージの再表示などを行うことが可能。モンスターと遭遇したときに行う戦闘は、状況や攻撃相手などによって変化し、攻撃内容などを選択肢から選ぶ“通常戦闘”、“グラフィカルリンク”を利用して主人公を左右などに移動させるアクションゲーム風の“一次元戦闘”、前後左右移動を行う“二次元戦闘”の3種類が用意されている。戦闘時には主人公や味方キャラクターの体力ゲージが表示され、敵の攻撃を受けると徐々に減っていく。なお、戦闘中に主人公の体力がゼロになるとゲームオーバーだ。

制限時間内に行動を選ぶ“通常戦闘”   “一次元戦闘”では、画面下のバーを見ながら相手との間合いを計って戦う
制限時間内に行動を選ぶ“通常戦闘”   “一次元戦闘”では、画面下のバーを見ながら相手との間合いを計って戦う


マップを移動しながら戦う“二次元戦闘”では、敵との間合いだけでなく位置関係が重要になる
マップを移動しながら戦う“二次元戦闘”では、敵との間合いだけでなく位置関係が重要になる
 攻略のポイントは、マップの隅々までよく探索することだ。本作品の移動は、建物や集落の中は“~へ行く”“~に進む”式のコマンド、集落の外のフィールドでは見下ろし型のマップ内を“グラフィカルリンク”で自由に移動できるようになっている。マップ内はかなり広いので、自分が今どこにいて、どこまで探索が終わったかを常に把握していないと迷ってしまう危険性がある。謎解きの内容も本格的かつ難解なものばかりなので、メッセージを記録する“メモ”や“スクラッチ”機能を利用して重要なヒントを見逃さないようにしよう。また、物語序盤で一緒に行動するパートナーを選ぶことができるが、3人のなかから誰を選ぶかによって難易度が大きく変化する。体力や腕力に長けたキャラ、敵の攻撃を避けるのが得意なキャラ、攻撃だけでなく回復アイテムの使用も含めてサポートしてくれるキャラなど、さまざまな特長をもっているので、自分のプレイスタイルに合わせて選ぶといいだろう。

 多彩なゲームシステム、モードを組み合わせて構成された本作品は、画面演出やBGMなど細かいところまで作り込まれており、フリーソフトであることが信じられないほどクオリティーの高いものとなっている。オープニングから流れるように展開するストーリーも、セーブするタイミングがつかめないほど、引き込まれていくものがある。一見、コマンド選択型のオーソドックスなアドベンチャーゲームのように見えるが、コマンド総当たりだけではクリアできない奥深い作品となっているので、謎に行き詰ったときは、公式サイトのBBSなどを利用しながらじっくりとプレイするとよいだろう。

一緒に行動するパートナーを3人の中から選ぶことができる。自分のプレイスタイルに合わせて選ぼう。   進行可能な方向が矢印で表示される。マップを見ながら慎重に探索していこう
一緒に行動するパートナーを3人の中から選ぶことができる。自分のプレイスタイルに合わせて選ぼう。   進行可能な方向が矢印で表示される。マップを見ながら慎重に探索していこう


“ゾウディアック”のマップ。迷わないように現在位置を確認しながら進もう   主人公“ディーン”の生まれ育った村。人気のない廃村で待ち受けるものは……
“ゾウディアック”のマップ。迷わないように現在位置を確認しながら進もう   主人公“ディーン”の生まれ育った村。人気のない廃村で待ち受けるものは……


【著作権者】BSK Z2 PROJECT
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.00(04/06/06)
【ファイルサイズ】43.9MB

□ゾウディアックシリーズ公式WEBサイト
http://www.zodiac-series.com/

(肥田 明久)


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