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【第256回】
SFウォーシミュレーション「Almagest -Overture-」侵略、外交、防衛……あらゆる手段を尽くして宇宙をその手に収めよう
(06/02/17)
インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、本格的宇宙戦争シミュレーションゲーム「Almagest -Overture-」を紹介しよう。
本作は星図が描かれたメイン画面の右上にあるメニューにゲームを進めるためのコマンドが集まっており、操作はマウスで行う。左クリックが選択や決定で、右クリックがキャンセルと覚えておけば戸惑うことはないだろう。主に使用するメニューは[艦隊][外交][内政][士官]の4つで、そのほかゲームの状況を把握するための[情報]、ゲームのセーブやロードを行う[記録]、ゲームの設定を行う[システム]、そして自国のターンを終了する[今期終了]がある。 国家には元首のほかに、それぞれ得意分野が異なる数名の士官がいる。序盤のうちは直接的な武力行動よりも自国の発展が重要になるため、あらかじめ編成されている艦隊を一度解散させ、艦隊に所属していた各士官に仕事を割り振ってしまったほうがいいようだ。士官ごとに設定された“艦隊攻撃力”“艦隊防御力”“知力”“政治力”“特殊能力”といったパラメーターを見て、最適な仕事をさせるようにしよう。また、いずれの国家にも属していない士官を捜索し、仕官を要請することもできる。
編成した艦隊は、隣接する敵対国家が統治する惑星へ攻め込むことができる。戦艦には機動力や耐久力が設定されているほか、搭載されているビーム、ミサイル、レールガン、艦載機についてもそれぞれ攻撃力と防御力が設定されており、これらの値は搭乗している司令官や4種類の作戦に応じて調整される。たとえば“強行作戦”では攻撃力が5割アップする代わりに防御力が7割減になり、“密集作戦”では攻撃力が3割減、防御力が5割増しになるといった具合だ。相手の戦力構成に適した作戦を選ぶことが、戦闘における勝利への近道だ。 侵攻した惑星の防御衛星を破壊した時点で、その惑星が自国の統治下に置かれることになる。このとき、自艦隊の司令官の政治能力が高いほど、占領した惑星の治安や経済規模へのダメージを低く抑えることができる。 [外交]メニューでは、他国への資金援助や、講和や同盟の打診、同盟破棄や宣戦布告、降伏勧告などを行える。とくに資金援助は他国との関係を良好に保つための重要な手段となるので、戦力分布をよく見ながらマメに行いたい。また、講和や同盟の打診と降伏勧告については、士官にその役目を任命することができる。相手国の元首よりも政治力が高い士官を外交官として派遣すれば、より高い効果を期待できる。 [内政]メニューでは、惑星の治安、経済、防衛力を高める治政が行えるほか、惑星防衛のための軌道部隊や防衛艦隊を配置することができる。また、戦艦や防衛衛星の開発を行うことも可能。何もしないと新しい戦力は生まれないので、ターン開始時に兵器開発が可能になったという知らせが入ったら、任意の士官を開発担当に任命しておこう。
本作は同盟を組むなど、平和的なプレイを進めると“王道値”が、武力による他国攻略で“覇道値”が上がり、そのバランスに応じて発生するイベントやエンディングが異なってくる。イベントは全部で40種類、さらにエンディングも10種類が用意されており、一度のプレイですべてを見ることは当然不可能だ。作者のホームページにある掲示板ではイベントやエンディングの発生条件に関する意見交換も行われているので、ゲームがクリアできるようになったら覗いてみるといいだろう。奥深さが分かってくるにつれ、面白さも格段に増してくる良作だ。
【著作権者】Serendipity、むつきみかつ 氏
□Soft Circle "Serendipity" (がすけつ)
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