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【第300回】
ボイス付きノベルゲーム「古本屋 こほにゃ」店長代理はネコミミ少女? 古本屋を舞台にしたちょっと不思議な物語
(07/04/27)
インターネット上で公開されているゲームは、大手メーカーが制作・販売している大作から、個人が趣味で制作して無料で公開しているものまで、ジャンルや価格を問わず、さまざまなものが存在している。しかし、公開されているゲームの数が多すぎて、どんな作品が存在し、どの作品が本当に面白いのかを判断できずに困っている方も多いだろう。そこで『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、本の声を聞くことができるネコミミ少女が店長代理を務める古本屋を舞台に、悩みを抱えて店をおとずれた客と本とのエピソードを描いたノベルゲーム「古本屋 こほにゃ」を紹介しよう。
お客にとって最高の一冊と出会える不思議な古本屋が舞台
物語は一話完結方式で進み、選択肢などの分岐は用意されていない。一話あたり10数分程度で読むことができ、ゲーム全体のプレイ時間も1時間~1時間半程度と短め。また、各話は“真琴”とその友人である“私”や、悩みを抱えて店を訪れる人々など、毎回異なった視点で展開する。
ヒロイン“真琴”のセリフはすべてボイス付きゲーム中の画面には、背景画像とさまざまな表情やポーズが用意されたキャラクターイラストが表示され、文章は画像の上に重なる形で画面全体を使って表示される。画面上でマウスをクリックするたびに次の行が表示されていき、猫の足跡マークが出るところまで読み進めると次のページへ切り替わる仕組みだ。物語の要所要所では画面全体を使った一枚絵が表示され、ゲームにアクセントを加えてくれるほか、ヒロイン“真琴”のセリフはすべて音声付きで、バックに流れる音楽と合わせて耳からも物語を楽しませてくれる。そのほか、エンディングにはボーカル曲も用意されている。
親しみやすい内容と気軽に読めるボリュームが魅力
また、ネコミミ少女という「いかにも」な題材ながら、モノトーンでまとめたシックなキャラクターデザインや、外見相応の幼さと不相応な落ち着きが同居した性格設定、それに見合った声の演技などにより、嫌味にならない可愛らしさをうまく演出している点も本作の魅力の一つだ。穏やかで優しい雰囲気のオリジナル曲と合わせ、派手さはないがほっとさせてくれる作品に仕上がっている。 さらに、一話あたりのプレイ時間が短めでテンポよく読めるうえ、全体的な長さも手軽さとプレイ後の満足感のバランスがとれた、ちょうどよいボリュームにまとまっている。各話ごとに異なる視点で語られていく点も、読者を飽きさせないアクセントとして見逃せないところだ。難解な話は苦手という人や、ノベルゲームを読み慣れていない人にも安心しておすすめできる作品だ。
【著作権者】VALLEL
□V A L L E L (霧島 煌一)
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