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【第263回】
和風対戦格闘ゲーム「妖~あやかし~」妖怪同士が戦う異色の雰囲気を楽しもう
(06/04/21)
インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、妖怪同士が戦う和風の対戦格闘ゲーム「妖~あやかし~」を紹介しよう。
ゲームモードは大妖怪“金毛九尾(きんもうきゅうび)”の復活を画策する天狗“飛天坊(ビテンボウ)”や、天狗の計画に巻き込まれるほかの妖怪達のストーリーを追う“物語”と、2人のプレイヤーで対人対戦を楽しむ“対戦”の2つ。まずは“物語”をプレイして、妖怪の世界の雰囲気を楽しもう。 操作はキーボードとゲームパッドの両方に対応しており、割り当ては任意に設定可能。標準では[F]キーで左移動、[H]キーで右移動を行ない、[T]キーでジャンプ、[B]しゃがみ動作を行う。移動キーを2回連続で入力するとダッシュができ、ジャンプ中にジャンプキーを押すと2段ジャンプが可能だ。また、攻撃を受けるときに敵の反対方向へ移動キーを入力するとガードができる。 攻撃は、[A]キーが威力は弱いが連続して出せる“弱攻撃”、[S]キーが威力の強い“強攻撃”だ。また、強攻撃キーはカーソルキーとの組み合わせで、“投げ技”や敵をダウンさせる“転倒技”、各キャラクターごとの“必殺技”を放つことが可能。そのほか[D]キーは“特殊攻撃”キーで、カーソルキーとの組み合わせにより敵を空中に打ち上げる“打ち上げ攻撃”や、敵を後方へ吹き飛ばす“ふっ飛ばし攻撃”などを繰り出せる。 さらに、“打ち上げ攻撃”や“ふっ飛ばし攻撃”で飛ばした敵を追いかけて攻撃する“追撃”、ダウン状態から反撃する“リバーサル攻撃”、ダウン状態から移動しながら起きあがる“移動起きあがり”、攻撃を受けて壁や地面にぶつかるときのダメージをなくす“受身”など、多彩なアクションが用意されている。これらを使いこなせば、ノンストップでスピーディな戦いを楽しむことができるだろう。
そのほか本作の大きな特長は、画面上部の中央に表示される“黄昏ゲージ”だ。“黄昏ゲージ”は自分と敵の攻撃同士がぶつかり合う“相殺”が発生すると増加する。ゲージがフルになると背景が暗くなって“逢魔が刻(おうまがとき)”が10秒間発生し、双方の必殺技がパワーアップする。単発の飛び道具が4連射になるなど効果は絶大で、一気に大ダメージを与えるチャンス。10秒という短い間だが、よりスリリングな攻防が生まれるのだ。 プレイヤーが操作する妖怪達はいずれも個性的な技をもっていて、空中ダッシュが可能な天狗の“飛天坊”、進行方向へのダッシュ中は姿が消える吸血鬼の“エルネスティーネ”、相殺時に自動で攻撃が出るサトリの“名無し”など、どのキャラクターも使いこなし甲斐がある。比較的扱いやすいのはスピードが速くて攻めやすい猫またの“コマ”と必殺技が強いかまいたちの“閑(シズマ)”で、とくに“コマ”で“物語”モードをプレイすると、ストーリー上仲間になる鬼の“市丸”が一緒に戦ってくれる場合があるためクリアしやすい。格闘ゲームに不慣れな人はまず“コマ”を使ってみるといい。 プレイの基本は対戦格闘ゲームのセオリーどおり、きちんとガードを固めつつ弱攻撃から始まるコンボを決めていくことだが、本作では攻め重視で戦うといい。比較的相殺が発生しやすいため、攻撃も防御となりうるからだ。また、攻撃をガードされて反撃を受けても、“リバーサル攻撃”や“受身”などで体勢を立て直すチャンスが多い。攻撃は単発では威力が低く“妖気ゲージ”も溜まりにくいので、ガンガン攻めてゲージを溜めていこう。
演出面も凝っていて、通常戦闘時はわりと人間らしい姿をしているキャラクターが、“甲種超必殺技”使用時には思い切りバケモノ調に変化するなど、さりげないところに作者の妖怪へのこだわりが感じられていい。難易度変更や対戦時の時間設定変更ができない点は少し残念だが、初心者への優しさと上級者向けの細かいシステムを両立している点は高く評価できる。ちなみに、続編にあたる「妖~あやかし~第二幕」も制作がスタートしており、動作テスト版が公開されている。本作が気に入ったらそちらもチェックしてみてはいかがだろうか。
【著作権者】物怪工房
□物怪工房入り口 (藤井 宏幸)
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