インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、バラエティに富んだ攻撃とコンボボーナスによる稼ぎを楽しめるアクションシューティングゲーム「ILLUSION BLUE」を紹介しよう。

“スコアアタックモード”では得点アイテムによる稼ぎ要素もある

　「ILLUSION BLUE」は、“オーバーガーディアン”という機動兵器を操作して戦う、ステージ選択型の縦スクロールアクションシューティングゲーム。ストーリーに沿って進めていく“メインストーリーモード”と、ハイスコアを競う“スコアアタックモード”という2つのゲームモードがある。ストーリーモードでは月と地球の戦争を描く物語が語られ、ステージ前後とボス戦前に登場人物同士の会話が挿入される。

　操作はカーソルキーで自機の移動、［Z］キーで左腕に装備した武器の使用、［X］キーで右腕に装備した武器の使用、［C］キーで“ダッシュアタック”、［V］キーで回数制限のある“スペシャル攻撃”となっている。敵機本体に接触してもダメージは受けないが、敵の攻撃に当たると画面左下に表示されている耐久値ゲージが減少し、これがゼロになるとゲームオーバー。ストーリーモードではコンティニューすることでその場からプレイ再開が可能だ。

最初に機体と武装を選択する。ステータスのバランス表示も参考にしよう		“Kato-00”の“スペシャル攻撃”には耐久値回復の効果もある

　自機はバランス型の“Hakusui”、スピード型の“Mumyou”、パワー型の“Kato-00”の3種類から選択する。それぞれ耐久値、移動スピード、攻撃力の基本値と、“スペシャル攻撃”の種類が異なり、左右の腕に装備できる武装にも違いがある。左腕用の武装はバルカンやミサイル、キャノンなどの射撃武器で、右腕用はナックルやブレード、スティンガーといった格闘武器が多く、それぞれ装備することで耐久値、移動スピード、攻撃力が変化する。また、左右どちらの武器もキーを一定時間押し続けるとより強力な“溜め攻撃”になるので、状況に応じて使い分けよう。加えて“溜め”中はカーソルキーを左右へ連続して2回入力することで、“クイックステップ”と呼ばれる左右への高速移動が可能。緊急回避が必要な場面で使うといいだろう。

　各機共通の“ダッシュアタック”は突進しながらの攻撃で、一定時間無敵になる効果がある。さらにダッシュアタックで耐久値の低い敵に攻撃すると、そのまま敵を“つかむ”ことができる。つかんだ敵は［Z］キーで投げる、もしくは［X］キーで爆破することが可能だ。この2つの攻撃は大きな爆風を発生させ、多くの敵を巻き込んで倒すことができるため、非常に有効な攻撃手段となっている。

　本作では、一定時間内に連続して敵を倒すことで得点がアップしていく“チェイン”というシステムを利用してスコアを稼いでいく。さらに極めて短い時間内に多数の敵機を倒すと特別な“チェイン”が発生し、飛躍的にスコアが伸びる。チェインを狙うには“ダッシュアタック”が有効だ。右腕の格闘武器には敵弾の一部を消したり打ち返せるものがあるので、これと“ダッシュアタック”の無敵時間を利用して敵が密集している所へ突っ込み、“つかみ”からの投げや爆破を狙おう。

プレイの要となる“ダッシュアタック”からの投げ。大量得点が期待できる		ほとんどの格闘武器には敵弾をはじく効果がある

　3種類ある自機のうち、バランス型の“Hakusui”は扱いやすく、装備した武器に応じて射撃戦と格闘戦のどちらにも対応できるが、スピード型の“Mumyou”は耐久値が低く、敵に突っ込む格闘戦は不向き。パワー型の“Kato-00”は選択できる射撃武器の多くが単発式で、さらに極めて移動速度が低く回避が難しいため、無敵時間を利用する格闘戦向きとなっている。はじめは“Hakusui”で本作独特のプレイ感覚に慣れるといい。

　本作は一般的なシューティングゲームと違い、射撃武器による攻撃だけでは全方位から大量に出現する敵機に対応しきれない。そこである程度射撃を使いつつ、格闘武器による敵弾消しや“ダッシュアタック”の無敵時間を使った回避を駆使し、“つかみ”からの投げや爆破で“チェイン”を狙う、というのが基本スタイルになる。このプレイ感は実に新鮮だった。

射撃武器はボス戦時、ボスを自動でロックオンする

　ボス戦の攻略法も機体や武装の選択によって変化し、“クイックステップ”で攻撃を避けつつ射撃でじわじわ削っていったり、接近戦での瞬殺を狙ったりと、工夫次第でさまざまな楽しみ方ができる。それでいて、どんな組み合わせでもクリアできるよう、全機体共通の“ダッシュアタック”の効果が強く設定してある点も好感がもてる。少し強すぎるかもしれないが、射撃だけでは進めない、という本作のコンセプトを明確にする意味でも、正解だったと思う。

　プレイ可能なステージ数は、チュートリアルとオマケを含めても全6ステージとやや少なめではあるが、その代わり機体と武器の組み合わせによるプレイバリエーションは幅広い。また、ステージクリア後にはプレイの評価が判定され、よい結果を出すと新しい武器が使用可能となっていく仕掛けもプレイ意欲をそそる。ストーリーにも必要以上に力が入っており、ゆっくり読む時間があればよりゲームの世界背景に浸ることができるはずだ。そんなところからも、何か新しいことをやってやろう！　という意欲が強く伝わってくる。そんな作り手の心意気を感じながら、プレイしてみてほしい。

【著作権者】中鉄　氏
【対応OS】Windows 98/Me/2000/XP
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】-（06/11/08）
【ファイルサイズ】3.11MB

□STEEL EDGE
http://www13.plala.or.jp/steeledge/

（藤井 宏幸）