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【第242回】
連続ドラマ形式のRPG「女神の涙TRUE」全48のシナリオが織りなす物語を楽しもう
(05/09/09)
インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から個人が趣味で制作し、無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、インターネット上で公開されるゲームの数が多すぎてしまい、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのか判断できずに困っている人も多いだろう。そこで“週末ゲーム”では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから選び抜いた良作を紹介していく。今回は、連続ドラマ形式のRPG「女神の涙TRUE」を紹介しよう。
本作では主人公たちが受けた1つの依頼を完了するまでを1シナリオとし、48個のシナリオがある。1シナリオが独立したエピソードであると共に、クリアしていくごとに少しずつ登場人物が増えていき、メインストーリーの全貌が明らかになっていく連続ドラマ形式だ。これによりミニシナリオ集になってしまうのではなく、ボリューム感のある1つの物語を楽しめる。登場するキャラクターは、どこか抜けた感じのある帝国軍、表向きは陽気だが冷酷さを忍びもつ盗賊ギルドの面々、主人公2人を慕ってくるかわいらしい孤児院の子どもたちなど、それぞれ魅力的に描かれている。
“攻撃”や“防御”などは“セイル”が行うが、“術”は“シーナ”が使用する。“術”の種類は“セイル”のHPを回復するもの、攻撃能力、防御能力をアップさせるもの、直接敵を攻撃するものまで様々だ。面白いのは、“術”が成功した場合にどの術を使うかはプレイヤーが選択できず、“シーナ”が決定するという点。“術”の効果は大きいが、“シーナ”がレベルアップして“判断力”という能力を上げないと、その場面で必要な“術”を使ってくれない場合もあり、戦闘にアクセントを与えている。ほかにもカードとは別にHP回復薬や一定時間無敵になるアイテムなどを使用したり、“回避”と“防御”が2回以上成功したら反撃ができたり、ときおり天使が現れて手持ちのカードを入れ替えていくなど、戦闘に関する要素は盛りだくさん。やり込み甲斐は満点だ。
また本作にはお楽しみ要素として、所持金を30万貯めるという目的も用意されている。実は戦闘やマップ探索で入手するアイテムは、回復アイテムや“セイル”と“シーナ”の技や術を強化するアイテム以外は、売って資金に換えるためにあるのだ。お金を得る手段はこのアイテム売却と依頼をクリアするともらえる報酬だけなので、上手に貯金を増やすにはアイテムをいかに高く売るかがカギとなる。アイテムを買い取ってくれる人は数人いて、それぞれ買い取り価格が違うので、高く買ってくれる人を探して売るといい。
1シナリオはおよそ5~30分ほどでクリアでき、メニュー画面を開いた状態で[Shift]キーを押すと一緒に行動しているキャラクター同士の雑談という形でプレイ中のシナリオの状況が分かる親切な機能がある。RPGとしてはクリアまでに必要な戦闘回数が少なくテンポよく進むのでストーリーに集中でき、プレイしやすく、好印象だ。なお本作は、全48シナリオ中12個のシナリオがプレイできる序編がフリーソフトとして公開されており、最後までプレイするにはダウンロード販売されている本編の購入が必要となる。ボリューム、完成度は申し分なく、音楽や大量のイベントグラフィックの出来を考えても、購入代金1,000円の価値はあるだろう。まずは序編をプレイして、気に入った人は最後までプレイしてほしい。
【著作権者】アルファナッツ
□アルファナッツ (藤井 宏幸)
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