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フリーのオンラインフォントが、au製端末上で無断使用されるフォント作者への謝罪と既出記事の訂正がなされた模様
同氏が掲載していた情報には、氏は「PENCK」が発表されたと同時にテンキー上に使用されたフォントが自身による「Major Kong」であると認識したこと、auや端末デザイン担当者から氏に対して本フォントの使用許諾を求めるような行為が一切ないこと、携帯電話関連の情報を扱う複数の大手Webサイトにて本フォントが「PENCK」デザイン担当者の作品であるように語られた記事が掲載されていることがなどが記されていた。このほか「PENCK」の製品写真や取り扱い説明書と、同フォントの同一数字とを重ね合わせた図を用い、フォントの同一性を示すとともに、本フォントが自身の作品であることが主張されていた。 また上記情報における氏の要求は、フォント著作権者としての扱いを得ることを要求するのみ。なお問題となったフォント「Major Kong」のreadmeには、『印刷物、WEBページ等での御使用は自由ですが、このフォントを、作者の許可なく販売したり、営利目的の製品に添付することを禁じます。』との記述も添えられていた。
先ほど氏と連絡を取ることができたため、詳細を追ってお伝えする予定。
【13:40 追記】 同氏によると、昨日14時頃「PENCK」のデザイン担当者とauの責任者からお詫びの連絡があり、本件に関する説明があったとのこと。それによると、デザイン担当者本人が「PENCK」のテンキーに適したフォントを探して「Major Kong」を使用し、auの担当者に『テンキーの数字は手書きフォントです』と説明したという。担当者はこのプレゼンを受け、デザイン担当者による手書きフォントであると誤解したという。 そしてauは、テンキー上に使用されたフォントが「PENCK」デザイン担当者の作品であるように語られた記事に関して、大手Webサイトに訂正してもらうように働きかけることを同氏に約束したとのこと。
なお、auから本件に関して何か発表があった場合、追って追記する予定。
【17:30 追記】 編集部よりauに対し問い合わせを行ったところ、本日16時45分頃に回答があり、「PENCK」のテンキー上に使用されているフォントは足立氏の作品であること、フォント著作権者の取り違えはau担当者と「PENCK」デザイン担当者の間の誤解により生じたこと、大手Webサイトに対し事情説明を行ったうえで記事の訂正を依頼したことは事実であるとした。これにより上述した足立氏の主張は、au側の回答と相違ないことが明らかになった。また本日17時25分現在、本フォントが「PENCK」デザイン担当者の作品であるように記述されていた大手Webサイト記事の一部では、訂正が加えられていることを確認した。 このほか足立氏によれば、氏がフォントを公開していたサイト“9031”は消失しているが、アクセス過多によるものであり、近々に復旧の予定とのこと。またサイト復旧後は、本件の経緯も含めた情報を掲載する予定だという。 今回の問題によって、ソフトやフォントといった個人のデジタル創作物は、いとも簡単に別人の作品として公開されてしまう危険性を伴っていることが再認識された。今回の事例では、この行為が錯誤によって発生したものであり、故意に行われていないことは確かではあるが、こういった問題が起こってしまう背景には、デジタル創作物であるがゆえにコピーを簡単に行えること、個人創作物はその公開方法ゆえに大手企業の創作物に比べ認知を得にくく、その結果として別人の作品として公開されても社会的には判別不能であることが挙げられる。
しかしオリジナルの創作物であるかどうかの真偽を、個人作・企業作のすべての創
作物と照らし合わせて判別することもまた難しいのは言うまでもない。とするならば、
現状での問題解決策は、他人の著作物に対する権利の尊重という、各人の良心や自制
心にゆだねるしかないのかもしれない。
□9031(29日17時25分現在、サイト消失のため閲覧不可) (岩崎 綾)
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