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【第243回】
架空世界体験SLG「晴れたり曇ったりN」ファンタジー世界での生活を楽しもう
(05/09/16)
インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から個人が趣味で制作し、無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、インターネット上で公開されるゲームの数が多すぎてしまい、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのか判断できずに困っている人も多いだろう。そこで“週末ゲーム”では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから選び抜いた良作を紹介していく。今回は、ファンタジー世界を舞台に、大都市へとやってきた少年になって生活する、架空世界体験シミュレーションゲーム「晴れたり曇ったりN」を紹介しよう。 「晴れたり曇ったりN」は、移民船に乗って“海洋都市イシュワルド”へやってきた少年“フィル”となり、魔物退治などの仕事を請け負ったりしながら生活する、架空世界体験シミュレーションゲームだ。中盤以降は戦闘が仕事の中心になるので、RPGに似たゲーム展開となるが、お腹がすいたら食事を作ったり、街で知り合った友人たちと交流したりと、都市生活にまつわるさまざまな行動やイベントを体験できるのが特長。 またゲームの物語に相当するシナリオイベントも用意されている。ある夜、仕事から帰った“フィル”の元に“ラキシュ”と名乗る態度の大きな妖精が現れ、『“メロウの森”に魔物が増え、妖精たちを魔物から守ってきた結界が壊れてしまったので助けてくれ』と一方的なお願いをしてくる。半ば無理やり協力させられることになった“フィル”は魔物退治へと乗り出すのだった……。このように、働いて生計を立てつつ、“ラキシュ”の導きにしたがいシナリオイベントを進めてエンディングを目指すことになる。このほか友人たちと協力してちょっとした事件を解決する個別イベントも用意されている。
ゲーム内では日付が進行し、30日で1月となる。日付が3の倍数の日には、森に出かけてシナリオイベントを進められるが、このときのイベントは結界の材料を入手するために魔物と戦うことが中心となる。本作において戦闘関連のステータスは所有する武器のみで決まり、“フィル”自身の能力とは関係ないので、強くなるには武器の強化や買い換えを行う。強化するにはお金に加えて、武器がもつ“マナP”と“フィル”のレベルアップごとに増える“マナB”というポイントが必要。消費した“マナP”は増えないため、1つの武器の強化には限界がある。また初期装備の“木の剣”は攻撃力が低く“マナP”も少ないので、シナリオイベントを進める前に武器の買い換えを心がけよう。 戦闘はすべて自動で進むが、事前に“斬属性”など6つの属性に分類されたたくさんの“技”のなかから、8個を選んで装備しておく。技には“消費技術力”というポイントがあり、8個の合計が使用中の武器の“技術力”以内に納まるように選択する必要がある。装備した技は一定の法則に基づく順番で発動するうえ、攻撃力が強い技が必ずしも有利とは限らないので、“技”の特長や発動順序を考えて選択を工夫しよう。 お金を稼ぐには仕事をしなくてはならないが、仕事ばかりでは“幸福度”が下がってしまう。“幸福度”が下がると1日あたりの“行動力”が減少するうえ、選べる行動の種類も減る。適当な所で息抜きをして“幸福度”をベストの状態に保とう。とくにフィルの趣味である“夜釣り”は“幸福度”の上昇が高いうえ、釣った魚を売ることができるのでオススメだ。またゲーム中に友人がミニゲームをしかけてくることがあり、ゲームに勝つと様々な特典がある。ある友人と仲良くなると別の友人とのゲームを有利にするアイテムがもらえるので、できるだけ多くの友人と“ラヴラヴ”な状態を目指そう。 本作は架空世界体験シミュレーションという耳慣れないジャンルのゲームで、自由度も高いため一見するととっつき難い。しかし実際にプレイしてみると「お腹がすいたら食事を採る」「ときには息抜きを」といった具合に、日常生活のごく当たり前の感覚が通用するので、すんなりとゲームの世界に入っていくことができるはずだ。さらに120種類を超える技と50種類以上のアイテムなどによって、技選択の試行錯誤やアイテム収集の楽しみも備わっており、長く楽しめるゲームに仕上がっている。なお本作品はフリーソフトだが寄付を歓迎しており、500円以上の寄付で、ミニシナリオなどが楽しめる「晴れ曇N・特別版パッチ」や「晴れ曇N・データ集」が特典として入手できる。
【著作権者】犬と猫 氏 (霧島 煌一)
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