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【第278回】

アクションパズルゲーム「Catast」

撃って崩して避ける! 新感覚のブロック崩し

(06/09/15)
タイトル画面
   

 インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、頭上のブロックを撃って崩壊させるアクションパズルゲーム「Catast」を紹介しよう。

光弾でブロックを崩していく。赤、黄、青からはアイテムが出現
光弾でブロックを崩していく。赤、黄、青からはアイテムが出現
 「Catast」は、画面の上部にギッシリと配置されたブロックを、画面の下部を左右に動く“へんないきもの”と名付けられたプレイヤーキャラを操作して崩すのが目的のアクションパズルゲーム。画面構成は古くからあるブロック崩し風で、画面内のブロックをすべて崩せばステージクリアという点では似ているが、それ以外のルールは大きく異なっている。このゲームでは、光弾を発射することでブロックを崩すことができ、落下してくるブロックに直撃して画面外まで押し出されてしまうとゲームオーバーだ。ただし、画面外へと出る前に左右のどちらかへ移動すれば、ブロックからの脱出も可能となっている。

 操作はカーソルキーで“へんないきもの”の移動、[Z]キーで光弾の発射のみとシンプルだ。“へんないきもの”からは常に上方へ向けてライン状の照準が伸びており、現在狙っているブロックが一目で分かるようになっている。また、光弾はブロックに当たるか画面外に消えない限り、次は発射できない。これは重要なポイントで、画面の左下にはブロックを崩さないとドンドン減少し、ゲージがゼロになると横一列分のブロックが崩落を起こしてしまう“カタストゲージ”があり、ムダ弾を撃っているとあっという間に崩落が起きてしまうのだ。逆に、光弾でブロックを崩せばカタストゲージは増えていく。危険を回避するには、テンポよくブロックに光弾を当てることが大切だ。

 通常の光弾で崩せるブロックは1つだけだが、矢印が描かれたブロックを崩すと、矢印の方向に隣接するブロックも崩れるという“連鎖”が起こる。この連鎖が、本作最大の特徴といえる。たとえば左右に向けて矢印が描かれているブロックに光弾を当てると、その左右にあるブロックも崩れるといった具合で、さらに隣接するブロックに矢印が描かれていれば連鎖的に崩落を起こせるのだ。また、カタストゲージが高いほど、ブロックを崩したときに獲得できる得点が大きくなる。ハイスコアを狙うならば、数多く連鎖できるポイントを見極めてブロックを崩すことが重要だ。


矢印が描かれたブロックを崩すと、矢印の方向に対して連鎖が発生   “カタストゲージ”がゼロになると横1列分のブロックが崩壊する
矢印が描かれたブロックを崩すと、矢印の方向に対して連鎖が発生   “カタストゲージ”がゼロになると横1列分のブロックが崩壊する


アイテムのひとつ“フレイム”は、ブロックを貫通するのが特徴
アイテムのひとつ“フレイム”は、ブロックを貫通するのが特徴
 アイテムも、効率よくブロックを崩すうえで忘れはならない存在だ。アイテムは“エレメント”と呼ばれる赤・橙・青色の特殊ブロックを崩すことで登場し、プレイヤーが触れることで効果が発揮される。赤いエレメントから登場するのは“フレイム”で、次に発射される光弾が貫通弾となり、結果として1発の光弾で1列まるごと崩せることになる。連鎖と組み合わせて使いたいアイテムだ。橙のエレメントから登場するのは“クエイク”で、獲得した瞬間にすべての列の最下段ブロックが崩れてくる。ブロックを一気に崩せるチャンスだが、ブロックの直撃によってゲームオーバーになる確率も高いハイリスク・ハイリターンなアイテムだ。最後の青は、“ストーム”と呼ばれるアイテムで、次に“フレイム”を獲得するまで“へんないきもの”と光弾の移動速度が40%アップする。

 ゲームオーバーを回避するコツは、ブロックがすべて崩れた列を、早い段階で作ること。ブロックのない列は、カタストゲージがゼロになったときや“クエイク”による崩落でもブロックが落ちてこないので、絶好の退避ゾーンとなってくれるからだ。慣れるまでは大胆にブロックを崩すよりも、退避ゾーンを作ってコツコツと確実に崩していくほうが、先のステージまで進みやすい。


“クエイク”を取ると横1列分のブロックが一気に崩れる   縦のラインをすべて崩して回避ゾーンを作るとミスを防ぎやすい
“クエイク”を取ると横1列分のブロックが一気に崩れる   縦のラインをすべて崩して回避ゾーンを作るとミスを防ぎやすい


 本作は左右の移動と光弾の発射だけというシンプルな操作性ながら、連鎖やアイテムの有効な使い方を考えたり、ブロックを避ける反射神経が必要だったりと熱中させる要素が詰まっているのがうれしいゲームだ。『撃ちまくってブロックを避けまくる』アクションゲームとして遊ぶもよし、『効率いい連鎖を確実に狙う』パズルゲームとしての要素を重視して遊ぶもよしと、プレイヤーの好みで遊び方を変えられる懐の深さももっている。唯一、ステージの画面デザインが4種類しかないうえ、クリアを重ねてもひたすらループされるだけなのが少々寂しいところ。それを差し引いても、手軽に遊べてハイスコアを狙いたくなる熱中度は大きな魅力。次回作「Catast II」を作成中とのことなので、デザインを含めさらなるパワーアップを期待したい。

【著作権者】成田 祥 氏
【対応OS】Windows 2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.20
【ファイルサイズ】226KB

□Tiny Stream
http://gcc.ne.jp/~narita/

(芹澤 正芳)




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